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制度・雇用契約

外国人雇用の手続きの流れを紹介!企業が知っておくべき注意点やポイントも解説

2024.05.14

外国人を雇用する際には、日本人を雇用するのとは異なる手続きが発生します。特に、在留資格の確認・管理や、期限までの各種申請には注意が必要です。一方で、外国人と日本人の雇用には、共通する手続きもあります。

今回は、在留資格の就労に関する基礎知識を解説するとともに、ケース別の外国人雇用の手続きや注意点、ポイントを詳しく紹介します。

外国人材の受け入れを考えている、またはすでに外国人材を雇用している企業の採用担当者の方は、諸々の手続きに漏れが生じないよう、本記事をぜひ参考にしてください。

外国人雇用には就労可能な在留資格が不可欠

そもそも在留資格とは、外国人が日本に滞在するために必要となる資格のことです。2024年4月時点で、全部で29種類の在留資格があります。

在留資格によって就労の可否や条件が異なるため、外国人を雇用する際は、「想定される就労内容に適した在留資格を持っているか」を事前に確認しなければなりません。

ここでは、就労可能な在留資格を紹介したうえで、「在留カード」でのチェックポイントを解説します。

なお、在留資格ごとの特徴など、詳しくは以下の記事をご覧ください。

在留資格とは?全29種類の特徴・取得方法や外国人雇用で気を付けたいポイントを解説

参考:出入国在留管理庁|在留資格一覧表

就労可能な在留資格の一覧

就労可能な在留資格は、「活動内容に制限がないもの」と「活動内容に制限があるもの」に分けられます。それぞれの一覧は、以下のとおりです。

<活動内容に制限がない在留資格:4種類>

1.永住者
2.日本人の配偶者等
3.永住者の配偶者等
4.定住者

<活動内容に制限がある在留資格:20種類>

1. 外交
2. 公用
3. 教授
4. 芸術
5.宗教
6.報道
7.高度専門職
8.経営・管理
9.法律・会計業務
10.医療
11.研究
12.教育
13.技術・人文知識・国際業務
14.企業内転勤
15.介護
16.興行
17.技能
18.特定技能
19.技能実習
20.特定活動

なお、就労可能な在留資格の一部を、「就労ビザ」と呼ぶケースもあります。就労ビザの種類や申請方法などについては、以下の記事をご覧ください。

就労ビザとは?種類や申請方法と雇用する側が覚えておくべき注意点

 

在留カードでのチェックポイント

在留カードとは、在留資格の取得許可を受けた外国人(中長期在留者)に対して交付される、いわば許可証・証明書のようなものです。外国人を雇用する際には、在留カードで在留資格などをチェックしましょう。

<表面>

 

<裏面>

出入国在留管理庁|在留カードとは?の画像をもとに株式会社ONODERA USER RUNが作成

 

チェックポイントは、大きく分けて2つあります。

1つ目は、カード表面の「就労制限の有無」と記載がある箇所です。前項で紹介した就労可能な在留資格を持っていない場合、「就労不可」と記載されています。

2つ目は、カード裏面の「資格外活動許可欄」です。カード表面に「就労不可」と記載されている(=就労可能な在留資格でない)場合でも、条件付きでの就労が認められているケースがあります。そのような方の在留カードは、資格外活動許可欄に「許可」という記載があるはずです。

参考:出入国在留管理庁|在留カードとは?

 

【ケース別】外国人を雇用するまでの手続き

ここでは、外国人を雇用するまでの手続きの流れを3つのケースに分けて紹介するとともに、外国人材との雇用契約についても解説します。

【ケース1】海外にいる外国人を採用して日本で雇用する場合

海外にいる外国人を採用し、日本で雇用する場合の手続きの流れは、以下のとおりです。

<一般的な流れ>

1.外国人を雇用する事業主が、管轄の地方出入国在留管理官署へ「在留資格認定証明書」の交付を申請する
2.交付された「在留資格認定証明書」を、事業主が海外にいる外国人求職者へ送付する
3.外国人求職者が現地の日本大使館へ在留資格を申請する

在留資格認定証明書の交付手続きには、一般的に1~3ヵ月程度かかります。加えて、在留資格認定証明書が発行されてから、原則として3ヵ月以内に日本に入国しなければならない点に注意が必要です。

