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外国人雇用管理主任者はどんな資格? 資格のメリットや取得難易度について

2026.04.08

外国人労働者の増加に伴い、「外国人雇用管理主任者」という資格への注目も高まっています。この記事では、外国人雇用管理主任者資格の目的や求められる理由について解説します。試験の概要や取得のメリットなども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

外国人雇用管理主任者とは

まずは、外国人雇用管理主任者の資格の概要や、資格取得者がどのような役割を果たすかについて解説します。

外国人雇用管理主任者の概要

外国人雇用管理主任者とは、外国人雇用についての専門知識を身につけ、外国人雇用に関するトータル的なサポートをする人材の育成を目的とした民間資格です。少子高齢化による生産年齢人口の減少に伴い、人手不足が深刻化している日本では、外国人労働者の活躍の場が広がっている現状があります。

外国人労働者の受け入れは中長期的に拡大していく見込みであることから、外国人労働者の雇用や労務、在留管理などを適切に行う専門的な知識をもった人材の必要性も高まっています。企業内専門家や外部支援人材として、外国人雇用管理主任者の資格保有者の活躍の場は今後も広がっていくでしょう。

どのような役割を果たす資格か

外国人雇用管理主任者は、企業が外国人雇用を安全かつ円滑に推進するために、そして外国人労働者が日本で安心して働けるように、法律に基づいた適正な雇用管理やリスク管理などを行う役割を果たします。

具体的には、入国管理法や労働基準法などの法令遵守の徹底や、雇用トラブルの未然防止、助成金制度の活用提案、企業と外国人労働者の橋渡し役など、さまざまな役割を担います。

外国人雇用管理主任者が求められる理由

外国人雇用管理主任者の資格保有者の需要は、今後も増加していく傾向が続くと見込まれています。外国人雇用管理主任者が求められる理由について、「外国人労働者数の増加」「制度・法律の複雑化」「企業側のリスク管理の重要性」の3つの観点から解説します。

外国人労働者数の増加

厚生労働省の調査によると、2024年10月末時点での外国人労働者数は2,302,587人でした。前年から253,912人増加しており、届出が義務化された2007年以降、過去最多を更新しています。また、外国人を雇用する事業所数は342,087所で、前年から23,312所増加しており、届出義務化以降、過去最多を更新しました。

日本では人手不足の問題が深刻化していることから、「特定技能制度」を利用して外国人労働者を受け入れる企業が増加しています。また、開発途上国などの外国人が日本の企業で就労を通じて技術や知識を習得し、母国の経済発展に貢献する「技能実習制度」を利用した外国人労働者も数多く在留しています。

増え続ける外国人労働者を適切に雇用するために、正しい知識をもった外国人雇用管理主任者の活躍の場は更に広がっていく可能性があります。

出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」

制度・法律の複雑化

外国人労働者を雇用する際には、国籍に関係なく日本の労働関係法令が適用されるほか、入国管理法を遵守する必要があります。また、「特定技能制度」「技能実習制度」など、外国人労働者を受け入れる際に活用する制度によってもルールが異なるため、制度の内容を正しく理解したうえで受け入れなければなりません。

認められた範囲外の労働をさせたり、書類の不備や届出漏れがあったりすると、不法就労助長罪に問われる恐れがあります。制度や法令が複雑化するなかで、適切に外国人労働者を受け入れ、さまざまな法的リスクを回避するためにも、外国人雇用管理主任者の存在は必要であるといえるでしょう。

企業側のリスク管理の重要性

外国人労働者の雇用では、在留期限が切れていたことに気づかずに雇用したり、更新の手続きを忘れたりした場合でも、企業側は不法就労助長罪に問われる恐れがあります。また、長時間労働や賃金未払い、最低賃金割れなどの労働法違反があると、行政処分や刑事罰の対象となります。「知らなかった」では済まされないため、適切なリスク管理を徹底しなければなりません。

また、職場環境への不適応やコミュニケーション不全などが原因でせっかく採用した人材が早期に退職してしまうなど、マネジメント上のリスク管理も必要です。外国人雇用管理主任者は、労務トラブルを未然に防ぎ、外国人労働者の定着を支える専門家でもあるため、安定した雇用環境を構築するためにも不可欠な存在といえます。

外国人雇用管理主任者と外国人雇用管理士との違い

外国人雇用管理主任者と同様に、外国人雇用に関する知識を認定する民間資格に「外国人雇用管理士」があります。ここでは、外国人雇用管理士の資格の概要や、外国人雇用管理主任者との違いについて解説します。

