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登録支援機関とは?業務内容と支援を依頼するメリットも解説

2021.09.15

企業や施設が、特定技能制度による外国人材(以下、特定技能外国人)を雇用する場合、特定技能外国人への支援が義務化されています。雇用側においては、この支援を自社で実施をするのか、または、「登録支援機関」へ委託をするかの判断が必要になります。この記事では登録支援機関がどのようなことをする機関なのかを解説するとともに、委託することで雇用側がどのようなメリットを享受できるのかについて触れていきます。

登録支援機関とは

登録支援機関とは、特定技能外国人材を雇用する企業や施設から委託され、支援計画の作成・実施を行う機関のことです。

特定技能外国人材を受け入れるには、10項目の支援が義務付けられています。

多くの手続きやサポートを受入れ先の企業や施設のみで行うのは負担になるため、登録支援機関が代わりに業務を行うことが可能です。

登録支援機関が実施する、10項目の支援内容を見ていきましょう。

1.事前ガイダンス

登録支援機関が行う業務の一つが事前ガイダンスです。

事前ガイダンスとは、従事する業務内容や日本で行うことができる活動内容を説明することです。雇用契約についても、説明する必要があります。

こうした事前ガイダンスを対面もしくはビデオ会議システムなどを使って特定技能外国人が理解できる言語で実施するのが登録支援機関の役目です。

2.出入国する際の送迎

特定技能外国人が来日する際に、空港から受け入れ機関、住居へ送迎するのも登録支援機関が行うべき支援の一つです。

安心して日本に渡航できるようにするのはもちろん、出国時には保安検査場まで同行し、トラブルが発生しないか見守る必要があります。

3.住居確保・生活に必要な契約支援

外国人が、日本国内で賃貸物件を探し契約をすることは困難であるため、登録支援機関のサポートがあると安心です。

保証人の確保や、場合によっては登録支援機関自体が契約者となって住宅を確保したりすることもあります。

住宅の確保に加え、金融機関の口座開設、携帯電話の契約、電気・ガス・水道などのライフラインの契約など、結ぶべき契約は多岐にわたりますこうした契約の場に同行し、必要な情報を提供するのも登録支援機関の役割です。

4.生活オリエンテーションの実施

日常生活で覚えておくべきマナーやルールについて、特定技能外国人が理解できる言語でオリエンテーションを実施することも登録支援機関の業務です。

交通ルールや一般的なマナーなど、日本人にとっては当たり前の事でも、外国人が知らないことが多くあります。それに加え、相談の対応、医療機関の紹介、災害時の避難方法などを説明します。

この生活オリエンテーションは最低8時間以上行わなければならず、本人がきちんと理解したことを書面にしなければなりません。

5.公的手続き等への同行

外国人が日本で生活する上では、必要に応じて住民票・社会保険・税関連の手続きを行います。こうした手続きには、書類の作成が必要ですが、外国人には記入箇所が分からないこともあります。そのため、書類作成の補助や手続きの同行が必要になってきます。

6.日本語学習の機会の提供

特定技能外国人が日本人職員と円滑にコミュニケーションを取れるよう、日本語学習の機会を提供することも必要となります。

日本語学習のための教室や学校の紹介、教材の情報の提供などを行わなければなりません。

7.相談・苦情への対応

仕事上や生活に関する相談を受けた際は、適切な助言や指導を行う必要があります。特定技能外国人を受け入れるには、困りごとや悩みごとの相談や苦情を受けられるような体制を整えておくことが必要です。また、本人が十分に理解することができる言語を使うことも、相談しやすい環境作りに繋がります。

8.日本人との交流促進

日本の文化や習慣に早く慣れてもらえるよう、登録支援機関は日本人との交流を促進する役割も担っています。

例えば、自治会に入会するサポートや地域住民との交流の場に同行するなどのサポートがあります。

9.転職支援

もし、特定技能外国人が企業や施設の都合により転職を余儀なくされた場合、登録支援機関は転職の支援も行います。

別の受け入れ先を探したり、ハローワークでの手続きのサポートを行ったりします。

離職時に行うべき手続きも登録支援機関のサポートが必要になってきます。

10.定期的な面談・行政機関への通報

特定技能外国人の労働状況や生活状況を確認するため、本人と受入れ企業や施設(特定技能外国人の監督立場にあるもの)それぞれに3ヵ月に1回以上の定期的な面談を実施する必要があります。

