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特定技能関連

特定技能外国人の受け入れ人数に上限はある?技能実習との違いなども解説

2024.01.05

「特定技能外国人の受け入れ人数はどのくらい?」と気になる方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、基本的に受け入れ人数に制限はありません。ただし、建設業と介護分野では人数制限が設けられているため、注意が必要です。

今回は、特定技能外国人の受け入れ人数の上限や推移、外国人雇用が進みにくい理由などについて解説します。特定技能外国人の雇用をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも「特定技能」とは?

まずは、特定技能がどういうものかを解説します。

特定技能=日本の人手不足解消を目的として創設された在留資格

特定技能とは、2019年4月に創設された在留資格を指します。これにより、日本国内で人手不足が深刻化する特定産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れられるようになりました。

特定技能の大きなメリットは、単純労働を含む幅広い業務に外国人が従事できる点です。学歴や関連業務の従事経験を問わないため、特定技能外国人は今後も増加することが予想されます。

特定技能に該当する分野と従事可能な業務一覧

特定技能に該当する12分野と、それぞれの従事可能な業務は以下のとおりです。

特定技能に該当する分野

従事可能な業務

介護

身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)

※訪問系サービスは対象外


【1業務区分】

外食業

外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)


【1業務区分】

宿泊

宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客およびレストランサービス等の宿泊サービスの提供 


【1業務区分】

飲食料品製造業

飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生)


【1業務区分】

自動車整備

自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随


【1業務区分】

航空

  • ・空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等)
  • ・航空機整備(機体、装備品等の整備業務等) 

【2業務区分】

農業

  • ・耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)
  • ・畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)

【2業務区分】

ビルクリーニング

建築物内部の清掃


【1業務区分】

素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業

  • ・機械金属加工
  • ・電気電子機器組立て
  • ・金属表面処理

【3業務区分】

建設

  • ・土木
  • ・建築
  • ・ライフライン・設備

【3業務区分】

造船・舶用工業

  • ・溶接
  • ・塗装
  • ・鉄工
  • ・仕上げ
  • ・機械加工
  • ・電気機器組立て

【6業務区分】

漁業

  • ・漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)
  • ・養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)

【2業務区分】

参考:特定技能ガイドブック|法務省Webサイト

特定技能1号と2号の違い

特定技能は「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があり、求められる技能水準や在留期間などが異なります。

特定技能1号は、一定レベルの業務を遂行できるほどの技能が求められるものです。1年・6ヵ月・4ヵ月ごとの更新が必要で、通算5年まで在留できますが、家族を日本へ連れてくることは基本的にできません。

もう一方の特定技能2号は、1号よりさらに熟練した技能を求められます。3年・1年・6ヵ月ごとの更新が必要で、永続的に日本へ在留可能です。要件を満たしていれば、配偶者や子どもを日本へ連れてくることもできます。

 

なお、特定技能1号・2号の違いについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

特定技能1号・2号の違いは?それぞれの取得方法もわかりやすく解説

 

また、特定技能2号は2023年6月に対象分野拡大が閣議決定され、新たに9分野が追加されました。特定技能2号の対象分野拡大について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【閣議決定】特定技能2号対象分野拡大!

特定技能外国人は何人まで企業に受け入れ可能?

それでは、特定技能外国人の受け入れ人数について解説します。まずは、企業内での上限を見ていきましょう。

特定技能外国人は基本的に受け入れ人数の制限がない

特定技能外国人は、基本的に企業ごとの受け入れ人数に制限がありません。上限がない分、状況に応じて何人でも雇用できます。

建設業・介護分野では人数制限が設けられている

上記で「基本的に」としたのは、特定技能のうち建設業と介護分野のみ人数制限が設けられているためです。

建設業では、特定技能1号と特定活動の在留資格で就労している外国人の合計が、受入れ企業の常勤職員の人数を超えないようにしなければなりません。この場合の「常勤職員」とは、社会保険へ加入している正社員を指します。技能実習生や外国人建設就労者は含まれないため、注意しましょう。

介護分野では、日本人等の常勤介護職員の総数が上限とされています。この上限は企業単位ではなく、事業所単位であるため注意してください。企業全体の常勤介護職員数が多くても、その事業所の常勤介護職員数が少なければ、受け入れられる特定技能外国人の数も少なくなります。

また、介護分野の「日本人等の常勤介護職員」には以下の外国人も含まれています。

  •  
  • ・介護福祉士国家試験に合格しているEPA介護福祉士
  • ・在留資格「介護」を有する人
  • ・身分・地位に基づいた在留資格によって在留する人

 

一方で、留学生や技能実習生、EPA介護福祉士候補者は含まれません。

技能実習の場合は常勤職員数に応じて企業での受け入れ人数が決まる

少し話は逸れますが、特定技能とともによく挙げられる在留資格「技能実習」では、常勤職員数に応じて以下のように受け入れ人数が決まっています。

技能実習1号(基本人数枠)

技能実習2号

常勤職員数

受け入れ可能人数

受け入れ可能人数

301人以上

常勤職員数の20分の1

基本人数枠の2倍

201人~300人

15人

 

101人~200人

10人

51人~100人

6人

41人~50人

5人

31人~40人

4人

30人以下

3人

受入れ企業がいくつかの基準を満たして優良な実習実施者として認められると、より多くの技能実習生を受け入れられるようになります。

なお、技能実習制度は2024年以降に、廃止される見込みです。技能実習廃止や新制度については、以下の記事で詳しく紹介しています。

【最新動向】育成就労制度とは?基本的な考え方や重要なポイントを解説

 

とはいえ、建設業・介護分野を除いた10の分野については、特定技能のほうが企業で受け入れられる人数は多くなっています。

日本全体では特定技能外国人の受け入れ人数に上限がある!

