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特定技能と技能実習の違いとは? 制度の比較や育成就労への移行について

2023.08.24

日本では外国人雇用が増加傾向にあり、さまざまな国の外国人を受け入れている現状があります。企業が外国人を受け入れる際には、外国人の在留資格によってルールや対応が異なるため、制度の内容や法令関係について正しく理解しておくことが必要です。

この記事では、「特定技能」と「技能実習」について、制度の比較や技能実習から特定技能への移行、登録支援機関と監理団体の役割の違い、育成就労制度などについて、わかりやすく解説します。また、株式会社ONODERA USER RUNの取り組みについてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

特定技能と技能実習の主な相違点

特定技能と技能実習は、「外国人を企業で受け入れる」という点では同じですが、制度の目的や具体的な内容は大きく異なります。それぞれの制度を正しく理解するために、項目ごとの違いを比較しながらわかりやすく解説します。

その1:目的

特定技能の目的は、日本国内の深刻な人手不足を解消するために、一定の専門性や技能をもつ外国人材を受け入れることです。少子高齢化による労働人口の減少に対応し、日本経済の安定と成長を支えることを目的としており、特に労働力確保が困難な分野で必要な人材を確保して即戦力として活用できる仕組みになっています。

一方で、技能実習は、日本で培われた技能・技術・知識を開発途上国へ移転し、その国の経済発展を担う人材を育成する国際貢献が主な目的です。あくまでも日本で学んだことを持ち帰って活用してもらう国際協力が理念としてあるのにもかかわらず、実際には労働力不足を補うために活用されているケースも多く、本来の目的と実態が乖離していることが問題視されています。

つまり、特定技能と技能実習の目的の大きな違いは、「労働力確保を目的としているかどうか」です。特定技能は労働力確保を目的とした制度であるのに対し、技能実習は労働力不足の補填ではなく、人材育成による国際貢献を目的としているという違いを理解しておきましょう。

その2:作業内容

特定技能は、「業務区分単位」で作業可能な仕事が決まります。特定技能制度における「業務区分」は、外国人が就労可能な16分野ごとに、さらに具体的な作業内容や試験の種類に基づいて細分化されています。

たとえば、建設分野の場合は、「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つに分けられており、合格した区分でしか働けません。企業側は、受け入れる外国人が従事する業務区分単位で受入計画の認定を受けることが必要です。

一方で、技能実習は、「職種作業単位」で作業可能な仕事が決まります。技能実習では、「職種」をさらに細分化した具体的な業務内容の「作業」を行い、実習計画はこの職種作業単位で作成・認定されます。

たとえば、「冷凍空気調和機器施工」という職種では、「手溶接」「半自動溶接」などの具体的な作業に細分化される、というイメージです。

特定技能は日本の労働力不足を補うための制度なので、業務区分という相対的に広範囲な就労が可能です。対して技能実習は、専門性の高い作業を学び、人材を育成するための制度なので、修得する技能と対応した職種作業単位で就労を行うことが大きな違いとなります。

その3:職種

特定技能と技能実習では、受け入れ可能な職種が異なります。

特定技能で働くことが可能な職種は、人手不足が深刻な分野に限定されており、2024年に追加された「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」4分野とあわせて、現在では16分野となっています。

具体的には、「介護」「ビルクリーニング」「工業製品製造業」「建設業」「造船・舶用工業」「自動車整備」「航空」「宿泊」「農業」「漁業」「飲食料品製造業」「外食業」、「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4つをあわせた16分野です。さらに、2027年からは「リネンサプライ」「物流倉庫」「循環資源」の3分野が追加となる見通しです。

 

一方で、技能実習では大きく8つの分野に分けられており、「農業・林業関係(3職種7作業)」「漁業関係(2職種10作業)」「建設関係(22職種33作業)」「 食品製造関係(11職種19作業)」「繊維・衣服関係(13職種22作業)」「機械・金属関係(17職種34作業)」「その他(21職種39作業)」「社内検定型の職種・作業(2職種4作業)」と、2025年時点で91職種168作業となっています。