外国人雇用管理士とは

外国人雇用管理士とは、企業が外国人労働者を雇用する際に必要な法制度などを正しく理解し、適切に活用するための知識を有する人に与えられる資格です。新在留資格制度を適切に活用するために必要な知識やノウハウを習得し、合法かつ効果的に外国人材を活用できるようにすることを目的としています。

資格の違い

外国人雇用管理主任者との大きな違いは、試験の実施団体や試験方式です。実施団体は、外国人雇用管理主任者は「外国人雇用支援センター」、外国人雇用管理士は「一般社団法人 東京都外国人就労認定機構」です。

外国人雇用管理主任者の試験は随時受験可能で、CBT方式で実施されます。現場で管理・運用する担当者向けの内容で、法律知識から実務までの総合知識が問われるのが特徴です。一方で、外国人雇用管理士は年1回の実施で、マークシート方式の試験です。人事・総務担当者向けの内容で、基礎的な知識が問われます。

外国人雇用管理主任者試験の概要

外国人雇用管理主任者の試験方式や受験資格、試験日程、難易度や合格率について解説します。

試験方式

外国人雇用管理主任者の試験は、CBT方式で実施されます。CBTテストセンターの受験会場のなかから自身が希望する会場を選択し、会場に設置してあるパソコンで受験します。四肢択一方式で50問出題され、試験時間は60分間です。

また、専用サイト内の通信講座で講義動画を視聴し修了認定テストを受ける形で資格取得を目指す「認定講習会制度」もあります。

受験資格・試験日程

学歴や年齢、実務経験などの制限は一切なく、誰でも受験が可能です。試験は随時受験可能で、各会場のスケジュールはCBTテストセンターの受験予約サイトで確認できます。インターネット受付のみで、申込日より3日目以降から予約ができます。

難易度や合格率

外国人雇用管理主任者試験は、試験終了後すぐに合否判定が行われます。70%以上の正解で合格となるため、合格には50問中35問以上の正解が必要です。合格率は公表されていませんが、難易度は高すぎず、しっかりとテキストや過去問題で学習すれば合格を目指せるレベルであるといわれています。

外国人雇用管理主任者試験の出題範囲

外国人雇用管理主任者試験の出題範囲を解説します。

在留資格・入管制度の基礎知識

外国人雇用の基礎知識として、外国人労働者とは何か、どのような社会的背景があるのかなどについて出題されます。また、在留資格の基礎知識や入管法、受入企業と登録支援機関のそれぞれの役割などの知識も問われます。

さらに、外国人労働者の採用計画(費用・研修・社内理解)や、外国人雇用に対する助成金活用に関する内容も出題範囲内です。

労働基準法などの労務関連知識

労働基準法や労働保険、社会保険など、労務管理のルールについての知識も問われます。賃金や労働時間などの基礎知識や、雇用契約書・就業規則の作成、外国人に対する労働条件の通知などが出題範囲となっています。

実務に即したケーススタディ問題

外国人雇用管理主任者試験では、入管法・労働基準法・安全衛生法に基づいて、実務における違法雇用の回避や適正な労務管理能力が問われます。在留資格の範囲外就労やハローワークへの届け出、雇用トラブルの回避など、過去問題を参考に現場で発生しやすい事例への適切な対応について学習しておきましょう。

異文化理解・コミュニケーションの考え方

異なる文化的背景をもつ人材との信頼関係の築き方や、円滑に業務を進めるための視点、職場トラブルの未然防止などについて、適切な考え方が問われます。

外国人雇用管理主任者試験の勉強方法

外国人雇用管理主任者試験に向けて勉強する際のポイントを解説します。

独学で取り組む場合のポイント

独学で取り組む場合は、外国人雇用支援センターの公式サイト内で無料公開されている学習用レジュメや学習用動画を活用するとよいでしょう。また、公式サイト内の資料請求ページから試験問題サンプルなどの資料を請求すると、PDF資料が送付されるため、学習に役立てられます。

講座や認定講習を活用するメリット

一般受験ではなく、認定講習を活用して資格を取得するのも方法のひとつです。認定講習はWeb受講となるため、自宅など都合のよい場所で受講できるのが大きなメリットといえます。

具体的には、専用サイト内で講義動画を視聴し、修了認定テストに合格すると修了認定を受けられる、という流れになっています。修了認定テストは180日間の受講期間内であれば何度でも受験できるため、自分のペースで学習を進めたい人には特に向いているといえるでしょう。

忙しい社会人向けの学習の進め方

社会人で忙しい場合は、講座の利用がおすすめです。認定講習の場合は、外国人を雇用する際に知っておくべき基礎知識を体系的に学べるため、無理なく自分のペースで学習を進めながらも必要な知識を身につけられます。

