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特定技能でフィリピン人を受け入れるメリットは?必要な費用の目安や注意点

2024.12.24

少子高齢化が進む日本では、外国人労働者の存在がますます重要になっています。

特にフィリピン人労働者は、若い労働力と高いホスピタリティ精神で日本企業から注目されています。そのため、特定技能制度を活用してフィリピン人を受け入れることに関心を持ち、詳しいことを知りたいと考える採用担当の方も多いのではないでしょうか。

今回は、特定技能制度でフィリピン人を受け入れる際のメリットや、必要となる費用の目安、受け入れで注意すべきポイントなどについて解説します。

特定技能を活用して日本で働くフィリピン人は増加の傾向

特定技能制度は、2019年4月に創設された在留資格です。人材確保が難しい状況にある介護、外食、宿泊などの分野において、即戦力となる外国人の労働力を受け入れることを目的としています。

出入国在留管理庁のデータによると、特定技能で日本に在留するフィリピン人の数は、次のように推移しています。

令和5年6月末

1万7,660人

令和5年12月末

2万1,367人

令和6年6月末

2万5,311人

参考:出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況(令和6年6月末)」

このように、特定技能の在留資格で働くフィリピン人労働者は年々増加しています。

企業がフィリピン人を特定技能で受け入れる5つのメリット

日本の企業が特定技能制度を活用してフィリピン人材を受け入れることで、さまざまなメリットが期待できます。

ここでは、おもな5つのメリットを紹介します。

若い人が多い

国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集(2024)によると、2022年時点でフィリピンの平均年齢は29.5歳で、日本の平均年齢48.2歳(同年時点)と比べると若年層が多いことがわかります。

参考:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2024)」

 

また、独立行政法人 労働政策研究・研修機構のデータでは、フィリピンの総人口は2010年に9,500万人、2022年には1億1,600万人と増加傾向にあります。

参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2024」

 

フィリピンの豊富な若年労働力は、人材採用において大きな強みとなるでしょう。

国外で働くことへの抵抗が少ない

フィリピンでは国内での高い失業率や平均所得が高くない等の理由から、多くの労働者が国外での就労を選択する傾向にあります。

家庭経済を支える重要な収入源としての海外送金が根付いておりフィリピン政府も海外労働者の支援体制を整備しているため、国外就労が一般的といわれています。

こうした背景から、フィリピン人は国外で働くことに対して比較的抵抗が少なく、積極的に機会を探している方が多い傾向にあります。

ほかの在留資格と比べて就労しやすい

特定技能は、ほかの在留資格と比べて日本での就労がしやすい特徴がいくつかあります。

例えば、技能実習2号を良好に修了した場合、特定技能の試験の一部が免除されるため資格取得のハードルが低くなります。

また、特定技能は即戦力として雇用されるため、企業側にとっては即時に業務に対応できる人材を確保できる点でメリットが大きいといえるでしょう。

さらに、就労者に対しては日本人と同等の待遇が義務付けられていることから、長期的な定着や転職の可能性が広がり、企業にとっても安定した人材の確保に繋がります。

特定技能は、1号と2号があり在留可能な期間や技能水準などに違いがあります

1号と2号の違いについては以下の記事で詳しく解説しているため、併せて参考にしてください。

特定技能1号・2号の違いは?それぞれの取得方法もわかりやすく解説

共用語が英語でコミュニケーションを取りやすい

フィリピンでは小学校から英語教育が実施されており、多くの国民が高い英語力を身に付けています約9割以上のフィリピン人が英語を理解できるため、他国の人材と比較してもコミュニケーション面で優れた適応力を発揮します。

英語でのコミュニケーションが可能なことで、企業側は支援体制を整えやすくなり、現場の負担軽減にも繋がる点が大きなメリットといえます。

高いホスピタリティ精神を持っている

フィリピン人は思いやりの心が強く誰に対しても親切で丁寧に接するホスピタリティ精神を持っている傾向にあります。

初対面の相手にも明るく笑顔で接する国民性があり、特に介護や接客業といったコミュニケーションが重視される職種において、適性があるといえるでしょう。

特定技能フィリピン人を受け入れする際の注意点

フィリピン人材を特定技能で受け入れる際には、以下の2点に注意する必要があります。

参考:法務省「~特定技能外国人の受入機関の方々へ~フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」

DMWへの登録が必要

フィリピン人材を特定技能で雇用する企業は、フィリピンの移住労働者省(Department of Migrant Workers、略称DMW)に雇用主として登録する必要があります。

