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外国人の採用可否を判断するうえで、欠かせないのが面接のステップです。しかし、外国人採用の面接ではどのようなやり取りをすれば良いのか、迷ってしまう採用担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、外国人採用の面接で使える質問例を紹介するとともに、事前に把握しておくべき点や、面接に関する注意点なども解説します。
なお、面接を含めた外国人採用の全体像については、以下の記事を参考にしてください。
外国人採用の注意点とは?募集時・面接時・採用後の3ステップに分けて解説
目次
外国人採用の面接は事前準備が大切
外国人採用のための面接は、日本人を採用するのとは異なるポイントも多いため、しっかりと準備することが大切です。面接時にどのような質問をするか検討することに加え、以下のような点を確認しておく必要があります。
- ・在留資格や在留期間
- ・学歴や専攻
- ・兵役の有無
外国人の日本国内での活動内容は、在留資格によって決まります。外国人が日本で働くためには、「特定技能」などの就労が認められた在留資格を保有していなければなりません。
また、外国人の出身国によっては、兵役が義務付けられている可能性があります。外国人を採用しても、兵役のために帰国してしまう事態も考えられることから、国ごとの制度をチェックしておきましょう。
このような点に加え、国による文化や価値観の違いも理解しておくべきです。文化や価値観の違いを踏まえた面接をすることで、外国人応募者との信頼関係を築きやすくなります。
在留資格について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
在留資格とは?全29種類の特徴・取得方法や外国人雇用で気を付けたいポイントを解説
外国人採用の面接で使える質問例
ここでは、外国人採用の面接時に使える質問例と、評価のポイントなどを解説します。
志望動機や希望条件を知るための質問
志望動機の確認は、業界への理解度や入社意欲を見極めるのに有効です。自社で働くことを強く希望している外国人材なら、希望する業務内容や勤務地など、雇用条件についても考えているでしょう。
具体的な質問例は、以下のとおりです。
- ・日本で働きたい理由を教えてください。
- ・自社に応募しようと思ったきっかけは何ですか?
- ・どのような業務に取り組みたいと考えていますか?
- ・勤務地や給与に希望はありますか?
- ・残業や休日出勤の可否について教えてください。
単に質問するだけでなく、自社の方針や従事してもらいたい業務内容などを伝え、理解してもらうことが大切です。これにより、採用後のミスマッチを防ぎやすくなります。
経験やスキル・強みを評価するための質問
経験やスキル・強みを知るためには、「過去にどのような経験をしてきて現在は何ができるのか」といった、過去と現在の繋がりを意識しながら質問を進めるのがポイントです。
具体的な質問例は、以下のとおりです。
- ・これまでにどのような勉強・仕事をしてきましたか?
- ・学生生活や職場で最も頑張ったことを教えてください。
- ・あなたの長所や短所は何ですか?
- ・特に自信があるスキルを教えてください。
1つ目の「これまでにどのような勉強・仕事をしてきましたか?」という質問は抽象的なため、これに対する回答だけで外国人材のスキルを正確に評価するのは難しいでしょう。よって、話のきっかけとして活用しつつ、「特に時間をかけた作業」や「実際に使用したツール・ソフト」など、より詳細な質問へと発展させるのが効果的です。
また、ポートフォリオや資格証明書といった、スキルや強みを証明できる資料を提示してもらうことで、評価の精度を高められます。
キャリアプランを把握するための質問
将来的に何を実現したいのかを問いかけることは、外国人材が自社の継続的な戦力になるかを見極めるのに役立ちます。
具体的な質問例は、以下のとおりです。
- ・自社で成し遂げたい目標は何ですか?
- ・今後どのようにキャリアを築いていきたいですか?
- ・スキルアップや資格取得の計画を教えてください。
自社で働くことをキャリアプランのステップとして考えているのか、自社で成長しながら長期的に働きたいと考えているのかによって、回答の具体性が変わってくるでしょう。
人柄を見極めるための質問
仲間としてともに仕事に取り組んでいくうえで、外国人材の人柄も重要なポイントです。人柄を見極めるためには、「はい」・「いいえ」で答えられる質問ではなく、詳細な回答を引き出しやすい質問が適しています。
具体的な質問例は、以下のとおりです。
- ・家族や友人からどのような人だといわれることが多いですか?
