INFORMATION

お役立ち情報

その他

外国人の労働時間にルールはある? 雇用前に知っておきたい労働時間制限

2026.06.11

外国人を雇用する際には、法令に基づいた労働時間のルールを正しく理解しておくことが大切です。違反をしてしまうと罰則の対象となる場合もあるため、さまざまなリスクを回避するためにも、日本の労働基準法はもちろん、外国人ならではのルールも知っておく必要があります。

この記事では、外国人労働者の労働時間制限について、労働基準法と在留資格の両面からわかりやすく解説します。留学生の「週28時間ルール」をはじめ、違反時のリスクや企業側が注意すべきポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

外国人労働者の労働時間制限を理解する前提

外国人労働者の労働時間は、「労働基準法」と「入管ルール」の2つで管理されています。ここでは、労働基準法と在留資格ルールの関係、日本人と同じルールが適用される部分、外国人特有の制限が生じる理由について解説します。

労働基準法と在留資格ルールの関係

労働基準法は、国籍を問わず、日本国内で働くすべての労働者に適用されます。そのため、労働基準法で定められた労働時間のルールは、労働者全員が遵守しなければなりません。さらに、外国人労働者は、入管法に指定された在留資格の範囲内でしか働けないため、在留資格に応じた労働時間を遵守する必要があります。

日本人と同じルールが適用される部分

外国人労働者が日本で働く際には、労働基準法が適用されます。労働時間に関する主なルールは以下のとおりです。

・法定労働時間(1日8時間、1週40時間まで)

・休憩時間(6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上)

・休日(毎週少なくとも1日、または4週間を通じて4日以上の法定休日)

・時間外・深夜労働(22時〜翌5時の深夜労働や残業には割増賃金の支払いが必要)

これらのルールは、日本人・外国人を問わず、違反すると罰則の対象となります。

外国人特有の制限が生じる理由

労働基準法は、国籍を問わず、日本国内で働くすべての労働者に適用される一方で、日本で働く外国人労働者には、在留資格ごとのルールも適用されます。そのため、外国人労働者は、労働基準法の範囲内かつ在留資格に応じたルールを遵守することが求められます。

労働基準法で定められている労働時間の基本

外国人労働者にも共通して適用される労働基準法上のルールについて、「法定労働時間」「休憩時間・休日」「残業」のそれぞれについて解説します。

1日・1週あたりの法定労働時間

外国人労働者の法定労働時間は、労働基準法第32条に基づいて、日本人と同様に1日8時間・1週間40時間が上限です。

休憩時間と休日付与の考え方

労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を労働時間の途中に与える必要があります。パートやアルバイトであっても、労働時間が6時間を超える場合は休憩を与える義務があります。ただし、「途中付与の原則」に基づいて、休憩時間は勤務時間の途中に与える必要があり、始業前や終業直前に与えることは認められません。

また、「自由利用の原則」に基づいて、休憩中は従業員を業務から完全に解放し、食事や外出など、自由に時間を使わせるルールもあります。そのため、電話や来客対応の待機時間は休憩に含まれません。

休日については、会社は労働者に対して少なくとも毎週1日、または4週間を通じて4日以上の「法定休日」を与えなければならないルールになっています。

残業を行う場合の36協定の位置づけ

1日8時間・1週40時間を超えた労働は残業(時間外労働)と定義され、これを超える場合は原則として「36協定」の締結・届出が必要です。残業の上限は、原則月45時間・年360時間となっており、残業代は原則25%以上の割増賃金が必要です。

ただし、繁忙期など特別な事情がある場合は、特別条項に基づいて、年720時間以内(月100時間未満)の残業が認められます。

在留資格別に異なる労働時間制限の考え方

外国人労働者は、入管法のルールに基づいて、在留資格によって「労働時間に制限があるケース/ないケース」に分けられます。ここでは、在留資格ごとの労働時間制限について、それぞれ解説します。

就労ビザで働く外国人の労働時間の扱い

「技術・人文知識・国際業務」など、就労を目的とした在留資格をもつ外国人労働者は、日本人と同様に、労働基準法の労働時間が適用されます。1日8時間・1週間40時間が上限で、休憩や休日、残業についても日本人と同様のルールになります。

