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特定技能「介護」の受け入れ可能施設まとめ!条件や注意点、訪問介護の情報も

2025.07.09

特定技能「介護」を取得した外国人を雇用するうえで、自社が運営する施設での受け入れが可能なのかどうかを知りたい方も多いのではないでしょうか。受け入れ可能施設について把握することで、介護分野における特定技能外国人のスムーズな雇用を実現しやすくなります。

今回は、特定技能「介護」の概要と受け入れ可能施設、知っておきたい条件、注意点などを解説します。併せて、2025年4月より一定条件下で認められた「訪問介護」の情報についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

特定技能「介護」の概要

特定技能「介護」は、介護分野における人手不足に対応するため、即戦力となる働きが見込まれる外国人を受け入れる在留資格の一つです。以下の試験等に合格し、技能、日本語能力を満たす人材が対象となります。

 

【技能水準】

  • ・介護技能評価試験

 

【日本語能力水準】

  • ・国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験(N4以上)
  • ・介護日本語評価試験

 

特定技能「介護」の概要については、以下の記事を参考にしてください。

特定技能「介護」とは?対応できる業務や取得方法、受け入れ側の注意点を解説

 

なお、介護分野で外国人を受け入れる制度は特定技能以外にもあり、EPA(経済連携協定)や、在留資格「介護」などの制度を活用できます。これらの制度の詳細について知りたい方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。

外国人介護士を採用できる「4つの在留資格」を徹底比較!

 

特定技能「介護」の受け入れ可能施設

介護分野における特定技能外国人の受け入れ可能施設は、以下のように大きく6つに分かれます。

 

  1. 1.児童福祉法関係の施設・事業
  2. 2.障害者総合支援法関係の施設・事業
  3. 3.老人福祉法・介護保険法関係の施設・事業
  4. 4.生活保護法関係の施設
  5. 5.その他の社会福祉施設等
  6. 6.病院または診療所

 

具体的な施設・事業に関しては、以下の厚生労働省の資料で確認しましょう。

出典:厚生労働省「対象施設」

 

なお、上記資料では訪問介護が対象外となっていますが、2025年4月21日より、特定技能外国人および技能実習生の訪問介護への従事が認められています。これは、訪問介護員等の人材不足の状況に対応するための措置です。なお、訪問介護に従事できる条件対象は、介護職員初任者研修課程等を修了し、介護事業所等での実務経験を1年以上積んでいる外国人です。

参考:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」

 

特定技能における訪問介護が解禁された背景や、期待できるメリットなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。

特定技能の訪問介護が解禁へ!現状や今後の動向、考えられる課題を解説

【注意】一部施設は受け入れ対象外

一部の施設は、特定技能外国人の受け入れ対象外となることに注意が必要です。例えば、前述の資料にあるとおり、老人ホームで受け入れ対象となるのは、基本的に「介護付きの有料老人ホーム」となっています。スタッフが介護サービスを提供しない「住宅型有料老人ホーム」は、特定技能外国人の受け入れ対象外です。

また、サービス付き高齢者向け住宅のうち、受け入れ可能施設として認められるのは、「有料老人ホームとして要件を満たす施設のみ」と定められていることにも留意しておきましょう。特定技能外国人の雇用を検討している場合は、自社の運営施設が受け入れ対象外施設にあたるのか、事前に確認しておくことが不可欠です。

特定技能「介護」の人材受け入れにあたり施設が知っておきたい条件

次に、特定技能「介護」の人材を受け入れるにあたり、施設が知っておきたい条件について見ていきましょう。

受け入れ可能人数

特定技能「介護」における受け入れ可能人数の上限は、事業所単位で、日本人等の常勤の介護職員の総数を超えてはなりませんこの「日本人等」には、以下の外国人材が含まれることに留意が必要です。

 

  • ・介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士
  • ・在留資格「介護」の取得者
  • ・永住者や日本人の配偶者など、身分・地位に基づく在留資格の取得者
  •  

参考:出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -介護分野の基準について-」


一方、技能実習生やEPA介護福祉士候補者などは、日本人等の枠には含まれていません

受け入れ可能期間

介護分野では1号特定技能外国人として、通算上限5年の受け入れが可能です。特定技能制度では、在留期間の更新上限がない2号も設けられていますが、介護分野に関しては在留資格「介護」があるため、2号が設けられていない状況です。

