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外国人が日本で運転免許を取得するのに必要な在留資格は? ドライバー業務はできる?

2026.05.26

外国人が日本で運転免許証を取得・利用したり、ドライバー業務に従事したりするためには、必要な要件を満たさなければならないため、制度を正しく理解しておくことが大切です。

この記事では、外国人が日本で運転免許証を利用するための条件や方法、ドライバー業務の可否の判断基準などをわかりやすく解説します。外国人をドライバーとして雇用する際の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

外国人が日本で運転免許証を利用するための前提条件

外国人が日本で運転免許証を利用できるかどうかは、国籍ではなく、「免許の種類(発行国・条約)」と「滞在状況」で判断されます。

日本で運転資格を判断する3つの基準(外免切替・国際免許・新規取得)

日本での運転資格は、「外免切替」「国際免許」「新規取得」の3つに分けられます。外免切替は、外国で取得した有効な運転免許証を日本の運転免許証に切り替えること、国際免許とは、ジュネーブ条約締約国に基づいた国際運転免許証です。また、新規取得とは、日本国内で運転免許証を取得する方法です。

国籍ではなく「条約」と「発行国」が重視される理由

日本はジュネーブ条約を批准しているため、ジュネーブ条約に基づく国際免許証であれば、日本国内での運転が可能です。しかし、一部の国で発行されているウィーン条約に基づく国際免許証の場合は、日本はウィーン条約を批准していないため、日本では使用できません。

運転は「国際的な安全基準(条約)」と「技能の習得環境(発行国)」に依存するため、国籍に関係なく、ジュネーブ条約加盟国が発行した有効な国際免許証を保有しているかが重視されます。

日本で運転する方法が3つに分かれる背景

日本に長期滞在する外国人は外免切替、観光やビジネス客など一時的な利用は国際免許、日本で初めて取得する場合は新規取得と、滞在期間や発行国に応じて安全に運転ができるよう、運転資格が3つに分けられています。また、外国人ドライバーによる事故防止や、不正な免許取得を規制する役割も果たしています。

【方法①】外国の運転免許を日本の運転免許に切り替える(外免切替)

外免切替とは、外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替える制度です。ここでは、外免切替の基本知識と、2025年の制度改正による審査の厳格化について解説します。

外免切替の基本要件と試験免除国(29カ国等)

外免切替は、「18歳以上(普通二輪は16歳以上、中型免許は20歳以上、大型免許は21歳以上)」「運転免許を取得後、その国に通算して3ヶ月以上滞在していた」という要件を満たす必要があります。また、免許の種類に応じて、規定を満たした視力であることも必要です。

さらに、上記の要件に加え、知識確認と技能確認に合格する必要があります。ただし、以下の29カ国等の運転免許証を保有している場合は、知識確認と技能確認が免除されます。

アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国(オハイオ州、オレゴン州、コロラド州、バージニア州、ハワイ州、メリーランド州、ワシントン州のみ)、イギリス、イタリア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェデン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェ、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾

また、アメリカ合衆国のインディアナ州に限り、技能検査のみが免除となります。

出典:警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」

2025年施行の改正道交法による学科試験・住所確認の厳格化

2025年10月1日から外免切替制度が厳格化され、学科試験が見直されました。従来のイラスト問題が廃止されて50問の文章問題となり、合格の審査基準が90%以上となっています。また、申請時には住民票の提出が必須となり、観光などの短期滞在の在留資格の外国人は対象外となりました。

申請に必要な書類と「通算3ヶ月以上の滞在証明」の重要性

申請の際には、以下の書類が必要です。

・有効期間内の外国の運転免許証

・運転免許証の日本語翻訳文

・本籍(国籍等)が記載された住民票の写し

・パスポートもしくは外務省の発行する身分証明書

・運転免許を取得した国などに、運転免許を取得後、通算して3ヶ月以上滞在したことが確認できるもの(パスポート等)

・申請用写真

3ヶ月以上の滞在証明は、一定の運転経験があり、適正な運転技能と知識の習得を証明するために重要です。

【方法②】国際運転免許証または「翻訳文」を利用して日本で運転する

国際運転免許証は、短期滞在や入国直後の運転手段として利用できます。ここでは、有効範囲や例外的な翻訳文利用、注意点を解説します。

国際運転免許証(ジュネーブ条約)の有効範囲

ジュネーブ条約に基づく国際運転免許証は、発給から1年、かつ日本上陸から1年間有効です。ウィーン条約や他の条約に基づく国際免許証は無効です。

ドイツ・台湾などは「翻訳文」で運転可能(対象国と条件)

国際運転免許証を発給していない国・地域で日本と同等の水準にあると認められる免許制度を有している国・地域の場合は、免許証と日本語翻訳文が添付されていれば運転が可能です。対象となるのは、スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、台湾です。