参考:出入国在留管理庁|地方出入国在留管理官署

参考:出入国在留管理庁|在留資格認定証明書交付申請

【ケース2】既に日本で働いている外国人を採用する場合

すでに日本で働いている外国人を採用する、すなわち外国人が日本国内で転職するケースも考えられます。この場合、まずは現在の在留資格のままで、自社(転職先)の業務に従事可能か確認しましょう。

転職元と転職先の職種が同じケースでは、基本的に在留資格を変更する必要はありません。外国人本人は、転職前に「就労資格証明書」を申請しておくとよいでしょう。

一方、転職元と転職先の職種が異なるケースや、「です。転職前に就労資格証明書を申請しておくと、在留資格変更許可申請の手続きがスムーズに進むでしょう。

なお、特定技能外国人に関しては、特有の手続きがあります。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

特定技能外国人は転職できる?要件・手続きやリスク、企業が取るべき対策を解説

参考:出入国在留管理庁|在留資格変更許可申請

参考:出入国在留管理庁|就労資格証明書交付申請

【ケース3】外国人留学生を採用する場合

外国人留学生が持つ在留資格「留学」は、原則として就労が認められていません。外国人留学生を採用する場合は、以下のケースに応じて手続きをします。

<新卒採用する場合>

外国人留学生を新卒採用する場合は、留学生本人による在留資格変更許可申請が必要です。就労開始の前年度12月頃から申請受付が開始されるため、早めに準備を進めてもらいましょう。

<アルバイト採用する場合>

外国人留学生が資格外活動許可を取得しているなら、認められている活動の範囲内でアルバイト採用が可能です。許可を取得していない場合は、採用前に留学生本人による資格外活動許可申請が必要になります。

参考:出入国在留管理庁|在留資格一覧表

参考:出入国在留管理庁|在留資格変更許可申請

参考:出入国在留管理庁|資格外活動許可について

いずれのケースでも入社前に雇用契約の締結が必要

採用する外国人材と事業主との間では、雇用契約を締結します。契約締結にあたって作成する雇用契約書は、在留資格を申請する際の必要書類す。

また、外国人材との労使トラブルを避けるうえでも、雇用契約書は重要です。雇用契約書を作成する際は、以下のポイントに留意しましょう。

  • ・外国人材が理解できる言語で作成すること
  • ・在留資格が許可されなかったときの対応について記載すること

在留資格が許可されなかった場合は、外国人材を受け入れられないため、雇用契約を無効とするのが一般的す。

なお、雇用契約書とよく似た「労働条件通知書」というものがあります。労働条件通知書は、給与や業務内容などを事業主が労働者へ一方的に通知するものです。これに対して雇用契約書は、給与や業務内容などについて、事業主と労働者が合意したことの証明となります。

外国人を雇用してからの手続き

続いて、外国人を雇用したあとのおもな手続きを解説します。

外国人雇用状況の届出をする

外国人を雇用する際や、外国人が離職する際には、事業主が「外国人雇用状況の届出」をしなければなりません。ただし、外国人が雇用保険被保険者になるかどうかによって、以下のとおり手続きが変わります。

<雇用保険被保険者になる場合>

外国人が雇用保険被保険者になる場合は、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出する(=雇用保険加入手続きをする)ことで、外国人雇用状況の届出に代えられます。

雇用保険被保険者資格取得届の届出先は管轄のハローワーク、届出期限は雇用した翌月10日までです。

<雇用保険被保険者にならない場合>

外国人が雇用保険被保険者にならないケースでは、「外国人雇用状況届出書」を提出します。外国人雇用状況届出書の届出先は管轄のハローワーク、届出期限は雇用した翌月末日までです。

参考:厚生労働省|外国人雇用状況の届出について

健康保険や厚生年金に加入する

健康保険・厚生年金保険に加入している事業主に雇用される方は、国籍などに関係なく被保険者となります。つまり、外国人を雇用した場合も、日本人労働者と同じ手続きが必要です。

具体的な手続きとしては、事業主が「被保険者資格取得届」を日本年金機構(管轄の年金事務所など)へ提出します。その際、本人確認のため、パスポートや就労資格証明書などのコピーが求められます。手続き期限は、雇用開始から5日以内です。