講座を利用しない場合は、過去問題や試験問題サンプルを活用して出題傾向をつかみ、学習用レジュメや学習動画、参考書などで理解を深めていくとよいでしょう。

資格を取得することで得られるメリット

外国人雇用管理主任者の資格を取得すると、「外国人雇用をスムーズに進めやすくなる」「トラブルや法令違反を防ぎやすくなる」「社内外からの信頼性が向上する」「キャリアや業務領域が広がる」などのメリットがあります。それぞれのメリットについて解説します。

外国人雇用をスムーズに進めやすくなる点

入管法や雇用関連法規などの知識を身につけることで、外国人を雇用する際に正しい手続きをスムーズに進められるようになります。また、採用基準や契約書の作成、就業規則の整備など、外国人労働者の受け入れ体制を迅速に構築できるようになるのもメリットのひとつです。

外国人材の特性や文化の違いを理解することにも繋がるため、職場への定着支援も適切に行えるようになります。

トラブルや法令違反を防ぎやすくなる点

法令関係や各種制度についての正しい知識を身につけることで、不法就労助長罪などのリスクを未然に防ぐことに繋がります。在留資格ごとのルールを正しく理解し、有効期限の管理や更新手続きを適切に行うなど、法令を遵守した雇用を徹底できるようになるでしょう。

また、雇用契約書を母国語に翻訳して内容を理解したうえで署名をもらったり、就業規則をやさしい日本語や母国語で作成したりすることで、雇用トラブルを防ぐことにも繋がります。

社内外からの信頼性向上

外国人雇用管理主任者の資格保有者は、外国人雇用に関する知識が豊富であることが証明されているため、社内外からの信頼性向上が期待できます。社内においては、外国人雇用の専門家としての信頼を得られ、コンプライアンスの強化やグローバル化の推進役などを任されるような存在として活躍できるようになるでしょう。

また、外国人雇用管理主任者の資格保有者のいる企業は、行政や取引先からの信頼も得やすくなります。「外国人が安心して働ける企業」というブランドが確立されれば、より質の高い外国人材の採用が実現するでしょう。

キャリアや業務領域の広がり

外国人雇用管理主任者の資格を取得すると、即戦力としてアピールできるため、転職活動の際にも有利に働くことが期待できます。

また、社労士や行政書士などが資格を取得すれば、外国人雇用の専門家としてのブランディングが可能となり、他との差別化を図るためにも有効です。各種手続きや多言語対応書類の作成など、外国人雇用特有の業務にも対応可能であることをアピールできれば、顧客獲得にも繋げられます。

外国人雇用管理主任者資格を活かせる場面

外国人雇用管理主任者資格は、たとえば人事・労務担当者や人材紹介会社・登録支援機関の担当者、外国人雇用をこれから検討する企業担当者などで活かすことが可能です。資格を活かせる具体的なシーンについても解説します。

人事・労務担当者

外国人労働者を雇用する企業の人事・労務担当者が資格を取得することで、法令を遵守した適正な外国人採用や労務管理がスムーズにできるようになります。たとえば、求職者の応募書類を確認しただけで適切な在留資格が判断できたり、外国人雇用に関する諸手続きを漏れなく円滑に行えたりするなど、さまざまなトラブルのリスクを抑えることにもつながります。

人材紹介会社・登録支援機関の担当者

人材紹介会社の担当者が資格を取得することで、登録した外国人材の在留資格から適切な職種をすぐに判断できるようになります。また、外国人材を紹介する際は、派遣先の企業に雇用ノウハウを説明できるようになります。

登録支援機関の担当者の場合は、在留資格の判断はもちろん、外国人材のキャリアの連続性が見えるようになり、その時点に応じた適切なサポートをすることが可能です。

外国人雇用をこれから検討する企業担当者

外国人雇用をこれから検討する企業では、資格保有者がいることで、外国人雇用のメリットやデメリットを理解したうえで適切に判断ができるようになります。また、必要な準備や雇用の流れがわかるようになるため、スムーズに外国人雇用を始められるでしょう。

資格を活かせる具体的なシーン

採用選考時には、応募者の在留資格が自社の職務内容と適合しているかを適切に判断でき、不法就労を防げます。面接対応時にも、労働基準法や入管法に準拠した適切な労働条件の提示ができるようになるでしょう。また、外国人雇用に関連する助成金の知識を活かし、申請手続きのサポートを行うことも可能です。

まとめ

外国人雇用管理主任者の資格は、外国人材を雇用する企業はもちろん、人材紹介会社や登録支援機関、社労士、行政書士など幅広く役立てられる資格です。外国人労働者を雇用する際に必要な知識を正しく身につけることで、さまざまなリスクから企業と外国人労働者を守ることに繋がります。

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2019年4月に創設された、人材の確保が困難な16の産業分野等における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れる在留資格のこと。
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