特定技能は人手不足を補うことを目的としているため、人手不足が深刻な分野での受け入れが重視されています。対して技能実習は、人材育成による国際貢献を目的にしているため、職種・作業がより細分化されているという特徴があります。

その4:技能水準

特定技能と技能実習では、求められる技能水準が異なります。

即戦力として活用される特定技能は、1号・2号ともに、就労する分野における一定水準以上の知識・経験が必要です。1号は「相当程度の知識・経験」が必要となり、基礎的な業務をこなせる即戦力レベルが求められます。2号は「熟練した技能」が必要で、現場を指導・管理できるレベルが求められ、1号より高い水準が要求されます。

一方で、技能実習の場合は入国時に特別な技能は求められません。あくまでも人材育成による技術移転が目的のため、入国前の段階では客観的な技能証明は不要です。

つまり、即戦力としての活用を目的とした特定技能については、1号・2号ともに、就労する分野における知識・経験が一定水準以上必要であるのに対し、技能実習は入国前に特定の技能を習得する必要はありません。

その5:試験

特定技能と技能実習では、入国前の試験の有無にも違いがあります。

特定技能は、就労する分野における一定水準以上の知識・経験が求められるため、「特定技能評価試験」と「日本語能力試験」の合格が必要です。特定技能評価試験については、希望する分野の試験において専門知識や実務能力を測ります。日本語能力試験については、「国際交流基金日本語基礎テスト A2レベル以上」または「日本語能力試験 N4レベル以上」が必要です。

一方で、技能実習は入国時に特別な技能は求められないため、基本的には試験も不要です。ただし、介護職種のみ日本語能力検定N4レベルであることが求められるほか、フィリピンなどの一部の送り出し国によっては講習の受講等のルールが定められている場合があります。

つまり、特定技能は、日本の労働力不足を解消するための即戦力となることが目的であるため、試験によって一定水準以上の知識・技能を測るのに対し、技能実習の場合は、入国時に明確な技能レベルは求められていない場合が多いです

その6:働き方

特定技能と技能実習は、どちらも日本の労働基準法や最低賃金法、雇用保険法などの労働関係法令が適用される点は共通していますが、制度の目的に応じて労働時間などに違いがあります。

特定技能の場合は、週30時間以上・週5日以上のフルタイムで、正社員・契約社員としての雇用が原則です。日本人と同等の業務に従事し、一部例外はあるものの、直接雇用が基本です。季節や地域によって繁忙期と閑散期がある農業・漁業については、要件を満たすことで派遣社員としての雇用が認められますが、他の分野では基本的に派遣社員としての雇用は認められません。

勤務時間は、日本人と同様に労働基準法(1日8時間・週40時間上限)が適用されます。労使協定を締結すれば、業務の繁閑に合わせて法定労働時間の枠内で柔軟に労働時間を配分する「変形労働時間制」も可能です。

 

一方で、技能実習は、時間外労働や休日労働、深夜労働については原則として行われることが想定されていません。技能実習は労働力を補う制度ではなく、人材育成を目的とした制度であるため、合理的な理由がない限りは原則として行われない想定となっています。

ただし、やむを得ない業務上の事情等によって時間外労働等を行う必要がある場合は、「労働関係法令を遵守して行うものであること」「 技能等の修得等の活動の一環として行われるものであること」「技能実習生に対する技能等の修得等に係る指導が可能な体制が構築されていること」の要件を満たすことが求められます。

要件を満たした場合は、労使協定の締結・所轄労働基準監督署長への届出によって、原則月45時間、年360時間を限度として、時間外労働を行わせることが可能です。また、技能実習生に時間外労働等を行わせる場合は、適正に割増賃金を支払わなければなりません。

つまり、特定技能は働くための制度であるため、時間外労働や深夜での業務についても労働関係法令の範囲内であれば行うことが可能で、技能実習の場合はやむを得ない事情がない限りは原則として時間外労働は想定されていないという違いがあります。

その7:在留期間

特定技能と技能実習では、在留できる期間に違いがあります。

特定技能の在留期間は、1号の場合は通算5年までとなります。2号は上限がなく、3年・1年・6か月ごとのいずれかの頻度で在留期間の更新が可能です。特定技能は原則として1号からスタートし、2号を取得するには各分野に設定された試験の合格と実務経験の2つが必要です。

