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【企業向け】外国人労働者が感じる差別とは?差別を減らす取り組みや差別事例も解説

2024.07.05

いまや外国人労働者は、日本の多くの産業を支える重要な働き手となっています。そのため、外国人労働者を雇用するにあたり、企業は外国人が感じる差別についてしっかりと把握しておくことが大切です。

今回は、外国人労働者の現状を紹介したうえで、外国人労働者が感じる差別を「仕事編」と「プライベート編」に分けて解説します。併せて、外国人労働者の差別を減らす5つの取り組みや、差別的な行為の事例も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

【最新】外国人労働者の現状

厚生労働省の資料によると、2023年10月末時点の外国人労働者数は、204万8,675人で、届け出が義務化された2007年以降で過去最高を更新しています。以下では、過去5年の外国人労働者数の推移を見てみましょう。

外国人労働者数

2019年

165.9万人

2020年

172.4万人

2021年

172.7万人

2022年

182.3万人

2023年

204.9万人

参考:厚生労働省|『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)

 

上表のとおり、外国人労働者数は5年間で40万人近く増加しています。また、国籍別で見ると、ベトナム人が最も多い51万8,364人で、全体の25.3%を占めていることも特徴です。

このように労働者数が年々増えていることから、日本の産業において外国人材が重要な働き手となっていることがわかります。

なお、外国人に対しても、労働基準関係法令である労働基準法や最低賃金法などの法律が、原則的に適用されることには留意しておきましょう。労働基準法第3条では、労働条件に関して国籍で差別することは禁止されています。

外国人労働者を雇用するメリット

外国人労働者を雇用すれば、企業の人手不足の解消に繋がるメリットがあります。特に近年は、人手不足によって倒産に追い込まれる企業もあるなかで、即戦力となり得る人材を確保できるのは大きな魅力でしょう。

 

内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、生産活動を支える15~64歳の「生産年齢人口」は、2032年には6,971万人となり、2070年には4,535万人になると推計されています。国内の産業を支える働き手がますます減ることが予想されているなかで、外国人労働者は重要な人的資本といえるのです。

 

また、外国人労働者の採用によって、企業の革新を促せるような優秀な人材の獲得に繋がったり、組織の活性化を起こせたりすることもメリットといえます

参考:内閣府|令和5年版高齢社会白書

 

外国人を雇用する詳しいメリットについては、ぜひ以下の記事もご参照ください。

外国人を雇用するメリットは?雇ううえでの注意点や受け入れの流れも解説

外国人労働者が感じる差別|仕事編

次に、外国人労働者が仕事を通じて感じる差別について見ていきましょう。

厳しい労働環境を強いられる

厳しい労働環境に置かれている外国人労働者は、差別されていると感じます。特に、開発途上国などへの技能・技術等の移転がおもな目的である「技能実習生」の労働環境は、悪質なケースも少なくありません。

 

厚生労働省の発表によると、2022年に労働基準関係法令違反となった実習実施者は、監督指導を実施した9,829事業場のうち7,247事業場で、73.7%を占めている状況です。おもな違反事項を見ると、「使用する機械等の安全基準」に関する違反が23.7%、「割増賃金の支払」に関する違反が16.9%となっています。

 

なお、現行の技能実習制度は廃止され、新たに育成就労制度が創設される見通しとなっています。厚生労働省の「改正法の概要(育成就労制度の創設等)」によると、育成就労制度は特定技能1号水準の技能を持つ人材の育成、および当該分野における人材確保を目的とした制度になる見通しです。

参考:厚生労働省|外国人技能実習生の実習実施者に対する令和4年の監督指導、送検等の状況を公表します

参考:厚生労働省|改正法の概要(育成就労制度の創設等)

技能実習生受入れ制度が廃止される経緯や、育成就労制度の概要が気になる方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

【技能実習生受入れ制度が廃止】新制度「育成就労制度」の目的や企業の対策も解説

差別的な言葉を使われる

一部の職場では、外国人労働者に対し、身体的な特徴をネガティブに表現する言葉や、国籍とネガティブな要素を結びつけた言葉を使ってしまうケースもあります。

 