もし、労働基準法などの法令に違反している場合は、登録支援機関が行政機関へ通報をします。

登録支援機関に支援を依頼するメリット

登録支援機関の役割は多岐にわたるので、企業や施設の多くは支援を依頼しています。

委託料がかかるとはいえ、登録支援機関に支援を依頼することにはいくつかのメリットが挙げられます。ここからは、登録支援機関に支援を依頼するメリットを見ていきましょう。

1.受け入れ先の企業や施設の負担が減る

登録支援機関に支援を依頼する最大のメリットは、受入れ先の企業や施設が負担を軽減できる点です。

特定技能外国人を採用すると、受入れ先の企業や施設はさまざまな準備や対応すべき事項があります。
例えば、特定技能
外国人を雇用することを現場に知らせ、理解を得ることはもちろん、どのように教育するかを決定する必要があります。

教育係を任命したり、業務のマニュアルや雇用契約書などを外国人の母語に翻訳したりなど、多くの業務を行いつつ、来日する人材の手続きの準備や送迎、住居やライフラインの契約への同行を行うのは多大な時間と労力が必要となり、相当の負担になります。

複数の特定技能外国人を一度に雇用するのであれば、さらに手続きが多くなり、現在働いている社員や職員の通常業務に支障が出る可能性もあります。

登録支援機関に支援を依頼すれば、こうした業務を一手に引き受けてくれるので、負担が軽減されることに繋がります。

特定技能外国人を雇用するハードルも下がるので、その後さらに継続的に採用ができるようになるかもしれません。

2.スムーズな手続きが可能

登録支援機関に支援を依頼する2つ目のメリットは、手続きなどをスムーズに行ってくれる点です。

特定技能外国人を雇用する際には、就労ビザの取得や、入国後の手続き、生活オリエンテーションなど順を追って実施しなければなりません。

登録支援機関の支援なしにこれらの業務を行おうとすると、思わぬトラブルが発生する恐れがあります。

必要な書類が整っていなかったり、相談すべき機関が分からなかったりするかもしれません。

特に入国管理局や労働基準監督署などに同行して相談や手続きを行う場合、専門的な知識や経験を有していないと手続きが滞ってしまうこともあります。

登録支援機関であれば、支援の実績と経験があるので、スムーズに手続きを行うことが可能です。

また、日本語学校に入学する場合、その手続きや教材の情報など、通常、企業や施設では得ることが難しい情報も入手しているので、特定技能外国人が安心して働き始めることもできるでしょう。

採用から実際に働き始めるまでの手続きを短期間でトラブルなく行うためには、登録支援機関のサポートは心強いものになります。

3.トラブルの早期解決につながる

登録支援機関に支援を依頼する3つ目のメリットは、トラブルの早期解決ができることです。

例えば、特定技能外国人材が、仕事でうまくいかず悩みが生じた場合、当事者である受入れ先の企業や施設には言いにくく、抱え込んでしまう人材もいるかもしれません。

しかし、第三者である登録支援機関が相談窓口として存在すれば、外国人材も気軽に相談が可能です。場合によっては母国語での対応も可能のため、問題の原因、解決に向けた提案もお互い理解することができます。

第三者が面談や相談を実施することで、受け入れ先や個人の問題も早期解決に繋がり、受入れ先の企業や施設、特定技能外国人材の双方にとって安心です。

登録支援機関へ支援を委託することがおすすめです

登録支援機関の支援は非常に幅広く、企業や施設、さらに実際に働く特定技能外国人にとっても大きなメリットがあることがお分かりいただけましたでしょうか。

企業や施設にとって、特定技能外国人材を雇用する際の負担を、大幅に減らすことに繋がるものと思います。

登録支援機関への業務委託にかかる費用(委託料)は、一人当たりすべての業務を委託しても、委託料は月2~3万円前後です。

ぜひ登録支援機関の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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