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特定技能への移行準備期間確保は特例措置で!在留資格「特定活動(4か月・就労可)」とは?

2024.01.05

これまで技能実習生だった外国人は、特定技能1号への移行を検討することがあります。しかし、移行の手続きは煩雑なため、手続きの最中に在留期間満了を迎えてしまうことも少なくありません。

このような状況の特例措置として、「特定活動(4か月・就労可)」という在留資格があります。この記事では、特定技能への移行や、特定活動(4か月・就労可)について解説します。

在留資格の一つ「特定技能」とは?

特定技能には、1号と2号があります。それぞれの在留資格の特徴について解説するので、どのような違いがあるのか確認しておきましょう。

特定技能1号は即戦力になる人材

特定技能とは、外国人労働者を即戦力として受け入れる目的で創設された在留資格です。特に「介護」「外食」「宿泊」など、人手不足が深刻な分野では積極的に受け入れが行われています。

即戦力として受け入れる目的があるため、受け入れが行われている12の特定産業分野においては相当程度の知識や経験を持っている人材が求められます。特別な訓練などを受けなくても、一定の業務をこなせる水準でなければなりません。

特定技能1号における日本での在留期間は通算で上限5年と定められており、その間、特定のタイミングで更新手続きを行う必要があります。なお、家族が帯同することは認められていません。

特定技能2号との違い

特定技能には、1号と2号があります。それぞれの違いはいくつかありますが、その一つとして2号は1号よりも対象分野が少ないことが挙げられます。

ただし、令和5年6月9日、閣議決定によって特定技能2号における対象分野の拡大が行われることになりました。それにより、これまでの対象だった「建設」「造船・舶用工業分野の溶接区分」の2分野に加え、新たに「ビルクリーニング」「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」「自動車整備」「航空」「宿泊」「農業」「漁業」「飲食料品製造業」「外食業」の9分野が追加となっています。

また、2号は在留期間に上限が設けられていません。ほかにも、技能水準、日本語能力水準試験の有無、家族の帯同が可能である点も異なります。

なお、2号を取得するためには、1号から移行しなければならない点も特徴です。さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

外国人労働者の在留資格「特定技能」とは?1号と2号の対象分野などをわかりやすく解説

特定技能1号に変更申請する際の手続き

これまで「留学」や「技能実習」などの在留資格だった人が特定技能1号に変更する場合、申請の準備に時間を要するといわれています。そのため、変更の予定がある場合は、早めに対応することが大切です。ここでは、必要書類や手続きの流れを紹介します。

手続きを行う際に用意する必要書類

手続きを行う際には、以下のような書類を用意しなければなりません。

  • ・申請書(受入れ機関、外国人それぞれが作成)
  • ・労働条件に関する書類
  • ・労働保険、社会保険、税に関する書類(受入れ機関、外国人)
  • ・技能水準、日本語能力水準に関する書類
  • ・特定技能の外国人の支援に関する書類 など
  •  

申請時には、当該外国人のパスポートと在留カードも提示します。スムーズに手続きを進められるように、事前に用意しておくとよいでしょう。

上記で紹介した必要書類は一部であり、ほかにも用意しなければならない書類は多数あります。万が一必要書類に不備があった場合、手続きをスムーズに進められません。書類を用意する際は、念入りに確認しておくことが大切です。

申請書においては、出入国在留管理庁の公式サイトでダウンロードできます。なお、各種様式が決まっているため、確認を怠らないように注意が必要です。参考様式なども確認し、見落としや各種様式に間違いがないか事前の確認を徹底しましょう。

特定技能1号申請の流れ

1号に切り替える際は、用意した書類などを地方出入国在留管理局に提出します。少しでも早く手続きを進めたい場合は、窓口が混雑しない時間帯を考慮して申請することも対策の一つです。混雑する時間が予想できない場合は、可能な限り早めに出向くとよいでしょう。

申請してから審査が完了するまでには、1~2か月ほど要します。審査を無事に通過すれば、特定技能1号の在留資格認定証明書が発行されます。

手続きを進めるにあたって、本国での手続きも求められるケースがあります。手続き内容は国籍によって異なるため、可能な限り早めに申請し、各種手続きをスムーズに進めていくことが大切です。

手続きに要する期間

前述したように、申請手続きを行ってから審査結果がわかるまでの期間は約1~2か月です。それに加え、外国人人材を受け入れるためには受入れ機関としての要件を把握し、その要件を満たすなど社内体制を整備しておく必要があります。

特定技能ビザでの雇用の場合に決められている支援業務を遂行するために、登録支援機関への委託なども検討しなければなりません。これらすべてに対応することを考慮すれば、少なくとも3~4か月前には手続きを開始したいものです。

また、在留期限日前に申請しなかった技能実習生は、一時帰国することになります。審査完了までの時間が長引くことは、外国人人材にとって負担に感じるかもしれません。双方にとってベストな状況を整えられるように、在留期限の時期なども考慮して手続きに着手しましょう。

 

登録支援機関については、以下の記事で詳しく紹介しています。

特定技能における登録支援機関とは?支援委託をおすすめする理由と選び方

【手続きが間に合いそうにないときは】特例措置で移行準備期間を確保しよう

特定技能への移行手続きは煩雑なこともあり、変更申請中に在留資格の期間が満了してしまう可能性も考えられます。このような場合は、特例措置として、要件を満たしたうえで特定技能1号への移行準備の対象者に適用される「特定活動」への変更許可申請を行いましょう。

