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特定技能「飲食料品製造業」を詳しく解説!雇用する際のポイントや受け入れ事例も

2024.05.14

食品製造業は、熟練作業者の高齢化などにより、人手不足が深刻化している状況にあります。そのため、一定の専門性・技能を備えた外国人が取得する在留資格「特定技能」について、詳しく知りたい食品製造業界の方も多いのではないでしょうか。

今回は、食品製造業に関する特定技能ビザの概要や、需要が高まっている背景を紹介します。併せて、特定技能外国人を雇用する際のポイントや、受け入れ事例も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

食品製造に関する特定技能ビザは「飲食料品製造業」

そもそも特定技能とは、人材不足が顕著な12の特定産業分野で、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。

「介護」「外食」「宿泊」などの分野があり、食品製造に関する分野に該当するのは「飲食料品製造業」です。飲食料品製造業における特定技能外国人は、酒類を除く飲食料品の製造・加工、安全衛生にかかわる業務に従事することになります。

また、特定技能ビザには、在留期間が通算上限5年の「1号」と、在留期間の制限がない「2号」の2種類があります。2号に関しては、要件を満たせば家族の帯同も認められているため、外国人材の中長期的な就労が期待できることがポイントです。

なお、2023年8月31日より、飲食料品製造業も2号の対象分野として追加されています。

在留資格「特定技能」の詳しい種類や対象分野、技能実習との違いなどを知りたい方は、以下の記事もぜひご参照ください。

在留資格「特定技能」とは?種類や対象分野、技能実習との違いなどをわかりやすく解説

外国人を雇用できる業務区分

農林水産省の資料によると、飲食料品製造業分野の対象としては、以下の業務を行っている事業所が挙げられます。

  • ・食料品製造業
  • ・清涼飲料製造業
  • ・茶・コーヒー製造業(清涼飲料製造業を除く)
  • ・製氷業
  • ・菓子小売業(製造小売)
  • ・パン小売業(製造小売)
  • ・豆腐・かまぼこ等加工食品小売業

上記のうち、「食料品製造業」における業務内容の一部を以下で紹介します。

区分 具体例
畜産食料品製造業 部分肉・冷凍肉、肉加工品 等
水産食料品製造業 水産缶詰・瓶詰、海藻加工 等
調味料製造業 味そ、しょう油・食用アミノ酸 等
糖類製造業 砂糖、ぶどう糖・水あめ・異性化糖 等
パン・菓子製造業 生菓子、ビスケット類・干菓子 等

なお、日本人が従事する関連業務に、外国人が付随的に従事することは認められています。該当する業務としては、原料の調達・受け入れ、製品の納品、清掃、事務所の管理作業などが挙げられます。

ただし、これらの関連業務に外国人が専ら従事することは禁止されているので注意しましょう。

参考:農林水産省|飲食料品製造業分野における特定技能外国人受入れの制度について

技能実習との違い

技能実習は、開発途上国等への「人づくり」に貢献することを目的とした制度に基づく在留資格です。即戦力としての働きが見込まれる外国人を受け入れる特定技能とは、目的に違いがあります。

また、技能実習は業務に従事できる範囲が限定的です。特定技能は対象分野から逸脱することは認められないものの、柔軟性は高いといえるでしょう。

なお、現行の技能実習制度は廃止され、「育成就労制度」が新たに創設される見通しとなっています。法務省の「改正法の概要(育成就労制度の創設等)」によると、育成就労制度は特定技能1号水準の技能を持つ人材の育成、および当該分野における人材の確保を目的としています。

育成就労制度については、以下の記事で詳しく解説しています。

【最新動向】育成就労制度とは?基本的な考え方や重要なポイントを解説

参考:法務省|改正法の概要(育成就労制度の創設等)

食品製造業で特定技能外国人の需要が高まっている背景

次に、食品製造業で特定技能外国人の需要が高まっている背景を紹介します。

技能実習からの移行者が増えている

技能実習2号を良好に修了した外国人は、後述する技能測定試験と日本語能力試験を免除された状態です。その場合、特定技能へのスムーズな移行が可能になるため、技能実習から在留資格を移行する外国人が少なくありません。

法務省の資料によると、2022年12月末時点における「飲食料品製造業」分野の特定技能外国人のうち、技能実習からの移行者数は3万3,042人で、全体の77.7%を占めています。