 

一方で、技能実習の場合は、1号が1年間(入国1年目)、2号が最長2年間(入国2・3年目)、3号が最長2年間(入国4・5年目)、通算で最長5年間と、期間に限りがあります。1号は初年度に付与される在留資格で、2号に移行するには、技能評価試験に合格する必要があります。

2号から3号に移行するには、「3級技能検定」または、これに相当する技能実習評価試験の実技試験への合格が必要です。また、2号を修了した時点で、3号ではなく特定技能の在留資格への移行も可能になります。

つまり、特定技能の在留期間は1号の場合は通算5年まで、1号から2号に在留資格を変更すれば、通算の在留期間に上限がなくなるのに対し、技能実習については最長で5年間です。ただし2号修了時点で特定技能へ移行できれば、特定技能の在留期間が適用されることになります。

その8:家族の帯同

まず、特定技能の場合、1号については原則として家族の帯同はできません。ただし、留学ビザなどから特定技能1号に切り替えた場合は、継続して家族帯同が認められるなどの例外措置もあります。

2号については、配偶者と未成年の子を「家族滞在」の在留資格で呼び寄せることが可能です。ただし、対象は配偶者・子のみで、親や兄弟については不可となっています。

また、外国人の不法滞在を防ぐために、「婚姻関係をしっかりと証明できる者である」「呼び寄せる側に扶養できる経済力がある」「子どもの養育の計画が明確である」という3つの条件を揃えることが求められます。

一方で、技能実習については、人材育成を目的とした制度で帰国が前提であることから、家族の帯同は認められていません。

その9:受入れ人数

特定技能には、不足することが推測される人数に対してどのくらいの労働力が必要かという視点で、上限が定められています。受け入れ見込数は、各分野において、2024年時点で2028年年度の産業需要等を踏まえ、「受け入れ見込数=2028年度の人手不足数-(生産性向上+国内人材確保)」で算出されています。

特定技能は労働力不足を補うための制度なので、上限の範囲内であれば、基本的に企業ごとの受入れ人数に制限はありません。ただし、建設分野と介護分野に限り、受け入れ機関ごとに受け入れ可能人数枠が設定されています。

一方で、技能実習は、技能を習得してもらうことを目的としているため、企業で適切な指導ができる人数に抑えなければなりません。そのため、技能実習は企業規模や職員数などに応じて人数枠が決められています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度の受入れ見込数の再設定(令和6年3月29日閣議決定)」

制度比較から考える検討ポイント

特定技能と技能実習は、どちらも外国人を企業が受け入れるという点では同じであるものの、制度の目的が大きく異なることから、業務内容や在留期間などさまざまな点で違いがあります。

比較して考える際には、まずは制度の目的を正しく理解して検討することが大切です。特定技能は労働力の確保を目的としているのに対し、技能実習は帰国を前提とした技術移転を目的としています。在留期間については、特定技能の2号は在留更新に上限がないのに対して、 技能実習は最長5年となっています。

また、業務内容についても、特定技能については人手不足が深刻な分野を中心に即戦力となる人材を活用するための幅広い分野であるのに対し、技能実習は研修目的の限定的作業である点も理解しておきましょう。

さらに、家族帯同についても、特定技能の2号は可能であるのに対して、技能実習は帰国が前提であることから家族の帯同は認められていません。

それぞれの制度の目的や内容を正しく理解したうえで検討するようにしましょう。

技能実習から特定技能への移行について

技能実習から特定技能へは、「技能実習2号を良好に修了していること」「技能実習の職種・作業内容と、特定技能1号の業務に関連性が認められること」の2つの条件を満たすことで移行が可能です。

具体的には、2号までの技能実習を良好に3年間終了し、職種と作業内容が移行する特定技能1号の業務に関連性が認められている場合は、技能試験と日本語試験が免除となります。また、技能実習時と異なる業務を行う場合でも、技能実習2号を良好に修了している場合は日本語試験が免除されます。