留学・家族滞在など時間制限がある在留資格

留学」「家族滞在」の在留資格をもつ外国人の場合は、入国管理局で資格外活動許可を取得することで、週28時間以内であれば働くことが可能になります。ただし、複数箇所で働く場合も、合計で週28時間以内となるようにしなければなりません。違反すると、不法就労の罪に問われる可能性があります。

就労自体が認められないケースとの違い

就労自体が認められない在留資格には、「留学」「家族滞在」「文化活動」「短期滞在」などがあります。ただし、留学」「家族滞在」の在留資格は、前述した通り、在留カードの裏面に「資格外活動許可」の記載があれば、原則として週28時間以内のアルバイトが可能です。

一方で、「短期滞在」の在留資格の場合は、観光や親族訪問など短期間の滞在目的のため、就労は一切認められません。「文化活動」の場合も、研究や芸術活動など収入を伴わない活動が目的であるため、就労は認められません。

留学生アルバイトの「週28時間ルール」の実務

留学生アルバイトに適用される週28時間のルールについて、起算方法やダブルワークの場合の計算の仕方、長期休暇中における労働時間の注意点や資格外活動許可の種類について説明します。

週28時間の起算方法と考え方

留学の在留資格をもつ外国人がアルバイトをする場合、労働時間は週28時間以内というルールを遵守する必要があります。この「週28時間以内」は、連続する7日間、どの時点から数えても合計28時間以内になるように計算します。

月曜から日曜の固定枠ではなく、「火曜日〜翌月曜日の7日間」「金曜日〜翌木曜日の7日間」など、どの7日間を切り取っても週28時間の制限を超えないようにしなければなりません。

ダブルワーク(掛け持ち)時の時間計算

複数のアルバイト先がある場合は、すべての職場での労働時間を合算して週28時間以内となるようにします。制限を超えないようにすべての職場での労働時間を管理する責任は、留学生本人と雇用主にあるため、労働時間の記録・確認を徹底することが重要です。

長期休暇中の労働時間に関する注意点

資格外活動許可を取得した留学生のアルバイトは、通常は週28時間以内ですが、夏休みなどの長期休業期間に限り、1日8時間・週40時間以内まで働くことが可能です。複数のアルバイト先がある場合は、合算して1日8時間・週40時間以内となるようにします。

学則で定められた夏休みや冬休み、春休みが対象で、個人の休みやゴールデンウィークなどの大型連休、試験休みは対象外です。雇用先へ学則の休暇期間を証明する書類の提出が必要で、あくまでも出席率や成績など「学業優先」が原則であるため、勉強に支障のない範囲での勤務となるように注意が必要です。

資格外活動許可の有無と種類

資格外活動許可は、主に「包括許可」と「個別許可」の2種類です。包括許可は、主に「留学」「家族滞在」の在留資格をもつ外国人が週28時間以内のアルバイトをする際に、勤務先が指定されないのが特徴です。

一方、個別許可は、勤務先や業務内容を個別に審査したうえで許可するもので、週28時間を超える場合や就労ビザ保持者の副業、有償インターンシップなど、包括許可の対象外となる活動が対象となります。

労働時間制限を超えた場合のリスクと罰則

労働時間制限を守らなかった場合は、企業と外国人労働者本人それぞれにリスクが生じます。ここでは、「企業が問われる不法就労助長のリスク」「外国人本人が受ける在留上の不利益」「労基法違反と入管法違反が重なるケース」について、それぞれ解説します。

企業が問われる不法就労助長のリスク

外国人労働者の労働時間が制限を超えてしまった場合、企業側は不法就労助長罪に問われ、「5年以下の拘禁刑(懲役・禁錮)もしくは500万円以下の罰金」が科される可能性があります。特に、留学生のアルバイトの掛け持ちは時間管理が厳格に求められるため、他社での就労状況も踏まえて管理することが必要です。