また、企業側としても3年の在留期間を経た技能実習2号の外国人を受け入れることで、日本語教育などに関する初期投資を抑えられる利点があります。

参考:法務省|特定技能制度の現状について

農林漁業者が6次産業化を図っている

農林漁業者が6次産業化を図っていることも、食品製造に関する特定技能外国人の需要を高めている理由の一つです。

6次産業化とは、1次産業の農林漁業、2次産業の製造業、3次産業の小売業等にまとめて取り組むことを指します。生産者が加工から流通まで取り組むことで、付加価値を創出できるのが利点です。

特定技能ビザを取得した外国人であれば、包括的な業務を担当してもらえるので、6次産業化を図る農林漁業者にとって大きな戦力となるでしょう。

参考:農林水産省|農林漁業の6次産業化

外国人材からの人気も増している

食品製造業は、外国人材からも人気の高い業種です。出入国在留管理庁の資料によると、2023年12月末時点の飲食料品製造業に属する特定技能外国人は6万1,095人で、全体の29.3%と最も多い割合を占めています。

2022年12月末時点では4万2,505人だったため、1年で1万8,000人以上も増えた計算です。

参考:出入国在留管理庁|特定技能制度運用状況(令和5年12月末)

外国人材が特定技能1号「飲食料品製造業」を取得する2つの方法

外国人材が特定技能1号の「飲食料品製造業」を取得する方法は、試験に合格する方法と、技能実習2号・3号を良好に修了する方法の大きく2つに分かれます。

以下では、それぞれの方法についてよく見ていきましょう。

1.試験に合格する

1つ目に、試験に合格して取得する方法を紹介します。試験は、技能測定試験と日本語能力試験の2つに合格する必要があるので、それぞれの概要を確認しましょう。

・技能測定試験

技能測定試験として、「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」に合格しなければなりません。試験科目は、学科試験と実技試験に分かれており、学科試験ではHACCPによる衛生管理や、製造工程管理の基礎などの知識が問われます。

一方、実技試験では、図やイラストを見てどれが正しい行動かを判断する「判断試験」と、計算式を用いて作業計画を作る「計画立案」が実施されます。

なお、技能測定試験の合格基準は満点の65%以上に設定されており、受験料は8,000円(税込)です。

・日本語能力試験

日本語能力を証明する試験として、「日本語能力試験(JLPT)」、もしくは「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」のどちらかに合格する必要があります。

それぞれの日本語能力試験で求められる水準は異なります。まず、日本語能力試験(JLPT)では、「N4以上の水準」が求められます。これは、基本的な日本語を理解することができるというレベルで、5段階あるレベルで最もやさしい「N5」の次のレベルです。

次に、日本語基礎テスト(JFT-Basic)では、「A2以上の水準」が求められます。仕事などでよく用いられる文や表現が理解できるというレベルで、6段階あるレベルのなかで「基礎段階の言語使用者」の区分です。

なお、日本語能力試験(JLPT)のレベルに関する詳細や合格率、注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

語学力の検定「日本語能力試験(JLPT)」を受験する目的とは?レベルや注意点も紹介

2.技能実習2号・3号を良好に修了する

2つ目に、技能実習2号・3号を良好に修了して、特定技能へ移行する方法を紹介します。技能実習で習得した技能が、特定技能における業務と関連性があると認められた場合、試験が免除された状態で技能実習から特定技能への移行が可能です。

技能実習2号の対象職種は、「農産物漬物製造」です。一方、3号の対象職種としては、「缶詰巻締」「食鳥処理加工業」「パン製造」などが挙げられます。

もし、移行可能な職種に当てはまらない技能実習外国人が、飲食料品製造業分野で特定技能ビザを取得したい場合は、先述の試験に合格する必要があります。

なお、飲食料品製造業における特定技能ビザの取得後は、技能実習では対象外となっている業種にも広く従事できます。

食品製造業で特定技能外国人を雇用する際のポイント

続いて、食品製造業で特定技能外国人を雇用する際のポイントを解説します。

「食品産業特定技能協議会」の構成員になる

飲食料品製造業において、外国人材の受入れ企業(特定技能所属機関)は、「食品産業特定技能協議会」に加入し、構成員になる必要があります。食品産業特定技能協議会とは、構成員の連携を図り、制度や情報の周知などを目的とした協議会です。

協議会への加入は、特定技能外国人を受け入れた日から4ヵ月以内に行うことが義務付けられています。申請は農林水産省のホームページから可能で、審査には2週間~1ヵ月程度かかることが一般的です。

