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語学力の検定「日本語能力試験(JLPT)」を受験する目的とは?レベルや注意点も紹介

2024.02.07

外国人材を採用するにあたり、どの程度の日本語レベルなのかは気になるところでしょう。雇用する外国人材の日本語レベルを知る方法の一つとして、語学力の検定「日本語能力試験」があります。

この記事では、試験のレベルや、受験者の日本語レベルはどの程度なのかを解説します。外国人材の採用を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

語学力を測定する検定「日本語能力試験」とは

日本語能力検定とは、どのような試験なのでしょうか。ここでは、試験概要や試験を実施する目的、混同されやすい試験「日本語検定」との違いを解説します。

参考:日本語能力試験公式Webサイト

日本語能力試験は日本語能力の認定を目的とした試験

外国人材の採用にあたって知っておきたい試験「日本語能力試験(JLPT)」は、日本語が母語ではない方の日本語スキルを測定・認定する試験です。日本語を聞く・読む能力がどれくらいあるのか、また日本語の語彙や文法などに対する理解度を確認します。

「独立行政法人 国際交流基金」「公益財団法人 日本国際教育支援協会」の2つの団体が共催しており、1984年に始まりました。

開始当初は15ヵ国での実施で受験者数は7,000人前後という状態でしたが、そこから実施国と受験者数が増えていき、2023年第1回の試験では55ヵ国・地域で約60万人が受験しています。

試験を実施する国・地域の数は毎回異なりますが、おもに以下の地域で開催されています。

  • ・東アジア
  • ・南アジア
  • ・東南アジア
  • ・南米
  • ・中米
  • ・北米
  • ・大洋州
  • ・東欧
  • ・西欧
  • ・アフリカ
  • ・北アフリカ
  • ・中東
  •  
  • 試験の実施は7月と12月の年2回を基本としていますが、開催都市によっては7月か12月のどちらかのみとなります。

    また、日本語能力試験の試験は多肢選択のマークシート方式です。選択肢は4つ出される問題が多いものの、聴解に関する問題では選択肢が3つの問題も出されます。

  • 受験要件と合格要件

  • 日本語能力試験は、日本語が母語でなければ誰でも受験可能です。年齢制限はなく、日本国籍の有無も関係ありません。試験は難易度別に5段階設けられており、小さい数字ほど難度は高くなります。

    合否判定は、区分別得点と総合得点の2つの採点方式をもとに行います。区分別得点では「聴解」「言語知識・読解」の要素に分けられ、それぞれに基準点が設定されており、総合得点では合格点が設定されています。

    試験に合格するには、基準点・合格点をどちらもクリアしなければなりません。つまり、日本語の習得レベルに差はあるものの、試験に合格している外国人は一定の「読む」「聞く」スキルや言語知識を持つといえるでしょう。

  • 「日本語検定」との違い

  • 日本語能力検定と混同されやすい試験として、「日本語検定」があります。この試験は、日本語能力試験とは異なることを理解しておきましょう。

    日本語検定は、日本語を使用するすべての人を対象とした検定であり、母語が日本語の方でも受験できます。検定を開催しているのが日本国内のみため、受験者の多くが日本人でしょう。

    級は1級(社会人上級レベル)から7級(小学校2年生レベル)まで用意されており、表記や語彙、文法といった能力を測れます。

  • 日本語能力試験を受験する目的

  •  
  • 外国人労働者が日本語能力試験を受けると、どのような目的を果たせるのでしょうか。
  • 就職の際に有利になる

  • 日本語能力試験に合格すると、日本語スキルがあることをアピールできます。そのため、就職活動の際に有利に働くでしょう。

    なかには、日本語能力試験の取得を、昇進や昇格の条件に設定している企業もあります。語学力を判断基準の一つとしている企業としては、より難度の高い認定を受けている人材に来てほしいものです。そのため、より難度の高いレベルでの認定を目指す外国人労働者もいます。

  • 在留資格「特定技能」を取得する際に必要

  • 特定技能は、一定の専門性や技能を持つ外国人労働者を、即戦力として迎えるための在留資格です。このような外国人労働者を迎え入れることで、企業の人材不足解消に役立つメリットがあります。

    外国人労働者がこの在留資格「特定技能」を取得するには、日常生活や仕事で必要な日本語スキルを備えていることを証明しなければなりません。その際に必要になるのが、日本語能力試験のN4以上、もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)への合格です。

    試験の開催頻度は、国際交流基金日本語基礎テストのほうが高めです。そのため、在留期限が迫っているなどの事情により、国際交流基金日本語基礎テストを受ける方もいます。


    特定技能については、以下の記事で詳しく紹介しています。
    外国人労働者の在留資格「特定技能」とは?1号と2号の対象分野などをわかりやすく解説

  • 【レベル別】日本語能力試験の難易度

  • 前述したように、日本語能力試験のレベルは5段階で設定されており、数字が小さいほど難しくなります。最も難度の高いN1レベルにおいては、日本人でも日常では使用しないような言葉が出てくるほどです。

    ここでは、各レベルの特徴を解説するので、どの程度のレベルなのかを確認しておきましょう。

    参考:N1~N5:認定の目安|日本語能力試験公式Webサイト
  • N5レベル

  • N5レベルでは「基本的な日本語をある程度理解できる状態」が求められます。ひらがな・カタカナのほかに、日常的に使用する基本の漢字で書かれた文などを理解できればN5レベルといえるでしょう。