企業ごとでは、特定技能外国人の受け入れ人数に上限がない(特定の分野を除く)ものの、日本全体では2019年から5年間で34万5,150人という受け入れ上限が設定されています。これは国内労働市場への影響を見込んでいるためといえるでしょう。

分野別の特定技能外国人の受け入れ見込み数(上限数)と、その受け入れ状況は以下のとおりです(2023年6月末時点)。

特定産業分野

受け入れ状況

受け入れ見込み数(上限数)

介護

2万1,915人

5万900人

外食業

8,842人

3万500人

宿泊

293人

1万1,200人

飲食料品製造業

5万3,282人

8万7,200人

自動車整備

2,210人

6,500人

航空

342人

1,300人

農業

2万882人

3万6,500人

ビルクリーニング

2,728人

2万人

素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業

3万5,641人

4万9,750人

建設

1万8,429人

3万4,000人

造船・舶用工業

6,377人

1万1,000人

漁業

2,148人

6,300人

参考:特定技能在留外国人数の公表|出入国在留管理庁
   特定技能制度の現状について|法務省Webサイト

 

受け入れ人数が最も多い分野は「飲食料品製造業」、最も少ない分野は「宿泊」でした。特定産業分野によって充足率に違いはあるものの、依然として不足している状況です。

2023年最新!特定技能外国人の受け入れ人数状況まとめ

特定技能外国人の推移状況や国籍別・都道府県別の受け入れ人数の最新情報を紹介します。

特定技能外国人数の推移

日本に在留する特定技能外国人数の推移は、以下のとおりです。

引用:特定技能在留外国人数|法務省Webサイト

 

年月

特定技能外国人数

2021年6月末

2万9,144人

2021年9月末

3万8,337人

2021年12月末

4万9,666人

2022年3月末

6万4,730人

2022年6月末

8万7,471人

2022年9月末

10万8,699人

2022年11月末

12万3,679人

2022年12月末

13万915人

2023年1月末

13万7,588人

2023年2月末

14万6,002人

2023年3月末

15万4,864人

2023年4月末

16万1,254人

2023年5月末

16万7,313人

2023年6月末

17万3,089人

参考:技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第11回)|出入国在留管理庁

 

特定技能外国人数が年々増えていることから、特定技能制度も徐々に浸透してきていることがわかります。

【国籍別】特定技能外国人の受け入れ人数

国籍別の特定技能外国人の受け入れ人数は、以下のとおりです(2023年6月末時点)。

引用:特定技能在留外国人数の公表|出入国在留管理庁

 

国籍

特定技能外国人数

ベトナム

9万7,485人

インドネシア

2万5,337人

フィリピン

1万7,660人

中国

1万1,402人

ミャンマー

8,016人

カンボジア

3,659人

タイ

3,499人

ネパール

3,428人

その他

2,603人

参考:特定技能在留外国人数の公表|出入国在留管理庁

 

ベトナムが最も多く、すべての特定技能外国人の約6割を占める結果となりました。そのほかインドネシアやフィリピンなど、東南アジアからの外国人が多くなっています。

【都道府県別】特定技能外国人の受け入れ人数

都道府県別の特定技能外国人の受け入れ人数は、以下のとおりです(2023年6月末時点)。

引用:特定技能制度運用状況|出入国在留管理庁

 

都道府県

特定技能外国人数

愛知県

1万4,739人

大阪府

1万364人

埼玉県

9,968人

千葉県

9,915人

茨城県

9,529人

東京都

8,747人

神奈川県

8,505人

北海道

7,175人

広島県

6,549人

兵庫県

6,531人

その他

8万1,079人

参考:特定技能制度運用状況|出入国在留管理庁

 

愛知県をはじめ、大阪府、埼玉県、そして千葉県と続いていることから、特定技能外国人数は都市部のほうが多い傾向にあるといえるでしょう。

特定技能外国人の受け入れがなかなか進まない理由

特定技能外国人数は増加傾向にあるにもかかわらず、実際の受け入れ人数と受け入れ見込み数には大きな差が生まれています。

受け入れが円滑に進まず、この差が埋まらない理由として考えられるものは以下の5つです。

  •  
  • ・特定技能制度について十分に理解できていない
  • ・申請書類が複雑である
  • ・受入れ企業側の支援体制が整っていない
  • ・外国人が特定技能を取得するには2種類の試験に合格する必要がある
  • ・受入れ企業の金銭的負担が大きい

 

受入れ企業は、日頃の業務があるなかで複雑な申請書類を作成したり、生活オリエンテーションや事前ガイダンスといった支援を行ったりする必要があります。このように負担がかかるため「特定技能外国人を受け入れたいがなかなか進まない……」という状況になっている企業もあるのではないでしょうか。

 

その場合は、登録支援機関へ委託することで悩みを解決できるでしょう。

ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、特定技能登録支援サービスや外国人材紹介を行っています。人材教育からビザの準備、入国後の支援まで幅広くサポートしているため、気になる方はお気軽にご相談ください。

登録支援機関について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せて参考にしてください。

特定技能における登録支援機関とは?支援委託をおすすめする理由と選び方

 

まとめ

建設業と介護分野の場合、常勤職員数が特定技能外国人の上限になりますが、その他の分野に関しては受け入れ人数の制限はありません。

そして、国内の特定技能外国人数は年々増加しているものの、受け入れ見込み数の達成にはほど遠い状況です。その理由の一つに、受入れ企業側の負担が大きいことが挙げられます。

ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、特定技能外国人の受け入れに必要な10項目の支援のほか、生活支援や入国後学習支援などの独自サービスも提供しています。

安心して受け入れられるよう、さまざまな面からサポートしていますので、ご興味のある方はぜひ特定技能登録支援サービスをご活用ください。


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