一定の要件を満たせば、特定技能1号から在留資格「介護」へ移行することも可能なので、介護分野においては外国人人材の中長期的な活躍が見込まれるでしょう。

業務内容

介護分野の特定技能外国人が従事できるおもな業務は以下のとおりです。

 

  • ・身体介護等(介護対象者の状況に合わせた入浴、食事、排せつの補助等)
  • ・身体介護等に関係した業務(レクリエーションの実施、リハビリテーションの補助等)
  •  

参考:出入国在留管理庁「特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)」

 

上記のほか、物品の補充・管理、掲示物の管理などの関連業務にも従事することが可能です。また、先述のとおり、一定条件下で訪問介護にも従事させることができるようになっており、特定技能外国人が重要な労働力になることが期待できます。

雇用形態

介護分野における特定技能外国人の雇用形態として認められているのは、フルタイムでの直接雇用のみです。ここでいうフルタイムとは、原則的に労働日数が週5日以上かつ年間217日以上あり、週労働時間が30時間以上の勤務形態を指します。

給与

特定技能外国人の給与は、同等の業務に従事する日本人従業員と同等以上にすることが雇用主に義務付けられています外国人であることを理由に、不当に給与を安くすることは認められていません

また、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用などの待遇面についても、特定技能外国人を差別的に扱わないようにする必要があります

特定技能「介護」の受け入れ施設になるための注意点

ここからは、特定技能「介護」の受け入れ施設になるための注意点について紹介します。

受入れ機関の基準を満たす必要がある

特定技能「介護」の資格を持つ外国人を雇用する施設は、以下の受入れ機関の基準を満たす必要があります。

 

【受入れ機関が満たすべき基準】

  1. 1.労働、社会保険および租税に関する法令を遵守していること
  2. 2.過去1年以内に、特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
  3. 3.過去1年以内に、受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
  4. 4.欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと
  5. 5.特定技能外国人の活動内容にかかわる文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと
  6. 6.外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと
  7. 7.受入れ機関が違約金を定める契約等を締結していないこと
  8. 8.支援に要する費用を、直接または間接に外国人に負担させないこと
  9. 9.労働者派遣の場合は、派遣元が当該分野にかかわる業務を行っている者などで、適当と認められる者であるほか、派遣先が1~4の基準に適合すること
  10. 10.労災保険関係の成立の届出等の措置を講じていること
  11. 11.雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること
  12. 12.報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
  13. 13.分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)
  14.  

参考:出入国在留管理庁「特定技能外国人受け入れる際のポイント」

 

上記のとおり、受入れ機関は法令遵守や雇用管理などに関するさまざまな基準を満たす必要があります。

・訪問介護に従事させる際の遵守事項

特定技能外国人を訪問介護に従事させる場合、受け入れ施設は利用者・家族へ事前に説明するとともに、以下5つの事項を遵守しなければなりません。

 

  1. 1.外国人介護人材に対し、訪問介護等の業務の基本事項等に関する研修を行うこと
  2. 2.外国人介護人材が訪問介護等の業務に従事する際、一定期間、責任者等が同行する等により必要な訓練を行うこと
  3. 3.外国人介護人材に対し、訪問介護等における業務の内容等について丁寧に説明を行い、その意向等を確認しつつ、キャリアアップ計画を作成すること
  4. 4.ハラスメント防止のために、相談窓口の設置等、必要な措置を講ずること
  5. 5.情報通信技術の活用を含めた必要な環境整備を行うこと(外国人介護人材が訪問介護等の業務に従事する現場において不測の事態が発生した場合等に、適切な対応を行うことができるようにするため)
  6.  