参考:日本年金機構|外国人従業員を雇用したときの手続き

所属(活動)機関に関する届出をする

外国人が転職などで新しい所属(活動)機関に移籍した場合は、管轄の地方出入国在留管理官署へ「所属(活動)機関に関する届出」が必要です。以下の在留資格が対象となります。

•教授
•高度専門職1号(ハ)
•高度専門職2号(ハ)
•経営・管理
•法律・会計業務
•医療
•教育
•企業内転勤
•技能実習
•留学
•研修

ただし、届出をするのは原則として外国人本人です。事業主としては、手続きを忘れないようフォローするとよいでしょう。所属(活動)機関に関する届出の期限は、事実発生日から14日以内です。

参考:出入国在留管理庁|所属(活動)機関に関する届出

外国人雇用のその他の注意点やポイント

ここまで解説した内容のほかにも、外国人を雇用するうえでは押さえておくべき項目があります。最後に、外国人雇用の注意点やポイントを4つ紹介します。

従事する業務には制限がある

「外国人雇用には就労可能な在留資格が不可欠」の章でお伝えしたとおり、在留資格によって就労条件は異なります。

外国人の雇用前に在留資格の内容を確認しておくことはもちろん、雇用後も従事させる業務が在留資格で認められた範囲内か、都度チェックしましょう。部署異動などのタイミングは、担当業務が変わる可能性があるため特に注意が必要です。

外国人を在留資格で認められていない業務に従事させることは、不法就労の助長に該当してしまいます。不法就労助長罪について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

不法就労助長罪とは?罰則や該当するケース、企業が知っておきたいポイントを解説

職場環境を整える

外国人材を受け入れる際には、外国人ならではの事情に配慮し、職場環境を整えることが大切です。

例えば、外国人労働者に対して、国籍や民族、宗教の違いによるハラスメントが発生しないよう、日本人労働者向けに研修を実施する方法があります。また、外国人労働者が安心して働けるよう、気軽に相談できる体制を構築したり、就業規則を見直したりするのもポイントです。

在留資格の更新管理をする

在留資格には、種類や外国人本人の素行条件などによって、在留期間が個別に与えられています。在留期間経過後も日本で働きたい場合は、在留期間満了前に更新手続きが必要です。

基本的には、外国人本人が在留期間などを管理しますが、事業主も在留期間を把握しておきましょう。在留期間更新の際に必要な「在留期間更新許可申請」の書類についても、一部事業主が作成する部分があります。

参考:出入国在留管理庁|在留期間更新許可申請

必要に応じて助成金を活用する

外国人を雇用し、かつ一定の条件を満たす事業主は、おもに厚生労働省が管轄する助成金を活用できる可能性があります。助成金の具体例や内容については、以下の記事を参考にしてください。

外国人雇用には助成金を活用!受給要件や金額を徹底解説

また、経済的な支援以外にも、ハローワークやNPO、登録支援機関などといった、外国人雇用そのものをサポートしてくれる団体・機関の活用も検討するとよいでしょう。登録支援機関は、特定技能外国人にまつわるサポートをする機関で、ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)もその一つです。

オノデラユーザーランは、海外の自社アカデミーで特定技能外国人の専門教育や育成を行うとともに、ニーズに沿った人材紹介、入社準備、就労後のサポートなどを一気通貫で対応しています。外国人材の受け入れを検討している方は、ぜひご相談ください。

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まとめ

外国人を雇用する際には、対象となる外国人材が、就労内容に適した在留資格を持っている必要があります。

また、外国人雇用の手続きの流れは、「外国人が海外にいる」「すでに日本で働いている」など、状況によって異なります。雇用契約の締結(雇用契約書の作成)などの共通事項を含め、ケースに応じた手続きを進めましょう。外国人を雇用したあとも、従事させる業務や在留資格の更新に注意してください。

「外国人材を受け入れたいが、手続きに関する業務負担が大きい」と感じる方は、外部団体・機関のサポートを受けてはいかがでしょうか。

ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)は、特定技能外国人の登録支援機関として、受入れ施設・企業様と外国人材の双方をサポートしています。特定技能は、人材確保が課題となっている産業分野において即戦力となる働き手を確保するための在留資格で、対象業務の幅が比較的広いのが特徴です。

できるだけ負担を抑えて特定技能外国人を雇用したいとお考えの方は、ぜひオノデラユーザーランにお任せください。

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