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特定技能の基本情報

特定技能1号・2号の違いは?それぞれの取得方法もわかりやすく解説

2023.08.03

特定技能は1号と2号に区分され、在留資格としての特徴や対象分野に違いがあります。2023年6月には、特定技能2号の対象分野の拡大が閣議決定されたこともあり、注目を集めるこの在留資格について詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、特定技能の概要を解説したうえで、1号・2号の違いや特定技能の取得方法などを解説します。これから外国人労働者の受け入れを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

特定技能とは?

2019年4月に創設された特定技能は、一定の技能・知識を持つ外国人に与えられる在留資格です。その目的は、「介護」「建設」「農業」などの特に人手不足が深刻な特定産業12分野の人材確保です。
特定技能は就労できる範囲が広く、単純労働を含む業務に従事する場合であっても取得できます。例えば、建設分野の土木業務に携わる場合、建設機械施工や土工などのおもな業務のほか、清掃・保守管理作業などの関連業務にも携われます。

特定技能は、学歴や母国での従事経験が不要なこともあり、技能実習などのほかの就労可能な在留資格と比べて取得しやすい傾向にあるため、企業の人材確保においても重宝するでしょう。

特定技能は1号と2号に分かれる

特定技能は1号と2号の2種類に分かれており、それぞれ制度としての特徴があります。以下の項目で詳しく見ていきましょう。

特定技能1号

特定技能1号は、特定産業分野に関して、相当程度の知識や経験が必要な技能を持つ外国人向けの在留資格です。取得するためには、日本語試験、および特定産業分野に関する技能試験に合格する必要があります。

在留期間の上限は通算5年で、更新期間は1年・6ヵ月・4ヵ月です。特定技能1号では、外国人労働者の家族の帯同は認められていない点に注意しましょう。

特定技能2号

特定技能2号は、特定産業分野に関して、熟練した技能を持つ外国人向けの在留資格です基本的に、特定技能1号の修了者が希望した場合の次のステップとして用意されています。在留期間は3年・1年・6ヵ月ごとの更新で上限はなく、要件を満たせば配偶者や子供の家族帯同が可能です。
なお、特定技能2号の受入れ対象分野は「建設分野」と「造船・舶用工業分野の溶接区分」のみでしたが、2023年6月9日の閣議決定により、以下の分野が追加されることになりました。

・農業や宿泊業、外食業など特定技能2号では対象外となっていた9分野(介護を除く)

・造船・舶用工業分野の溶接区分以外の業務区分

この対象分野の追加により、特定技能1号で経験を積んだ外国人材が、引き続き日本国内で活躍できる就労環境へと整うことが期待されます。

 尚、特定技能2号在留外国人数は17名となっています。(令和58月末現在)

参考:出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況1」より

特定技能1号と2号の6つの違い

 

特定技能1号と2号の6つの違いを、下表にまとめました。

参考:経済産業省「製造業分野の特定技能2号追加について」

※1 技能実習2号を良好に修了した外国人については免除

 

以下6つの項目で、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

1.在留期間の違い

特定技能1号と2号の在留期間には、以下のような違いがあります。

・1号:上限5年(更新は1年・6ヵ月・4ヵ月ごと)

・2号:上限なし(更新は3年・1年・6ヵ月ごと)

なお、特定技能1号の在留期間は上陸許可を受けた日、もしくは変更許可を受けた日から通算されます。

2.技能水準の違い

特定技能1号と2号の技能水準は、どちらの在留資格も試験等で確認します。ただし、両者で求められる技能水準には、以下のような違いがあることを押さえておきましょう。

・1号:特定産業分野に関する相当程度の知識や経験が必要な技能を持っている

・2号:特定産業分野に関する熟練した技能を持っている

なお、技能実習2号を良好に修了した外国人の場合、特定技能1号では試験等が免除されます。

3.日本語能力水準の違い

求められる日本語能力の水準は、以下のとおりです。

・1号:日本での業務や生活に要する日本語能力を、試験等で確認(※技能実習2号を良好に修了した外国人については試験免除)

・2号:試験等での確認は原則不要

特定技能では、日本語能力を測る試験である「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験」に合格しなければなりません。さらに、介護分野では「介護日本語評価試験」の合格も必要になります。

4.家族の帯同可否の違い

家族の帯同可否に関して、1号と2号では以下の違いがあります。

・1号:不可

・2号:要件を満たせば可能(配偶者・子)

配偶者や子供のいる外国人労働者にとって、家族帯同が可能な特定技能2号には大きなメリットがあるといえるでしょう。

なお、特定技能1号では家族帯同が許可されていませんが、もともと留学生だった人が特定技能1号の許可を受けた場合には、例外として扱われます。留学生の扶養する家族が「家族滞在」で在留していた場合は、「特定活動」へ変更することで引き続き在留が可能です。

