お役立ち情報

特定技能外国人の受け入れを検討している企業の採用担当の方のなかには、「業務以外の生活に関することはどのように伝えるべきか」と悩んでいる方も少なくないでしょう。

特定技能外国人のスムーズな受け入れには、業務内容はもちろん生活に関する知識やマナーの伝達など、事前に企業側でどのような支援ができるかを把握することが大切です。

この記事では、ゴミの分別や防災・生活情報の提供といった生活支援をはじめ、日本人交流や地域参加支援において企業ができる取り組みについて解説します。特定技能外国人の受け入れを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

特定技能外国人が安心して暮らすには企業の支援が不可欠

特定技能外国人が日本で安心して暮らすためには、企業による生活の支援が欠かせません。そのため、特定技能制度を活用するうえでの支援でも「生活オリエンテーション」や「日本人との交流促進」が義務付けられているのです。

生活に必要な知識やルールを事前に伝えておくことで、文化や習慣の違いから生じるトラブルを未然に防ぎ、地域社会との良好な関係構築を促せます。加えて、生活に対する不安を支援によって解消・軽減することで、安心して日々の業務に専念できる環境づくりにも役立つでしょう。

また、特定技能外国人が孤立せず地域や職場に早く溶け込むためには、日本人との交流機会を設けることも大切です。特定技能制度の活用を検討する際は、業務上だけでなくこれらの生活に関する支援ができるかどうか、そしてどのように実施すべきなのかを考えることが重要といえるでしょう。

参考：法務省｜1号特定技能外国人支援に関する運用要領

企業ができる特定技能外国人の【生活支援】に関する取り組み

企業が特定技能外国人の生活支援に関してできる取り組みについて具体的に紹介します。併せて、その際に重視すべきポイントについても解説します。

ゴミの分別や交通マナーなどのルール案内

ゴミの分別や自転車の交通マナーなど、生活上のルールを守ることは地域社会で生活していくうえで重要です。

例えば、交通マナーを守らない場合、交通事故など外国人材と周囲双方に危険が生じるおそれがあります。また、ゴミ捨てに関するルールが身に付いていなければ、ゴミの分別や収集日以外のゴミ出しなどがきっかけで、近隣住民とのトラブルに発展しかねません。

交通マナーに関するルール案内では、信号の色の意味や右側通行・左側通行などが国によって異なる場合があるため、日本のルールをしっかり理解してもらうよう努めましょう。その際、動画などを活用しながらわかりやすく解説することがポイントです。

ゴミの分別については、地域ごとの分別方法や廃棄方法、収集日、粗大ゴミの捨て方などを漏れなく伝えましょう。写真付きでマニュアルを作成したり、ゴミ出しの日に同行して具体的な捨て方を実践で教えたりするとわかりやすく効果的です。

緊急時や防災に関する情報の提供

災害時の備えとして、どのように動けば良いのか知っておくことは不可欠です。企業側でも、オリエンテーションを通して緊急時、災害時の対応について指導するよう心がけましょう。

緊急時や防災に関する情報を伝える際は、防災グッズの設置場所や避難場所の共有、避難経路の確認のほか、防災訓練の実施や緊急連絡先の整備を行うとよいでしょう。

また、気象や災害について確認できるホームページやアプリの利用方法についても指導することが大切です。気象庁のホームページは多言語で情報を提供しているため、活用するよう伝えておくのがおすすめです。

さらに、外国人材向けのコミュニティサイトがあれば併せて共有しておきましょう。

参考：気象庁｜Multilingual Information on Disaster Risk Reduction

その他、金融・医療などの生活情報の提供

義務的支援である「生活オリエンテーション」では、前述した生活のルールや緊急・災害時の情報のほか、日本での生活に必要な情報を共有することが重要です。

以下は、共有すべき金融や医療などをはじめとした生活情報です。

• ・金融機関の利用方法
• ・交通機関の利用方法
• ・生活必需品の購入方法
• ・日本での違法行為に関する情報
• ・医療や医療機関に関する情報
• ・公的機関での手続き
• ・出産や子育てなどの生活支援に関する情報 など