DMWはフィリピン人労働者の保護や手続きを担当する政府機関で、以前はフィリピン海外雇用庁(POEA)として知られていました。

DMWへの登録には、フィリピン政府が認定する送り出し機関を経由し、必要な書類を提出することが求められます。この登録が完了すると、企業は特定技能フィリピン人労働者との雇用契約を進めることが可能です。

MWOの認定が必要

また、特定技能でフィリピン人を受け入れる企業は、日本国内にある移住労働者事務所(Migrant Workers Office、略称MWO)からの認定を取得する必要もあります。

MWOは、日本におけるフィリピン人労働者とその家族の福祉を守るため、監督や支援を提供する事務所です。

この認定を得るには、企業がフィリピン政府認定の送り出し機関と雇用契約を結び必要な書類をMWOに提出することが求められます。また、英語での面接を受ける必要もあります。

認定が無事に完了すると、MWOからは認証印が押された書類と推薦書が送付され、企業はフィリピン人特定技能労働者の受け入れを円滑に進めることが可能です。

フィリピン人を特定技能で受け入れる流れ

特定技能でフィリピン人材を受け入れる場合、対象者がフィリピン国内にいるか、すでに日本国内にいるかによって受け入れの手順が異なります。

それぞれのケースでの流れについて説明します。

参考:法務省「~特定技能外国人の受入機関の方々へ~フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」

参考:法務省「フィリピン特定技能外国人に係る手続の流れについて」

国外のフィリピン人を受け入れる場合

フィリピンから新たに特定技能人材を受け入れる場合は、以下の手順を踏む必要があります。

  1. 1.フィリピン政府が認定する送り出し機関と採用活動の取り決めを結ぶ
  2. 2.日本国内のフィリピン移住労働者事務所(MWO)に書類を提出する
  3. 3.MWOにてフィリピンの労働担当官と受入れ企業との面接を行う
  4. 4.フィリピンの移住労働者省(DMW)への登録が完了する
  5. 5.現地の送り出し機関からの紹介が開始する
  6. 6.特定技能に関する雇用契約を結ぶ
  7. 7.在留資格認定証明書の交付申請(変更申請)を行う
  8. 8.査証(ビザ)の発給申請を行う
  9. 9.出国前オリエンテーションと健康診断を行う
  10. 10.日本人が海外雇用許可証(OEC)の発行申請を行う
  11. 11.日本へ入国し、就労を開始する

国内のフィリピン人を受け入れる場合

一方、すでに日本に在住しているフィリピン人材を特定技能で雇用する場合は、以下の流れで手続きを進めます。

  1. 1.フィリピン政府が認定する送り出し機関と採用活動の取り決めを結ぶ
  2. 2.フィリピンの移住労働者省(DMW)への申請のため日本国内のフィリピン移住労働者事務所(MWO)へ書類を提出する
  3. 3.MWOにてフィリピンの労働担当官と受入れ企業の面接を行う
  4. 4.DMWへの登録が完了する
  5. 5.特定技能に関する雇用契約を締結する
  6. 6.本人が地方出入国在留管理官署に対して特定技能への在留資格変更許可申請を行う
  7. 7.就労を開始する
  8. 特定技能フィリピン人を受け入れる際にかかる費用

  9. 特定技能でフィリピン人材を受け入れる際には、いくつかの費用が発生します。

    おもな費用の内訳や目安を以下に紹介します。

    • ・送り出し機関に支払う手数料:10万~60万円/回
    • ・在留資格申請費用:10万~20万円/回
    • ・在留資格更新費用:3万~6万円/更新の都度
    • ・渡航費用:5万~10万円/回
    • ・住居の準備費用:条件により異なる
    • ・給与や福利厚生:条件により異なる
    • ・登録支援機関への委託費用:2万~4万円/月(1人当たり)
    • ※日本行政書士会連合会のデータを参考に作成

    送り出し機関に支払う手数料には、フィリピン側での人材募集・選別費用、教育指導費用、ガイダンス費用などが含まれているのが一般的です。

    なお、登録支援機関を活用することで、受け入れにともなう雇用主の負担が軽減されるためおすすめです。
    登録支援機関について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。