技能実習から特定技能への移行の際には、「在留資格変更申請手続き」が必要です。「在留資格変更許可申請書」「写真」「申請人のパスポート及び在留カード」を用意し、住んでいる地域または勤務先のある地域を管轄する地方出入国在留管理局で手続きを行います。

ただし、分野によって要件が異なり、分野独自の追加資料が必要な場合もあります。国によっては申請の過程で別途の手続きが必要な場合もあるため、注意が必要です。

登録支援機関と監理団体の役割の違い

登録支援機関とは、特定技能外国人の円滑な就労や生活を支援する機関で、企業が義務付けられた支援業務を代行・軽減する役割を担います。具体的には、入国前の事前ガイダンスや住居確保支援、日本語学習支援、相談・苦情対応、定期面談、行政機関への通報などを行います。

一方で、監理団体とは、技能実習制度における実習生と受入れ企業をつなぐ非営利団体です。技能実習が適正に実施されているかを監督・監査し、実習生の保護・育成を行う役割を担います。具体的には、受入れ企業への定期監査や指導、実習生との面談、日本語・文化・生活オリエンテーションなどを行います。

育成就労制度について

育成就労制度とは、日本における深刻な人手不足を補う外国人労働者の育成と人材確保を目的とする制度で、技能実習制度の代わりとして創設されました。技能実習制度の本来の目的は、技能の移転による国際貢献ですが、現実には国内の労働力として活用されている側面があり、目的と実態が乖離していることが問題視されていました。

そこで、問題点の多かった技能実習制度を廃止し、人材育成と人材確保を目的とする育成就労制度が新たに創設されることになりました。

育成就労制度では、外国人材を3年間で特定技能1号の水準に育成することを目標にしています。育成就労制度と特定技能制度は連続性をもたせる形で設計されていて、育成就労を経て特定技能1号へ移行できるよう、制度的に接続されています。

ONODERA USER RUNの取り組み

株式会社ONODERA USER RUN(OUR)は、自社無償教育拠点である「OUR BLOOMING ACADEMY」で教育した特定技能外国人材の紹介を行っています。ヒアリングによってお伺いしたお客様のご要望をもとに、よりニーズに沿った人材をご紹介いたします。

人材紹介は完全成功報酬で、外国人材が入社するまでは一切費用がかかりません。「教育」「面接手配」「ビザ申請サポート」がひとつにまとめたわかりやすい料金体系になっていますので、ご安心ください。

また、初めての受入れでも安心な「登録支援サービス」も行っています。在留資格「特定技能1号」にて外国人を受け入れる場合は、法務省規定の義務的支援10項目を行う必要があります。「登録支援機関」であるOURは、指定の支援内容はもちろん、外国人材が定着するための独自の支援サービスも行っており、受入れ施設・企業様、外国人材ともに安心できるサービスプランの提供が可能です。

さらに、OURでは、外国人材の定着支援サービスも行っています。外国人材の採用では「定着」も不安要素の大きなひとつといえるでしょう。

OURでは、継続した学習や生活するうえでの支援が非常に重要であると考え、受入れ施設・企業様がスムーズに外国人材の受け入れができるように、グループ会社のONODERA LIFE SUPPORTにて外国人向けのサービスをキメ細かく展開しています。

具体的には、外国人が安心して暮らせるお部屋の情報提供、生活用品やWi-Fi、家具家電の手配、外国人向け格安SIMカードの販売などを行っています。

登録支援機関への委託は、業務負担の軽減や外国人材の定着など、さまざまなメリットがあります。株式会社ONODERA USER RUNでは、書類申請や諸手続きのサポート、住宅手配や母国語資料などの入社前の準備、相談・苦情への対応や定期面談など、幅広いサポートが可能です。

  • まとめ

  • 外国人を受け入れる際には、特定技能と技能実習の制度の違いや、新しい制度である育成就労制度について、正しく理解することが重要です。

  • 株式会社ONODERA USER RUNは、日本語・特定技能の専門教育から人材紹介、就業後の生活や資格取得に向けた学習支援までをワンストップで行い、安定して長く働ける人材をご紹介しております。人手不足でお困りでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。


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特定技能とは?

2019年4月に創設された、人材の確保が困難な16の産業分野等における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れる在留資格のこと。
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