ただし、上記はあくまで一例となります。生活情報に関する詳細は、以下の記事からご確認ください。

特定技能外国人を支援する「生活オリエンテーション」とは？時間や内容について解説

企業ができる特定技能外国人の【日本人交流・地域参加支援】に関する取り組み

日本人との交流や地域参加支援について、企業側ができる支援内容の具体例とともに解説します。

日本文化に関する情報の提供

企業側ができる日本人交流・地域参加支援に関する取り組みとしてまず挙げられるのは、「日本文化に関する情報の提供」です。

例えば、年中行事や日本の習慣について紹介する資料を用意し、外国人材が文化理解を深めやすいよう支援することが考えられます。資料には、日本の歴史や文化、祭りやイベント、祝日、日本食に関すること、地域コミュニティの情報などを盛り込むとよいでしょう。

また、日本人社員がこれらの情報について説明する場を設けると、相互理解も深まりやすくなります。

地域イベントへの参加支援

地域イベントに外国人材が参加できるようサポートするのも、地域参加を促すために効果的な支援の一つです。地域の祭りや自治会のボランティア活動などに参加できる機会を設けることで、地域社会の一員としての自覚が生まれやすくなります。その結果、生活での孤立防止に役立ちます。

地域イベントへの参加機会を設けるには、外国人材に地域イベントの案内を適宜行うとともに、必要に応じて同行し一緒に参加するとよいでしょう。イベントの案内方法としては、掲示板へのポスター掲示や朝礼での紹介、多言語での共有などがおすすめです。

社内交流環境の整備

社内交流環境の整備も、重要な支援方法といえます。例えば、社員食堂や休憩室に外国人材と日本人が気軽に交流できるスペースを設ければ、指導にあたっている職員への相談や、ほかの職員とのコミュニケーションの機会を増やせます。

併せて、季節行事や懇親会といった国籍に関係なく楽しめる社内イベントを企画、実施し、仕事以外で自然に打ち解けられる機会を作るのも効果的です。イベントを通して、職員同士が相互理解を深められるでしょう。

社内コミュニケーションツールの活用

社内SNSやチャットツールなどを活用し、多言語で情報共有ができる仕組みを整えることも日本人との交流支援の一つです。日本語の会話が苦手でも、文字であれば参加しやすくなる効果が期待できます。

また、翻訳機能を活用すればコミュニケーションにおける言語の壁を下げられるため、業務上の重要な情報や社内ルールに関する情報も伝えやすくなるでしょう。

特定技能外国人の生活を支援する際に企業が気を付けるべきポイント

最後に、特定技能外国人の生活を支援する場合のポイントについて解説します。

また、以下の記事では特定技能外国人をはじめとした外国人材との交流のコツを解説しています。こちらもぜひご確認ください。

外国人材との異文化コミュニケーションで大切なことは？重要な理由や交流のコツも解説

コミュニケーション方法を工夫する

特定技能外国人に企業が支援を行う際は、言語の違いを考慮してコミュニケーション方法を工夫することが大切です。例えば、翻訳アプリや母国語資料の併用、やさしい日本語で作った資料の提供、イラストや動画の活用などがおすすめです。

伝え方を工夫することで、特定技能外国人としても生活ルールの習得がよりスムーズになったり、日本人との交流の促進になったりする効果が期待できます。

本人の意思を尊重する

日本人との交流支援や地域参加支援の一環として、お祭りやイベントなどの参加機会の提供を行う際は、外国人材本人の意見や希望を尊重することが大切です。参加を強要するのではなく、対話を重ねながら支援を続けることで、外国人材が安心感と主体性を持って交流や地域行事に参加できるようになるでしょう。

また、支援を始める前に、本人がどのようなことに興味を持っているのか、どのような交流方法なら参加できるかなどを丁寧にヒアリングしておくことも重要です。

文化や宗教、習慣に配慮する

日本の生活ルールなどについて伝える際は、相手の文化背景を踏まえることも忘れないようにしましょう。相手の文化や習慣、宗教を理解し、「本人に不快感を与えないかどうか」をしっかり確認することが重要です。