    また、日常的に起こる場面での短い会話などは、ゆっくりとしたスピードであれば、必要な情報が聞き取れる状態であることが求められます。

  • N4レベル

  • N4レベルでは、日常で使用する漢字の文章や基本の語彙などを、読んで理解できる状態が求められます。
    聞く力に関しては、日常のシーンでややゆっくりとした速度の会話だと、内容をほぼ理解できる状態です。

  • N3レベル

  • N3レベルは、日常のシーンで使用する話題の文章を理解でき、新聞の見出しなどから情報を得られる状態です。さらに、やや難しい文章でも、言い換えをされれば内容を理解できます。

    聞くことに関しては、やや一般的な速度の会話でも内容の把握が可能です。具体的には、会話の登場人物とストーリーの両方をほぼ理解できます。

  • N2レベル

  • N2レベルは、日常的な会話だけでなく、より幅広いシーンでの日本語をある程度理解できる状態です。文章においては、さまざまな話題が書かれた雑誌や新聞などを読んで話の流れや内容を理解できます。

    聞く取りにおいては、自然な会話に近いスピードで、さまざまな話題の会話やニュースを聞いて、その内容や流れ、登場人物の関係性を理解できるレベルといえるでしょう。

  • N1レベル

  • 難度が最も高いN1レベルでは、幅広いシーンで使われる日本語を理解できます。具体的には、さまざまな話題を取り上げている新聞の評論のように、抽象的な文章や論理的でやや複雑な表現の文章でも理解が可能です。

    聞き取りに関しては、自然なスピードでの会話や講義を聞き、話の内容などを詳細に把握できます。

  • 【レベル別】日本語能力試験の合格率

  • 下表は、2023年7月に行われた日本語能力試験の第1回のデータです。難度が上がるにつれて、合格率(認定率)は低下しているのがわかります。
  •  
  •  

    レベル

    N1

    N2

    N3

    N4

    N5

    合計

    国内

    応募者数

    47,043

    57,199

    63,957

    41,566

    4,111

    213,876

    受験者数※

    41,484

    52,189

    60,570

    39,237

    3,664

    197,144

    認定者数

    13,349

    18,267

    25,683

    17,993

    2,419

    77,711

    認定率(%)

    32.2%

    35.0%

    42.4%

    45.9%

    66.0%

    39.4%

    海外

    応募者数

    94,349

    109,149

    92,816

    127,184

    60,688

    484,186

    受験者数※

    78,923

    92,523

    75,667

    109,173

    48,710

    404,996

    認定者数

    27,626

    42,603

    33,796

    45,191

    24,103

    173,319

    認定率(%)

    35.0%

    46.0%

    44.7%

    41.4%

    49.5%

    42.8%

    国内・海外合計

    応募者数

    141,392

    166,348

    156,773

    168,750

    64,799

    698,062

    受験者数※

    120,407

    144,712

    136,237

    148,410

    52,374

    602,140

    認定者数

    40,975

    60,870

    59,479

    63,184

    26,522

    251,030

    認定率(%)

    34.0%

    42.1%

    43.7%

    42.6%

    50.6%

    41.7%

  • 出典:日本語能力試験公式Webサイト
  •  
  • 日本語能力試験に合格している人材を採用する際の注意点

  • 日本語能力試験に合格している人材であれば、日本語の教育は不要なのでしょうか。人材を採用するにあたっての注意点を解説します。
  • 実際の語学力は理想のレベルではない可能性もある

  • 日本語能力試験では、マークシート方式で解答します。そのため、会話力やヒアリング力は判断できないでしょう。

    会話力は会話の練習を行うことで鍛えられるものであり、会話の練習が足りてなければ、会話力を向上させるのはなかなか困難です。

    したがって「日本語能力試験に合格している=会話も堪能」とは考えないほうがよいでしょう。

  • 検定レベルによっては採用後にも日本語教育が必要

  • N1やN2レベルであれば、業務上の会話もおおよそスムーズに進められるかもしれませんが、N3・N4・N5レベルでは理解できない可能性があると考えられます。認定を受けていても、採用後に会話に関する日本語教育を実施する必要があることを念頭に置いておくとよいでしょう。

    日本語能力試験のレベルはあくまでも目安であると考え、話しやすい環境づくりや会話力を向上できるような環境づくりに取り組むことが大切です。

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  • ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)は、特定技能外国人の教育から人材紹介、登録支援まで、一気通貫サービスを行っています。質の高い教育によって、コミュニケーションスキルを磨かれた人材を紹介することが可能です。

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  • まとめ

  • 日本語能力試験とは、日本語が母語ではない方向けの日本語スキルを認定する試験です。認定を受けたレベルを確認することで、どの程度の日本語能力を持つかを判断する助けになり、採用後のミスマッチを防ぐこともできるでしょう。

    ただし、認定を受けていたとしても、業務中の会話がスムーズに進むほどの会話力は期待できないかもしれません。そのため、採用後にも日本語教育を行う必要があるでしょう。


    ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)は、特定技能外国人材を紹介する登録支援機関として、一気貫通サービスを提供しています。採用後の学習支援も行っているので、外国人労働者の雇用を検討している場合はお気軽にご相談ください。

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