- ・コミュニケーションを取る際に気を付けていることはありますか?
- ・仕事で◯◯のようなトラブルが起こったとき、あなたならどのように解決しますか?
個人のエピソードを引き出すことによって、回答に多少時間を要したとしても、しっかりと耳を傾けましょう。
日本に対する印象を知るための質問
外国人材が日本の文化や生活をどう感じているか知ることで、採用後の支援を計画しやすくなります。
具体的な質問例は、以下のとおりです。
- ・日本の文化や生活に対する印象を教えてください。
- ・来日して困った出来事はありますか?
- ・母国と比べた日本の良い点・悪い点を教えてください。
- ・これから日本で経験したいことは何ですか?
これらの質問は、面接のアイスブレイクとして活用するのも効果的です。外国人材の緊張をほぐしつつ、日本への興味や適応力を判断しましょう。
外国人採用の面接で避けたいNG質問例は?
外国人採用の面接において、差別的だと受け取られる質問や、個人のパーソナリティに関する質問は避けるべきです。具体的には、以下のような質問が該当します。
- ・国籍や宗教に関する質問
- ・政治的な思想や信条に関する質問
- ・家族の構成や健康状態を尋ねる質問
- ・結婚や出産の予定に関する質問
ただし、例えば福利厚生で社食サービスを提供している企業が、外国人材が宗教上食べられないものを把握する必要があるなど、やむを得ないケースも考えられるでしょう。その場合は、面接時に質問の意図を明確に伝える必要があります。
外国人労働者が感じる差別やハラスメントについては、以下の記事で紹介しています。
【企業向け】外国人労働者が感じる差別とは?差別を減らす取り組みや差別事例も解説
外国人労働者への無意識なハラスメントに注意!起こる理由や事例、対策も解説
外国人採用における面接のポイントや注意点
最後に、外国人採用のための面接において、企業が意識したい点を解説します。
やさしい日本語を使用する
外国人材の日本語能力にはバラつきがあるため、専門用語やまわりくどい表現は避け、「やさしい日本語」を使用しましょう。やさしい日本語とは、文章を端的にし、用語・文法の難易度などに配慮した、わかりやすい日本語のことです。
「ノートパソコン」や「ベースアップ」などの、和製英語にも注意が必要です。必要に応じて言い換えたり補足説明をしたりして、対応してください。
なお、外国人採用の面接では、「日本語能力が高い=優秀だ」と思い込んでしまいがちです。日本語能力が高いに越したことはないものの、大切なのは本質的な能力や、自社との適性を見極めることです。
参考:出入国在留管理庁|在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン
雇用条件を明確に提示する
給与や勤務時間、休暇制度などの雇用条件は、外国人材自身にとっても重要なポイントです。面接の段階とはいえ、雇用条件が曖昧だと外国人材との信頼関係は築けません。
また、面接時に雇用条件が間違って伝わってしまうと、採用後にトラブルに繋がる恐れがあります。不安な場合は、翻訳ツールや通訳者の力も借りながら面接を進めるとよいでしょう。
外国人労働者を雇用するうえで、気を付けたいトラブルについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
外国人労働者を雇用するうえで注意すべきトラブルとは?事例や対策方法
合否は早めに伝える
外国人材は、それぞれの在留資格に応じて在留期限までに仕事を見つけようとしています。就職・転職先が決まらなければ、在留資格が認められなくなるかもしれません。
そのため、複数の企業に応募し、すぐに内定がもらえた企業を選ぶ外国人材が多い傾向です。優秀な人材を逃さないためにも、面接の結果は速やかに伝えてください。もし難しい場合は、具体的にいつまでに合否を出せるかを伝えると、安心してもらえるでしょう。
まとめ
外国人採用の面接では、文化や価値観の違いを理解したうえで、志望動機やスキル、キャリアプラン、人柄などを見極められる質問をしましょう。表面的な情報に留まらず、深く掘り下げていくことが大切です。
ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、現地の自社無償教育拠点「OUR BLOOMING ACADEMY」で育成した特定技能外国人を、企業様のニーズに応じてご紹介しています。生活支援・定着支援サービスなども一気通貫で提供しているので、外国人の採用を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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