交流支援の際も、外国人材の宗教上の制約の有無や食文化などを考慮し、より参加しやすいイベントの企画や環境を整えることが大切です。

日本の文化を一方的に押し付けない

日本のマナーや生活習慣を伝え、交流支援を通じて日本の文化を知ってもらうことは重要です。しかし、それらを押し付けたり相手の価値観を否定したりしないよう注意してください。

双方向の交流を意識することで相互理解が進み、外国人材もより早く地域社会に馴染みやすくなります。交流支援を行う際は、日本人側も交流イベントなどに参加する機会を設けるなど、双方に公平な機会を提供するよう心がけましょう。

フォローアップやフィードバックを行う

生活支援や交流支援は、一度実施したら終了ではなく、実施後に伝えた内容を振り返ることが大切です。

例えば、ゴミの分別や生活ルールなど説明した内容がどの程度定着しているかを定期的に確認し、必要に応じて再度説明するといったことです。併せて、交流方法に問題はないか、外国人材がストレスを感じていないかなどもチェックしましょう。

また、実際の生活で困ったことがないかどうかヒアリングし、追加説明を行うのも効果的です。フォローアップやフィードバックの適切な実施は、双方の信頼関係を深めることにも繋がります。

継続的に支援を行う

外国人材が職場や地域社会に溶け込むには、ある程度の期間が必要となります。したがって、生活支援をはじめとしたサポートは一度きりではなく、長期的に取り組むことが大切です。

各支援は、年間を通して定期的に実施するように心がけましょう。採用や支援にかかわる担当者側としては、面談の実施やイベント情報の収集、更新、情報の社内共有などを行うことが重要です。

特定技能外国人の支援はオノデラユーザーランにお任せください

特定技能外国人には、「生活オリエンテーション」や「日本人との交流促進」などの義務的支援の実施が必要になることはここまで解説したとおりです。ただ、「自社だけで支援を実施するにはリソースが足りない」「きちんと支援できるか心配」という担当者の方も少なくないでしょう。

自社だけでの支援が心配な場合は、登録支援機関に委託するのも手段の一つです。特定技能外国人の採用に関して専門的な知識やノウハウがある登録支援機関であれば、自社だけでは対応が難しい支援も実施可能です。

ONODERA USER RUN（オノデラユーザーラン）では、登録支援機関として特定技能外国人の受け入れサポートを実施しています。外国人材に対する、8時間以上かつ母国語での生活オリエンテーションの実施をはじめ、入出国の送迎や住居・生活確保に必要な契約支援、公的手続きへの同行などのサポートを提供可能です。

入国後も、日本語学習機会の提供や定期的な面談の実施と併せて、地域イベントの参加支援など、日本人との交流促進に関するサポートも提供しています。

受け入れを検討している企業に対しては、特定技能外国人の紹介も行っており、OUR BLOOMING ACADEMY（自社アカデミー）で専門教育や育成を行った人材を紹介可能です。また、登録支援機関として一気通貫のサポート（OURストレートスルー）を行います。

特定技能外国人の受け入れを検討している方や、生活オリエンテーションをはじめとした義務的支援の委託を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

特定技能外国人への生活オリエンテーションや日本人との交流促進、地域参加支援は、特定技能制度における義務的支援であり、本人が日本で安心して暮らすために不可欠です。

生活支援や日本人交流・地域参加支援を行う際は、コミュニケーション方法を工夫するとともに、文化や宗教、習慣、本人の意思を尊重するように心がけましょう。また、一度支援して終わらせるのではなく、本人へのヒアリングを行いながら継続してサポートすることも重要です。

登録支援機関でもあるONODERA USER RUN（オノデラユーザーラン）では、生活オリエンテーションをはじめ、人材の教育や定着支援までまとめてサポートします。受入れ企業様と外国人材の双方が安心して雇用、就労できるサービスを提供していますので、ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください。

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