不法就労助長罪は、故意の場合だけでなく過失でも成立するため、企業の社会的信用の失墜などのリスクを防ぐためにも、社内管理体制の強化が求められます。

外国人本人が受ける在留上の不利益

労働時間の制限を超えてしまった場合、外国人労働者本人には、留学ビザの更新や就労ビザへの変更が認められなくなるなど、在留資格の取り消しや更新不許可となる可能性があります。さらに、強制送還(退去強制)や5年間の再入国禁止などの重いペナルティが科される可能性もあります。

労基法違反と入管法違反が重なるケース

労基法違反と入管法違反が重なるケースは、例えば技能実習生に対して、長時間労働や休憩の未取得などの労基法違反と、実習計画と異なる業務へ従事させるなどの入管法違反が重なるケースがあります。

また、資格外活動許可の制限である週28時間を超えて働かせたり、「観光」など就労不可の在留資格をもつ外国人を働かせたりする入管法違反と、最低賃金以下の支払いや残業代の未払いなどの労基法違反が重なるケースもあります。

労基法と入管法が同時に違反となった場合、より厳しい処罰や措置が講じられる恐れがあるため、リスクを避けるためにも社内管理体制の強化が必須です。

外国人労働者の労働時間を適切に管理するための対策

違反を防ぐために必要な企業側の確認事項や管理ポイントについて解説します。

採用時に確認すべき在留資格・許可内容

外国人を雇用する際には、就労が認められた在留資格を保有しているか、必ず在留資格の種類を確認しましょう。基本的には「留学」「家族滞在」「文化活動」「短期滞在」などの在留資格は就労不可ですが、「留学」「家族滞在」の場合は例外として資格外活動許可を取得していれば就労が可能です。

また、在留資格によって就労の許可範囲が異なるため、法務大臣が指定した職種・業種・業務内容を事前にしっかり確認しておくことも大切です。就労不可の在留資格の外国人を雇用したり、許可内容と異なる業務内容に従事させたりすると、企業側は不法就労助長罪に問われます。

シフト作成時に注意すべき管理ポイント

「留学」「家族滞在」の在留資格をもつ外国人のアルバイトの場合は、どの曜日から数えても7日間で28時間以内となるように、シフト作成時に十分に留意しましょう。意図せず労働時間の上限を超えてしまうケースも多いため、シフト作成時点での確認が非常に重要です。

ダブルワーク申告の重要性

複数の職場で働いている場合は、他社での勤務時間を合算して週28時間以内である必要があるため、面接時の確認はもちろん、定期的に確認することが重要です。労働時間を記録し、上限を超えそうになった場合はシフトを調整するなど、徹底した時間管理が求められます。

本人へのルール説明と理解確認

「労働時間は掛け持ち先を含めて週28時間以内であること」「在留カードの裏面に「資格外活動許可」のスタンプがあるか」「違反すると本人も企業も罰せられる」という点を、本人が理解できるように丁寧に説明しましょう。

「全部で週何時間まで働けますか?」「掛け持ちは誰に言わなければなりませんか?」など、本人に問いかけて理解できているかを確認することも大切です。また、チェックリストを活用してもよいでしょう。

まとめ

外国人を雇用する際には、労働基準法と入管法を正しく理解し、在留資格に応じた労働時間を守ることが大切です。故意ではなかったとしても、違反があると不法就労助長罪などに問われる可能性があるため、社内管理体制を強化し、違反のないように留意していきましょう。

株式会社ONODERA USER RUNは、日本語・特定技能教育から人材紹介、就業後の生活や定着支援までをワンストップで行い、安定して長く働ける人をご紹介しております。人手不足や外国人雇用についてのお悩みなどについても、ぜひお気軽にご相談ください。

特定技能とは?

2019年4月に創設された、人材の確保が困難な16の産業分野等における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れる在留資格のこと。
在留資格「特定技能」とは?種類や対象分野、技能実習との違いなどをわかりやすく解説

外国人労働者の採用をお考えの方に!

外国人労働者受け入れのメリット・デメリットについて詳しく解説しています。
外国人労働者受け入れの現状は?雇用のメリット・デメリットや問題点、流れなどを徹底解説

お問い合わせ

ご不明点やご質問などお気軽にご連絡ください。