受入れ企業は、協議会に対して必要な協力を行うことや、農林水産省または委託を受けた者が行う調査に対して協力することなどが条件として課されます。

参考:農林水産省|食品産業特定技能協議会について、よくある質問

支援計画を作成する

特定技能1号の外国人の受入れ企業は、安定的かつ円滑な活動が行えるように、仕事や日常生活でのサポートに関する支援計画を作成・実施することが義務付けられています。

 

例えば、支援計画には「事前ガイダンス」「住居確保・生活に必要な契約支援」など、10項目の実施内容・方法等を記載しなければなりません。

なお、支援計画の作成は受入れ企業が行う必要がありますが、登録支援機関を利用することでアドバイスを受けられるため、初めてでもスムーズに進められるでしょう。

また、支援計画の実施に関しては、受入れ企業が基準を満たしていない場合、登録支援機関に委託する必要があります。支援計画の実施が可能な受入れ企業の場合でも、支援計画の全部または一部の実施を登録支援機関に委託することで、自社における負担が抑えられるメリットがあります。

登録支援機関に支援計画の実施を依頼するメリットなどを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

登録支援機関とは?業務内容と支援を依頼するメリットも解説

参考:法務省|特定技能制度の現状について

食品製造業|特定技能「飲食料品製造業」の外国人受け入れ事例

ここからは、食品製造業における特定技能外国人の受け入れ事例を紹介します。

なお、ここで紹介する事例は、特定技能外国人のご紹介や登録支援機関としてのサポートが可能なONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)が受け入れを支援したものです。

事例1.食肉工場での受け入れ事例

1つ目は、牛肉や豚肉などの食肉一般を取り扱う工場で、特定技能外国人を受け入れた事例です。食肉工場の企業様では、コロナ禍の影響で技能実習生の現地面接ができなかったため、日本での仕事・生活の経験があり、一定の日本語能力のある特定技能外国人を採用することにしました。

一から教えなければならない技能実習生と違い、採用した特定技能外国人は仕事や私生活でのルールを理解しているうえ、日本語能力も高かったため、就労がスムーズに進んだと評価をいただいています。

こちらの事例に関する詳細は、以下のリンクをご覧ください。

特定技能「飲食料品製造業」の事例「食肉事業(工場勤務)」はこちら

事例2.食品加工工場での受け入れ事例

2つ目は、食材の仕入れ・加工等を手がける株式会社ショクブン様の食品加工工場で、特定技能外国人を受け入れた事例です。こちらの企業様では、特定技能外国人は技能実習生に比べると語学が堪能で、仕事の理解が早いとの評価をいただきました。

また、採用した外国人材は、よく気が利くうえに協力的で、仕事に対する意欲が高いという現場の方からのお声も頂戴しています。

こちらの事例に関する詳細は、以下のリンクをご覧ください。

特定技能「飲食料品製造業」の事例「株式会社ショクブン」様はこちら

特定技能外国人の雇用サポートはオノデラユーザーラン!

ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、特定技能外国人のご紹介から、登録支援機関としての支援までトータルサポートが可能です。特定技能外国人の雇用を検討している方は、ぜひご相談ください。

当社では、18~25歳の外国人材に対し、海外自社アカデミーでの無償教育を実施しており、専門教育・育成を行った特定技能外国人をご紹介できます。また、登録支援機関として支援計画の作成アドバイスや支援の実施のほか、独自の生活支援サービスなどに取り組んでいることも特徴です。

サポートのご依頼をいただければ、外国人採用に関する業務負担を軽減できるうえ、外部からの的確なサポートによって外国人材の定着率アップにも繋げられます。採用いただく人数によっては割引価格でのご案内も可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

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まとめ

飲食料品製造業分野の特定技能外国人は、一定の専門性・技能を備えているため、即戦力としての働きが期待できます。近年は、技能実習からの移行者の増加や、農林漁業者の6次産業化などにより、需要が高まっている傾向です。

特定技能外国人をスムーズに受け入れたいという方は、ぜひONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)にお任せください。当社では、海外自社アカデミーで専門教育・育成を実施した特定技能外国人をご紹介できるほか、実際の受け入れに向けた一気通貫のサポートも可能です。

受入れ施設・企業様のご要望をしっかりとヒアリングしたうえで、最適な外国人材をご紹介いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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