在留資格「特定活動(4か月・就労可)」に変更するための要件

特定技能1号への移行準備の対象者に適用される特例措置は、「特定活動(4か月・就労可)」です。その在留資格に変更するには、以下の要件を満たす必要があります。

 

  • ・申請人の在留期間の満了日までに「特定技能1号」への在留資格変更許可申請を行うことが困難である合理的な理由があること
  • ・申請に係る受入れ機関において特定技能外国人として在留資格「特定技能1号」に該当する業務に従事するために同在留資格への在留資格変更許可申請を予定していること
  • ・申請人が申請に係る受入れ機関との契約に基づいて在留資格「特定技能1号」で従事する予定の業務と同様の業務に従事すること
  • ・申請人が特定技能外国人として就労する場合に支払われる予定の報酬と同額であり、かつ、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること
  • ・申請人が特定技能外国人として業務に従事するために必要な技能試験及び日本語試験に合格していること

※技能実習2号良好修了者等として試験免除となる場合も含む。

  • ・申請に係る受入れ機関又は支援委託予定先が申請人の在留中の日常生活等に係る支援を適切に行うことが見込まれること
  • ・申請に係る受入れ機関が、申請人を適正に受け入れることが見込まれること

 

引用:出入国在留管理庁

上記からわかるように、申請する外国人だけでなく、受入れ機関となる企業に対しても要件が定められています。

在留資格「特定活動(4か月・就労可)」に変更するための必要書類

特例措置である特定活動に変更するためには、以下の書類を用意する必要があります。

 

  • ・雇用契約書および雇用条件書などの写し
  • ・受入れ機関が作成した説明書
  • ・在留資格変更許可申請書(顔写真付き)
  • ・特定技能として従事するために技能試験や日本語試験に合格していることを証明できる資料(試験免除を証明する資料)

 

出入国在留管理庁の公式サイトでは、フォーマットをダウンロードできます。記載内容に漏れがないか確認しながら作成することが大切です。

いずれも詳細は出入国在留管理庁のサイトで確認できるので、不備のないように注意しましょう。

在留資格「特定活動(4か月・就労可)」の在留期間

特定技能1号への移行準備としての特例措置である特定活動の在留期間は4か月で、原則として更新はできません。やむを得ない事情がある場合のみ、例外的に認められるケースもあります。

例えば、受入れ機関側の事情で働くのが難しくなり、申請人側が受入れ機関を変えたいと希望するケースなどが挙げられます。あくまでも、申請人の個人的な都合でないことが前提となることを覚えておきましょう。

この在留資格を取得したのち、4か月間は働きながら特定技能1号への移行準備を進めていくことになります。なお、特例措置の特定活動で働いた4か月間は、特定技能1号の在留期間である5年に含まれます。そのため、1号への変更が完了した際の在留期間は、4年8か月になることに注意が必要です。

特定技能への移行準備に入る前に確認したい3つのチェックポイント

特定技能への移行準備を行うにあたって、無事に手続きを完了させるために確認しておくべきことがあります。ここでは、移行準備前に確認したいポイントを3つ紹介するので、手続きを実施する際にお役立てください。

技能実習当時から納税などの義務を果たしていること

外国人である技能実習生も、日本で働いている以上は税金を支払う義務が発生します。そのため、実習期間中に適切な納税を行っていたかを確認することが重要です。納税していたことを確認するためには、納税証明書などで確認するとよいでしょう。

また、未納の税金がある場合や、済ませておくべき手続きや届け出が行われていない場合は、特定技能の変更許可への審査でマイナスの印象を持たれる可能性があります。そのため、何らかの不備がないかを事前に確認し、万が一不備があった場合には移行準備に入る前にすべてクリアできるようサポートが必要です。

技能実習で行ってきた作業と一致していること

技能実習2号を良好に修了した外国人は、技能試験や日本語試験が免除される仕組みです。ただし、技能試験が免除されるのは、技能実習と特定技能の業務内容が一致しているが前提であることを理解しておかなければなりません。

また、「良好に修了している」とは、どのような状況なのでしょうか。具体的には、技能実習1号の開始から2年10か月が経過していることや、技能検定3級(またはこれに相当する技能実習評価試験の実技試験)に合格していることが挙げられます。

たとえ試験に合格していなかったとしても、実習先の企業によって作成された書類があれば良好に修了したことが認められます。よって、試験に合格した人は合格証明書、試験に合格していない人は評価調書をもって「良好に修了している」と証明されます。

国や分野の要件を確認すること

特定技能の申請手続きを行う場合、労働者が本国で手続きを行ったり許可が必要だったりするケースがあります。国によって手続きは異なるため、出入国在留管理庁の公式サイトで具体的な内容を確認しておくことが大切です。

例えば、ベトナムに国籍を持つ外国人の場合、日本のベトナム大使館で推薦者表を取得しなければならないため大使館に事前申請を行う必要があります。申請から取得までに時間を要する可能性があるため、早めの対応が重要といえるでしょう。

まとめ

技能実習から特定技能への移行には、さまざまな準備が必要になります。手続きは煩雑な作業となるため、不備などにも注意しなければなりません。また、特定技能外国人を迎えるためには、人材確保の手続きだけでなく義務的支援を行う必要もあります。

これらの支援を委託する場合、また、人員を増やしたいとお考えの場合には、特定技能外国人の人材紹介会社であり、登録支援機関でもあるONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)にお気軽にご相談ください。


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