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近年、企業のグローバル化が加速するなかで、効果的な人材戦略について知りたい方も多いのではないでしょうか。人材戦略の具体例として、グローバル人材の育成や外国人材の雇用促進などが挙げられます。
今回は、企業のグローバル化の概要やメリット、人材戦略について詳しく解説します。併せて、外国人労働者を雇用する際のポイントも紹介するので、ぜひご覧ください。
目次
今必要とされる“企業のグローバル化”とは?
そもそもグローバル化は、資本や労働力の移動の活発化に加え、商品・サービスの取り引きや、海外投資への増大などによって経済の世界的な結びつきが強まることを意味します。
企業のグローバル化とは、国内だけでなく海外に拠点を置いたり、世界で活躍できる人材を活用したりして、国際的な競争力を高める取り組みを指します。昨今は、海外の文化や商品が身近になっていることもあり、国・地域に限定されることなく、企業がグローバル化を推進する重要性が増している状況です。
なかでも、自社の課題やビジョンに合った人材戦略を構築・実行することは、競合他社と差別化を図るためにも重要な取り組みといえるでしょう。
企業がグローバル化に取り組むメリット
次に、企業がグローバル化に取り組むメリットを3つ紹介します。
ビジネスターゲットが増える
企業がグローバル化に取り組むことで、ビジネスターゲットの母数が大きく増えるというメリットがあります。例えば、市場が成熟していない国・地域に進出した場合、自社の商品・サービスの売上拡大を目指しやすくなります。
また、海外市場に精通したグローバルな人材を活用すれば、現地のニーズや商習慣を踏まえて、より効果的な事業戦略を策定できるでしょう。
国際市場での競争力を高められる
海外市場への参入、あるいは海外拠点の設置などによって、国際市場での競争力を高められることもメリットです。率先して海外展開を行うことで、国際的な競争力を鍛えるとともに、ビジネス上のリスク分散も可能となります。
なお、グローバル人材がいれば、組織にダイバーシティ(多様性)の価値観を浸透させることにも繋がるでしょう。商品・サービスに関する革新的なアイデアが生まれたり、効率的な業務プロセスを構築したりできます。
コスト削減を図れる
例えば製造業の場合、国・地域によっては、海外拠点を設けて現地で生産を行うことで、コスト削減を図れることもあります。
また、税制上の優遇措置や規制緩和などが適用される「経済特区」に進出すれば、税負担を軽減できる可能性もあります。
企業のグローバル化に向けた人材戦略
企業のグローバル化には、競争優位性を確保できるような人材戦略が重要です。以下では、グローバル化に向けた人材戦略を2つ紹介します。
1.グローバル人材を育成する
多くの企業が国際的な競争を強いられているなかで、文化や価値観の違いを乗り越えて、柔軟なコミュニケーションを行える「グローバル人材」が必要となっています。グローバル化に向けた1つ目の人材戦略としては、既存従業員をグローバル人材に育成することが挙げられます。
以下では、グローバル人材の定義や育成方法を見ていきましょう。
・グローバル人材の定義
文部科学省の資料によると、以下のような要素を備えた人材がグローバル人材と定義されています。
要素Ⅰ |
語学力・コミュニケーション能力 |
要素Ⅱ |
主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感 |
要素Ⅲ |
異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー |
上記のほか、グローバル人材には課題発見や問題解決能力に加え、確かな専門性と教養、リーダーシップなども求められます。企業がグローバル化を成功させるには、これらの要素を備えた人材を計画的に育成していくことが重要です。
・グローバル人材の育成方法
グローバル人材の育成は、以下5つの手順に沿って行います。
- 1.候補者のリストアップ・選定を行う
- 2.グローバル人材に必要なスキルを洗い出す
- 3.人材育成プログラムを作成する
- 4.人材育成プログラムを実施する
- 5.フィードバック・配属を行う
まずは、人事考課や人事面談などの結果をもとに、グローバル人材の候補者のリストアップ・選定を行います。選定と並行して、候補者の普段の勤務状況や、周囲からの評判といった情報も収集しておきましょう。
次に、候補者の将来的なキャリアやポジションを見据えて、グローバル人材として必要なスキルを洗い出していきます。各候補者が必要なスキルを体系的に把握することで、育成の優先順位が付けやすくなります。
その後、人材育成プログラムを作成したうえで、時系列に沿って実施していきましょう。例えば、習熟難易度の高いリーダーシップなどに関するスキルは、研修とOJTの組み合わせで長期的な育成を図れます。一方、コミュニケーション能力や語学力などは、外部研修の実施による短期間習得を目指せるでしょう。
育成プログラムの実施後、グローバル人材としての配置を行います。もしも候補者のスキル習得などが当初の計画と外れているような場合は、育成プログラムを見直すといった柔軟な対応が求められます。
なお、グローバル人材の育成の取り組みと併せて、コミュニケーション手段の改善やシステム統合などを実施し、環境整備を行うことも不可欠です。
2.外国人材の雇用を促進する
グローバル化に向けた2つ目の人材戦略は、外国人材の雇用促進です。厚生労働省の資料によると、2024年10月末時点の外国人労働者数は、230万2,587人と過去最多に上ります。
外国人材を採用することで、企業のグローバル化に重要なダイバーシティ経営の実現にも繋がるでしょう。ダイバーシティ経営とは、性別や年齢、国籍・人種などが異なる多様な人材が能力を発揮できる機会を提供して、イノベーションを生み出し、価値創造を図る経営のことです。異なる文化・価値観を持つ外国人材がチームに加わることで、組織の柔軟性や対応力の向上が期待できます。