「上陸後1年」ルールの落とし穴と長期滞在者の注意点

国際運転免許証は「発給から1年、かつ日本上陸から1年間有効」ですが、日本を出国して3ヶ月未満で再入国した場合は、再入国日は起算日とはなりません。これは、短期帰国を繰り返す居住者の無免許運転を防ぐためのルールとなっています。1年を超える長期滞在の場合は、外免切替の手続きが必要になります。

【方法③】日本で一から運転免許証を取得する

外免切替ができない場合は、日本で運転免許証を新規取得する必要があります。ここでは、日本での免許取得が必要になるケースや外国語対応の教習所の活用、「準備期間」の仕組みについて解説します。

日本での免許取得が必要になるケースとプロセス

「母国の運転免許証を保有していない」「取得後3ヶ月以上現地に滞在していない」「ジュネーブ条約の国際免許の有効期限が過ぎている」「外免切替の要件を満たしていない」などのケースでは、日本の自動車教習所に通うなどして新規取得を目指します。取得するためには日本人と同様に、適性試験・学科試験・技能試験に合格する必要があります。

外国語対応の教習所や合宿免許の活用

外国人が日本の自動車教習所に通う場合は、通学・合宿ともに外国語対応の教習所を選ぶと安心です。ただし、日常会話が可能なレベルの日本語能力が求められる場合が多く、日本語能力試験「N3レベル」以上を目安としている教習所が多いです。

特定技能など就労目的での来日時に使える「準備期間」の仕組み

自動車運送業(トラック・バス・タクシー)の特定技能1号を目指す外国人は、日本で運転免許証を取得するために「特定活動(55号)」の専用在留資格を活用することが可能です。トラックは最長6ヶ月、バス・タクシーは最長1年間、運転業務以外の付随業務に従事しながら免許取得を目指せます。

在留資格によってドライバー業務ができるかどうかの判断軸

外国人を雇用する際に、ドライバー業務ができるかどうかの判断基準やルールについて解説します。

運転免許と「就労資格」は全く別の許可制度であること

運転免許と「就労資格」は全く別の許可制度であるため、「運転免許があれば仕事ができる」ということにはなりません。ドライバー業務に従事するためには、主に「特定技能1号(自動車運送業)」の就労資格が必要で、さらに日本国内で有効な運転免許証を保有している必要があります。

「技術・人文知識・国際業務」でドライバー業務が認められない理由

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、エンジニアやマーケティング、通訳・翻訳など、知的・専門的な業務を担当する職種が対象です。ドライバー業務は物理的な移動・運搬を主目的とするため、「技術・人文知識・国際業務」の要件には合致しません。

特定技能「自動車運送業」で解禁された3分野(トラック・タクシー・バス)

2024年の閣議決定により、自動車運送業(トラック・バス・タクシー)が特定技能1号の対象分野に追加されました。具体的には、長距離輸送を含むトラック運転手、路線・高速・貸切バスの運転手、タクシー運転手の3分野が解禁となりました。また、車両の清掃や運賃精算管理、営業所内の清掃など、運転免許が不要な付随業務も含まれています。

留学生・家族滞在の「資格外活動」における配送業務のルール

「留学」や「家族滞在」の在留資格をもつ外国人が、デリバリーや配達などのアルバイトを行う場合、原則として「資格外活動許可」が必要です。この許可を得れば、週28時間以内であれば配送乗務のアルバイトが可能です。

外国人をドライバーとして雇用する際の注意点

外国人をドライバーとして雇用する際、不法就労助長罪などのコンプライアンス違反を防ぐために必要なポイントを解説します。

在留カードと運転免許証の両方を確認するフロー

まずは外国人労働者の在留カードをチェックし、特定技能1号(自動車運送業)など、ドライバー業務に従事できる在留資格であるかを確認しましょう。同時に、外免切替や新規取得による運転免許証を保有しているかも確認が必要です。

「運転できる=雇用できる」という誤解による不法就労リスク

外国人労働者が運転免許証を保有しているからといって、必ずしもドライバー業務に従事できるわけではありません。ドライバー業務が認められた在留資格と運転免許証の両方が必要であることを理解しておきましょう。

採用後に業務範囲を拡大する際の法的制限(配置転換の注意)

採用後の配置転換では、配置転換先での職務が現在の在留資格で許可されている範囲内か必ず確認する必要があります。また、労働契約書や就業規則に、配置転換や勤務地変更の可能性があるか明記されているかも確認し、所属する組織が変わる場合は14日以内に入管へ届け出を行います。

まとめ

外国人労働者がドライバー業務を行う場合は、運転免許証と適切な在留資格の両方が必要です。法令違反となることのないよう、制度やルールを十分に確認したうえで外国人を雇用することが大切です。

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特定技能とは?

2019年4月に創設された、人材の確保が困難な16の産業分野等における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れる在留資格のこと。
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