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近年、少子高齢化、生産年齢人口の減少に伴い、中小企業を中心に人手不足の深刻化が大きな社会問題となっています。ポストコロナに向けて経済回復が進むなか、いまさまざまな業界で人材獲得が急務となっています。
本記事では、特に人手不足が深刻な業界に注目し、その現状と今後の対策について解説いたします。
(日本、世界の人口動向に関する記事はこちら)
人手不足による企業の現状
帝国データバンクが毎年行っている調査によると、従業員の離職や採用難等により倒産した「人手不足倒産」は、2023年上半期(1~6月)に110件をかぞえ、2013年の集計開始以来、半期ベースで初めて100件を超え、過去最多件数となりました。このように「人手不足倒産」は増加傾向にあり、現状のペースで推移した場合、通年でも過去最多を更新すると予測されています。
※帝国データバンク「全国企業倒産集計2023年上半期報」を基に作成
人手不足が深刻な業界
厚生労働省が行ったアンケート調査によると、労働者数が「不足(やや不足、大いに不足)」と回答した事業者の割合が多かったのは、「運送業、郵便業」「建設業」「医療、福祉」の3つで、人手不足感が特に高い業界であることが分かります。
※厚生労働省「産業別正社員等労働者過不足状況及び労働過不足判断D.I.」を基に作成
続いて、業界ごとの現状について見ていきましょう。
1.運輸業、郵便業
トラック運送者は1995年をピークに、右肩下がりに推移しており、業界全体としてもドライバーの減少及び高齢化が進んでいます。コロナ禍で「巣ごもり」需要が高まり、インターネット通販による配送が増加している一方で、長時間労働への懸念や給料水準の低さ、女性進出の遅れ等により、人手不足の課題に直面しています。
2.医療、福祉
医療、福祉分野のなかでも特に介護業界での人手不足は顕著です。
厚生労働省が公表している「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」のデータによると、今後の介護人材の需要と供給について、2025年には約22万人の不足、2040年には約65万人の不足が見込まれており、介護職員が10名必要な施設に、7~8名しか配置できないことが予測されています。
※厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」を基に作成
団塊世代(第一次ベビーブーム期の1947~1949年に生まれた世代)である約800万人が、75歳以上の後期高齢者となり、今後ますます介護施設、介護人材の需要が高まっていくなか、課題解決に向けた対策が急務となっています。
3.建設業
国土交通省によると、2020年における建設業の就業者数は492万人で、1997年のピーク時から約28%減少しています。就業者の年齢をみると、55歳以上が約34%、29歳以下が約11%となっており、10年後の高齢就業者の引退を見据えた、中長期的な視点からの若年就業者の確保・育成が喫緊の課題といえます。
しかしながら、実際に建設業における所定内・外労働時間の実態をみると、建設業は他業種と比べて所定内労働時間が多く、週休2日の取得が難しい傾向にあります。昨今は職業選びの一つのポイントとして「休日の多さ・取りやすさ」を重視する人も増えているなか、本業界の現状は、若年世代の入職を踏みとどまらせている一因として考えられます。
上記3つの他、経済活動が回復するポストコロナにおいて、いま人手不足の深刻化が懸念されているのが、ホテル・旅館等の「宿泊業」です。
4.宿泊業
コロナ禍で多くの事業継続の断念や規模縮小、それに伴う人員削減を余儀なくされ、多くの人材が他業界へと移っていったなか、全国旅行支援や水際対策緩和後の海外観光客の急増を受け、人材の補充が追い付かない事態に陥っています。
帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2023年4月)」によると、本業界は企業のおよそ8割近くが「人手不足」と回答しており、経済回復に向けた高稼働の現状を乗り切るべく、各企業が頭を悩ませている状況です。
このような人手不足、及びそこから派生するさまざまな企業課題の解消に向け、働き方改革や労働条件の改善、業務効率化のためのDX推進、外部委託によりアウトソーシング活用等、対策を講じる必要が出てきており、いち早く社会の動向を察知し、対応していくことが重要となってまいります。
OURの取り組み
このような危機が目前に迫っている中、「人材不足の深刻化」にいち早く着目した私たちOURは、特定技能制度のリーディングカンパニーとして、若く、志の高い、優秀な外国人材と国内企業の架け橋となることで、日本の社会問題解決へ取り組んでおります。
2023年7月現在、アジア7か国に日本語及び特定技能に係る無償教育拠点(OURアカデミー)を有し、各分野の専門教育を独自のカリキュラムで行っております。現在、介護分野をはじめ、外食、宿泊、飲食料品製造、航空、農業など、幅広い分野の人財をご紹介しております。また、入国後も、登録支援機関として定着支援まで「一気通貫」のサービスを実施しております。
事業経営者様に於かれましては、中長期的な視点から安定経営のための人材施策についてご検討されてみては、いかがでしょうか。
※お問い合わせはこちら
<参考>(外部リンク)
・帝国データバンク
「全国企業倒産集計2023年上半期報」
https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/pdf/23kamig.pdf
「人手不足に対する企業の動向調査(2023年4月)」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230502.html
・厚生労働省
「産業別正社員等労働者過不足状況及び労働過不足判断D.I.」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2305/dl/4kekkagaiyo.pdf
「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000207323_00005.html
・国土交通省
「建設業及び建設工事従事者の現状」