また、外国人材の知見やスキルを活かせば、海外のクライアントと円滑にコミュニケーションしやすくなるほか、海外市場への展開をスムーズに行えるというメリットも見込まれます。
参考:厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
外国人雇用の現状を知りたい方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。
外国人雇用の現状とは?増加している背景や今後の動向、注意点を解説
グローバル競争を勝ち抜くために!外国人労働者を雇用する際のポイント
前述のとおり、外国人労働者の雇用は、企業がグローバル競争を勝ち抜くためにも重要な人材戦略となります。ここでは、外国人労働者を雇用する際のポイントについて紹介します。
異文化コミュニケーションが可能な組織文化を作る
外国人労働者が能力を最大限に発揮し、スムーズに働けるようにするためには、異文化コミュニケーションを行える組織文化の構築が欠かせません。
適切な異文化コミュニケーションを行うポイントとして、既存社員が言語や価値観、慣習などが異なる文化について学び、理解する姿勢を持つ必要があります。また、ジェスチャーや表情などの非言語コミュニケーションにも十分に注意を払い、相手に誤解を与えないようにすることが重要です。
異文化コミュニケーションで大切なことや交流のコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
外国人材との異文化コミュニケーションで大切なことは?重要な理由や交流のコツも解説
即戦力となる外国人材を雇用する
一口に外国人労働者といっても、就労できる職種や能力は、在留資格の種類によって違いが見られます。企業がグローバル化を推進するには、即戦力となるような外国人材を雇用すべきです。
例えば、在留資格「特定技能」を取得した外国人材は、一定の専門性・技能を有しており、「介護」「外食業」「宿泊」など16の特定産業分野で即戦力の働きが見込まれます。また、在留資格「高度専門職」は、高度人材ポイント制で一定点数以上に達した人材のみが取得できます。
外国人材を雇用する際は、これらの在留資格の特徴を把握したうえで、自社のニーズに適した人材を迎え入れましょう。在留資格「特定技能」や高度人材ポイント制の詳細については、ぜひ以下の記事をご覧ください。
在留資格「特定技能」とは?種類や対象分野、技能実習との違いなどをわかりやすく解説
高度人材ポイント制とは?ポイント計算表や雇用するメリット、申請の流れも紹介
キャリア開発支援を行う
前述の在留資格「特定技能」の外国人材は、1号が上限5年、2号が更新上限なしで働けます。このように、中長期的な就労が見込まれる外国人材が安定的に働けるように、受入れ企業はキャリア開発支援を行うことが大切です。
キャリア開発支援の例として、公平に昇進やスキルアップの機会を提供したり、資格取得や外部研修を奨励したりすることが挙げられます。これらの支援を実施することで、従業員が長く働くイメージを持ちやすくなり、結果的に定着率アップにも繋がります。
グローバルリーダーを育成する
外国人材を受け入れる際は、多様な価値観を持つメンバーを統率できる「グローバルリーダー」を育成する必要があります。グローバルリーダーは、明確なビジョンをチームで共有してメンバーの能力を引き出し、組織全体の成果を最大化する役割を担います。
グローバルリーダーを育成する代表的な研修は、以下のとおりです。
- ・英語ビジネススキル研修
- ・英語マネジメント・リーダーシップ研修
- ・異文化理解・異文化マネジメント研修
特定技能外国人の紹介・定着支援は「オノデラユーザーラン」へご相談ください
先述のとおり、企業のグローバル化に向けて、外国人労働者の雇用は重要な人材戦略といえます。なかでも、在留資格「特定技能」を取得した特定技能外国人は、即戦力としての働きが期待できるだけでなく、中長期的な就労も可能です。
特定技能外国人の人材紹介については、ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)へぜひご相談ください。事前にご要望をヒアリングしたうえで、OUR BLOOMING ACADEMY(自社無償教育拠点)で専門教育・育成を行った、特定技能外国人の紹介が可能です。
さらに、登録支援機関として、法務省規程の義務的支援10項目のサポートのほか、オリジナルの定着支援サービスも提供しています。そのため、初めて外国人材を雇用する場合も、受け入れ環境をスムーズに構築できるでしょう。
まとめ
企業のグローバル化に向けた人材戦略として、既存従業員をグローバル人材に育成するほか、外国人材の雇用促進も効果的です。特に、16の特定産業分野で活躍する特定技能外国人は即戦力の働きが期待できるため、グローバル化の推進にも繋がるでしょう。
ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、自社アカデミーで専門教育・育成を行った特定技能外国人のご紹介や、登録支援機関としてのサポートサービスを実施しています。人材紹介から定着支援まで一気通貫で対応可能なので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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2019年4月に創設された、人材の確保が困難な16の産業分野等における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れる在留資格のこと。
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