外国人が日本人と異なる慣習や気質を持っているからといって、差別的な言葉を使用する行為は、もちろん許されません。外国人を雇用する際は、無意識的にでも差別的な表現をしないように、社員に対して十分な教育をすることが重要です。

身体への暴力を受ける

特に劣悪な労働環境の場合、外国人の体に対して日本人従業員が暴力的な行為を働くケースもあります。外国人労働者にうまく言葉が通じないからといって、工具を使ってヘルメットを叩いたり、殴ったりしていた事例もあるようです。

もしもこのような暴力的な行為を日本人従業員が行い、暴行された外国人がケガを負った場合は、従業員が傷害罪に問われるおそれがあります。また、ケガを負わなかった場合でも、暴行罪に問われるかもしれません。

はじめは従業員同士の軽いスキンシップだったものが、徐々にエスカレートしていく可能性もあります。受入れ企業は、外国人労働者に対する人権意識を社員にしっかりと教育しておかなければなりません。

 年功序列によって昇進・昇格の機会を奪われる

日本でも、特定の業務のスキルが平等に評価される「ジョブ型雇用」が浸透しつつあるものの、年功序列をベースにした「メンバーシップ型雇用」を継続している企業も多い傾向です。

しかし、外国では成果主義・能力主義が一般的なため、日本独自のメンバーシップ型雇用によって「昇進・昇格の機会を奪われる」と、差別的に感じる外国人も少なくありません。

外国人労働者の安定的な雇用を実現できるように、場合によっては自社の雇用体制を見直すのも手です。

外国人労働者が感じる差別|プライベート編

続いて、外国人労働者がプライベートで感じる差別について確認していきましょう。

賃貸契約を断られるケースがある

外国人であることを理由に、マンションやアパートなどの賃貸物件の契約を断られるというケースがあります。具体例を挙げると、日本人の保証人がいないことを理由に断られたり、物件情報に外国人を断る旨が記載されていたりする事例があるようです。

賃貸契約で外国人が差別を感じることのないように、外国人労働者を受け入れる企業は、住まい探しや賃貸契約をサポートすることも重要です。

ヘイトスピーチを見聞きする

ヘイトスピーチとは、人種や宗教、ジェンダーなど人間の内的属性に基づき、攻撃的な言説を行う行為のことです。日本では、2016年にいわゆる「ヘイトスピーチ解消法」が施行されており、不当な差別的言動を行うことは許されていません。

とはいえ、ヘイトスピーチ解消法の施行後も、国内でヘイトスピーチが行われている事例は後を絶ちません。そのため、受入れ企業は地域社会に外国人労働者がうまく溶け込めるように配慮したり、日本人との交流の場を設けたりすることが大切です。

企業による外国人労働者への差別事例

ここからは、厚生労働省の資料をもとに、企業による外国人労働者への差別的な行為の事例について紹介します。

参考:厚生労働省|技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況(令和4年)

1.賃金を正当に払っていなかった事例

1つ目は、縫製業の事業場で働く技能実習生に対し、受入れ企業が1ヵ月分の定期賃金を払っていなかったうえ、始業前・終業後の時間外労働に関する割増賃金も不足していたという事例です。

労基署は、労働基準法や最低賃金法に違反しているとして、技能実習生の受入れ企業に対して是正勧告を実施。企業への指導が行われた結果、賃金に関する再計算が行われ、約65万円が技能実習生へ支払われています。

2.違法な時間外労働を行わせていた事例

2つ目は、機械部品を製造する事業場で、技能実習生3人に対して、1ヵ月当たり100時間以上におよぶ違法な時間外・休日労働を行わせていたという事例です。

また、この企業では技能実習生2人に対し、違法な時間外・休日労働を行わせていたことも発覚しています。長時間労働に関する法違反が過去にも認められていたため、捜査に着手され、送検されています。