5.支援の違い

特定技能1号の場合、受入れ機関が外国人労働者を支援するか、受入れ機関が登録支援機関へと外国人労働者の支援を委託することになります。一方、特定技能2号はこれらの支援の対象外です。

受入れ機関とは、特定技能外国人を受け入れる企業・団体のことです。特定技能外国人が円滑な業務・生活を行えるように、受入れ機関では「支援計画」を作成のうえ、支援する必要があります。

しかし、支援には専門的な内容も多く、自社でまかなえないケースも少なくありません。その際、出入国在留管理庁長官の登録を受けた「登録支援機関」に、計画・支援を委託すれば自社の負担を減らせます。

6.分野の違い

特定技能1号は以下すべての分野が受け入れの対象ですが、特定技能2号は介護を除く11の分野が対象となります。

1.介護

2.外食業

3.宿泊

4.ビルクリーニング

5.素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業

6.建設

7.造船・舶用工業

8.自動車整備

9.航空

10.農業

11.漁業

12.飲食料品製造業

なお、介護分野で就労する特定技能1号の外国人労働者が、国家資格である「介護福祉士」を取得するなどいくつかの要件を満たせば、在留資格「介護」への変更申請が行えます。在留期間の更新を受けることで、上限なしでの在留も可能です。

特定技能1号の取得方法

特定技能1号の取得方法を、以下では2つ解説します。

1.特定技能測定試験に合格する方法

まず1つ目は、以下の特定技能測定試験に合格して取得する方法です。

・国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上

・各産業分野の技能評価試験

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)は、おもに就労が目的の外国人向けのテストです。「日常会話がある程度でき、生活に支障がないレベルの能力を持っているか」を判定されます。

一方の日本語能力試験(JLPT)は、5段階で構成された外国人の日本語レベルを測る試験です。N4は「基本的な日本語を理解できる」というレベルに設定されています。
また、技能評価試験として、就労を予定している特定産業分野に関係したそれぞれの試験も受けなければなりません。例えば、介護なら「介護技能評価試験」、外食業なら「外食業特定技能1号技能測定試験」が該当します。

なお、受験資格は以下のとおりです。

ただし、これらの試験に合格しても在留資格の審査の結果によっては、特定技能1号を付与してもらえない可能性があります。

2.技能実習から移行する方法

2つ目は、良好に技能実習2号を修了してから移行する方法です。

技能実習の職種・作業内容と、特定技能1号の業務との関連性があると認められる場合には、特定技能1号への移行が可能です。その際、日本語試験と技能試験は免除されます。
また、特定技能へ移行後の業務と技能実習の職種が異なる場合であっても、良好に技能実習2号を修了していれば、日本語試験は免除されます。

特定技能2号の取得方法

特定技能2号は、特定技能1号から移行して取得するケースが一般的です。そのため、まず特定技能1号の取得を目指し、その後に試験を受けて特定技能2号を取得します。

例えば、建設分野で特定技能2号の取得を目指す場合は、CBT形式の「建設分野特定技能2号評価試験」を受けなければなりません。

ただし、特定技能1号を取得せずとも、特定技能1号より高い技能があることを試験で認められれば、特定技能2号の取得は可能とされています。

特定技能外国人の受け入れには登録支援サービスの活用がおすすめ

先述のとおり、特定技能1号の場合は、受入れ機関もしくは登録支援機関での支援が義務付けられています。ただし、特定技能の取得や外国人労働者の受け入れには、各種届出や申請、管理、報告などを行うため、一定の知識が必要です。

外国人労働者を受け入れる際に、企業側は特定技能の取得をサポートするだけでなく、法務省既定の義務的支援10項目を行わなければなりません。もしも企業が外国人労働者を適切に支援できていないと判断されると、外国人労働者の受け入れを今後できなくなるおそれもあります。
そのため、自社での負担を減らしつつも、より適切なサポートを行えるように、登録支援機関による「登録支援サービス」を活用するのがおすすめです。
登録支援サービスを利用すれば、実績豊富なプロの支援を受けられるため、外国人労働者を自社へと迎え入れられる可能性がアップするでしょう。

ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、ビザ申請から就職後の登録支援、定着サポートまでワンストップで行っています。また、特定技能外国人材の紹介も実施しているので、自社での特定技能の取得支援が難しい企業様も安心してお任せください。

まとめ

特定技能1号・2号は、人手不足が叫ばれている特定産業分野の人材確保を実現できる在留資格です。なかでも特定技能2号は、更新が続けられる限り無期限で在留できるため、外国人労働者と企業の双方にとってメリットが大きい就労ビザといえます。

ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、登録支援機関として登録支援サービスを行うほか、特定技能外国人材のご紹介、外国人材の定着につながる各種支援サービスを実施しています。お客様のニーズに合わせた人材のご紹介が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

 

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