    特定技能における登録支援機関とは?支援委託をおすすめする理由と選び方

  10. フィリピン人の性格や特徴

  11. フィリピン人の特徴や性格を理解することで、自社での受け入れについてより具体的な検討が可能になるでしょう。


    以下では、おもな性格や特徴をいくつか紹介します。

  12. フレンドリーで社交的

  13. フィリピンの温暖な気候も影響してか、フィリピン人は社交的でフレンドリーな方が多いです。

    積極的に周囲とコミュニケーションを取り、初対面の人ともすぐに打ち解けられる傾向があります。この社交性の高さは海外での就労においても大きな強みとなり、職場やコミュニティへの早期適応を可能にしています。

  14. 家族を大切にする価値観

  15. フィリピン人の特徴の一つに、家族を何よりも大切にする価値観を持っている方が多いことが挙げられます。大家族で育った経験を持つ人も多く、親戚も含めた家族全員の面倒を見ることが当然とされる文化があります。

    この家族第一の価値観が、家族を支えるための海外就労への強い意欲に繋がり、仕事に対する真摯な姿勢の源となっているといえるでしょう。
  16. フィリピンは親日的な国

  17. フィリピンは親日的な国として知られており、多くのフィリピン人が日本に対して好意的な印象を持っているといわれています。本のアニメや音楽、日本食なども人気があり、日本文化への憧れを抱く人も少なくありません。

    こうした親日的な姿勢は、日本での就労におけるスムーズな適応をあと押しする要因となっています。

  18. 忘れがちで時間におおらか

  19. フィリピン人は「フィリピンタイム」と呼ばれる、時間に対しておおらかな考え方を持つことが多いです約束の時間に遅れることも珍しくなく、1時間以上の遅刻が発生することもあります。

    また、仕事の内容や計画を忘れやすい傾向もあり、特に週をまたぐような業務では念押しが必要になる場合もある可能性があります。ただし、人の名前や顔を覚えることは得意としています。

  20. フィリピン人とうまく仕事を進めるポイント

  21. フィリピン人のスタッフとスムーズに仕事を進めるためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。

    まず、注意や指導はほかの人がいない場所で個別に行うようにしましょう。フィリピン人は人前での注意を「屈辱」と感じることがあるため、配慮が必要です。また、指導の際は優しい口調で根気強く対応し、強い叱責は避けることが望ましいでしょう。

    さらに、フィリピン人は家族との時間を大切にする傾向があり、残業には抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのため、業務量や時間の調整も重要です

    繁忙期などでどうしても残業が必要な場合には、状況を説明し、理解を得るよう努めることがポイントです。

  22. 特定技能外国人の受け入れは「オノデラユーザーラン」にご相談ください

  23. ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、アジアの4ヵ国で運営する自社アカデミーを通じて特定技能外国人の専門的な教育と育成を行い、丁寧に養成した優秀な人材を紹介しています。

    受入れ施設・企業様のニーズを丁寧にヒアリングし、最適な人材を紹介できる点が特徴です。

    また、登録支援機関として出入国在留管理庁に認定されており、特定技能外国人にかかわる幅広いサポートを提供しています。

    採用プロセスが円滑に進むよう、ビザ申請や入社までのサポートなど一気通貫で対応する体制を整え、就労後の生活面や業務面でもきめ細やかなフォローを実施しています。

    フィリピン人をはじめとする外国人材を安心して受け入れていただけるよう、万全の体制でサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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  24. まとめ

  25. 特定技能でのフィリピン人材の受け入れには、若い労働力の確保や高いホスピタリティ精神、英語力を活かしたスムーズなコミュニケーションなど、多くのメリットがあります。ただし、フィリピン政府特有の手続きであるDMWへの登録やMWOの認定が求められる点には注意が必要です。

    また、送り出し機関への手数料や支援機関への委託費用、在留資格関連費用など、さまざまな費用についても事前に把握しておくことが重要です。

    フィリピン人の特性を理解し、文化的背景に配慮したコミュニケーションを心がけることで、スムーズに仕事を進めることができるでしょう。

    フィリピン人材の受け入れをお考えの企業様は、自社アカデミーでの専門教育と充実したサポート体制を整えるONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)に、ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。


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