企業が知りたい!外国人労働者の差別を減らす5つの取り組み

ここでは、外国人労働者に対する差別を減らすために、企業が推進すべき取り組みを5つ紹介します。自社が実践できる取り組みがないか、ぜひチェックしてみてください。

日本人社員のコンプライアンス意識を向上させる

外国人労働者を受け入れる前に、ともに働く日本人社員のコンプライアンス意識を向上させることが重要です。特に、経営陣や人事担当者がコンプライアンス意識を備えておけば、労働時間や安全基準などの面でも、日本人社員と等しい待遇の労働環境へとしっかり整備できるでしょう。

なお、外国人労働者に対しても日本人と同じように労働契約を締結し、契約書に記載した内容を遵守しなければなりません。

外国人労働者が働きやすい労働環境に改善する

外国人労働者が働きやすい労働環境へ改善できるように、企業は取り組む必要があります。例えば、雇用契約や業務マニュアルを母国語で用意しておけば、外国人にも理解してもらいやすくなるでしょう。

また、外国人労働者は基本的に一定レベルの日本語能力を備えているとはいえ、入国したばかりの頃は、スムーズに会話ができないケースもあります。日本語の習得を促すために、受入れ企業が学習をサポートすることも重要です。

コミュニケーションを取りやすい体制に整備する

日本人社員と外国人労働者がコミュニケーションを取る際、慣れていないうちは円滑にコミュニケーションできないこともあるかもしれません。

そのため、外国人が理解しやすいように標準語で話したり、指示を明確にしたりする工夫を施すことが大切です。コミュニケーションにおけるストレスが減ることで、日本人社員と外国人労働者の両者にメリットがあります。

明確なキャリアプランを計画する

外国人労働者のキャリアプランを明確化すれば、自身のスキルや実績が正当に評価されているという安心感を与えられます。

評価基準を明確にし、企業が求めている成果などをしっかりと理解してもらうことが大切です。明瞭なキャリアプランと評価基準を示すことで、外国人労働者には常にモチベーションが高い状態で働いてもらえるでしょう。

外国人労働者の教育担当者を設置する

言葉や文化の違いを理解したうえで、外国人労働者をしっかりとサポートできる教育担当者を設置することも重要なポイントです。とはいえ、人手不足に陥っている企業も少なくないなかで、人的リソースを割くのが困難なケースもあるでしょう。

 

例えば、在留資格「特定技能」1号の外国人を受け入れる場合は、登録支援機関によるサポートを受けることも可能です。登録支援機関では、特定技能外国人の受け入れに必要なさまざまなサポートを行うので、自社の負担を軽減できます。

登録支援機関の概要や選び方については、ぜひ以下の記事をご参照ください。

特定技能における登録支援機関とは?支援委託をおすすめする理由と選び方

外国人労働者を雇用するなら「オノデラユーザーラン」へご相談を!

ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、特定技能外国人の人材紹介、および登録支援機関としてのサポートを実施しています。特定技能外国人とは、人手不足が顕著な「介護」「外食」「宿泊」といった12の産業で、即戦力としての働きが期待できる外国人労働者のことです。

1号は在留期間が上限5年、2号は在留期間の制限がなく、中長期的な人材確保も見込まれます。当社なら、その特定技能外国人の受け入れに必要な支援計画の作成サポート、実行に関する支援が可能です。

特定技能外国人の入国後も、日本語学習機会を提供したり、定期的な面談を行ったりして、定着率アップに向けた多角的な支援を行えます。自社のご要望に合わせた最適な外国人材の紹介が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

外国人労働者は、仕事やプライベートを通じて差別を感じる可能性があります。受入れ企業は、外国人労働者が差別されていると感じないように、働きやすい労働環境に改善したり、教育担当者を設置してサポートしたりすることが重要です。

 

ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)なら、特定技能外国人の人材紹介や、登録支援機関としてのサポートが可能です。ワンストップで支援を行えるので、初めて外国人労働者を受け入れるという場合も安心です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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