参考:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」

 

上記の遵守事項は、一定の水準を満たす訪問介護サービスを提供し、特定技能外国人の適切な労働環境を整備するためにも重要です。訪問介護に従事させたい場合は、しっかりとチェックしておきましょう。

外国人人材への支援を行う必要がある

特定技能外国人の受け入れ施設は、支援計画を作成したうえで、その計画に基づいた支援を行う必要があります。支援計画には以下の10項目に関する内容を記載します。

項目

内容

  1. 1.事前ガイダンス

在留資格認定証明書交付申請前または在留資格変更許可申請前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等について、対面・テレビ電話等で説明

  1. 2.出入国する際の送迎

・入国時に空港等と事業所または住居への送迎を実施

・帰国時に空港の保安検査場までの送迎・同行を行う

  1. 3.住居確保・生活に必要な契約支援

・連帯保証人になる、社宅を提供する等

・銀行口座等の開設、携帯電話やライフラインの契約等の案内、各手続の補助

  1. 4.生活オリエンテーション

日本のルールやマナー、公共機関の利用方法や連絡先、災害時の対応等の説明

  1. 5.公的手続等への同行

必要に応じ住居地・社会保障・税などの手続への同行、書類作成の補助

  1. 6.日本語学習の機会の提供

日本語教室等の入学案内、日本語学習教材の情報提供等

  1. 7.相談・苦情への対応

・職場や生活上の相談・苦情等について、外国人が十分に理解できる言語での対応

・内容に応じた助言、指導等

  1. 8.日本人との交流促進

自治会等の地域住民との交流の場、地域のお祭りなどの行事への案内や参加の補助等

  1. 9.転職支援(人員整理等の場合)

・受け入れ側の都合で雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや、推薦状の作成等

・求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続の情報の提供

  1. 10.定期的な面談・行政機関への通報

支援責任者等が外国人およびその上司等と定期的(3ヵ月に1回以上)に面談し、労働基準法違反等があれば通報を実施

参考:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」

 

なお、特定技能外国人への支援では、登録支援機関のサポートを受けることも可能です。登録支援機関の概要や、支援委託がおすすめの理由について、以下の記事で詳しく解説しています。

特定技能における登録支援機関とは?支援委託をおすすめする理由と選び方

特定技能協議会への加入が義務付けられる

受け入れ施設は、特定技能外国人の受け入れ前に、特定技能協議会に加入するように義務付けられています。介護分野において、特定技能外国人の受け入れが初めての場合、手続の流れは以下のようになります。

 

  1. 1.協議会へ申請する
  2. 2.地方出入国在留管理局へ申請する
  3. 3.特定技能外国人の就労を開始させる
  4. 4.協議会へ外国人情報を登録する

 

まずは、協議会申請システムへ法人情報と事業所情報を入力し、必要書類の電子データを提出します。そこで「協議会入会証明書」が発行されるので、「介護分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」とともに、地方出入国在留管理局での在留資格諸申請の際に提出しましょう。

その後、特定技能外国人の就労がスタートしたら、協議会申請システムへ外国人情報を入力し、1号特定技能外国人支援計画書などの必要書類を提出すれば完了です。

特定技能「介護」の人材受け入れはオノデラユーザーランにご相談を!

介護分野で特定技能外国人の受け入れを検討しているなら、ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)へぜひご相談ください。オノデラユーザーランでは、自社無償教育拠点「OUR BLOOMING ACADEMY」で専門教育や育成を行った、特定技能外国人の紹介が可能です。

また、登録支援機関として、支援計画の作成サポートや実施に関するサービスをワンストップで展開。さらに、定着率アップに向けたハウジングサービスのほか、介護人材向けの「介護福祉士学習講座」なども開催しているので、入職後の外国人人材のスキルアップやキャリアアップの継続的な支援も可能です。

これらのサポートサービスにより、初めて特定技能外国人を受け入れる場合にも、適切な支援体制を構築できるでしょう。

まとめ

特定技能「介護」の人材を雇用する際は、自社の運営施設での受け入れが可能かを確認しておきましょう。また、受け入れ可能人数や業務内容、雇用形態などの条件などについても把握しておくことで、特定技能外国人のスムーズな雇用を目指せます。

介護分野で特定技能外国人の受け入れを検討しているという場合は、ぜひONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)にご相談ください。自社アカデミーで専門教育や育成を行った人材のご紹介はもちろん、支援計画の作成サポート・実施など、ワンストップのサポートサービスをご提供しています。

貴社のニーズに適した人材のご紹介が可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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2019年4月に創設された、人材の確保が困難な16の産業分野等における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れる在留資格のこと。
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