その他
外国人労働者を雇用する企業は、日本で働く外国人に対してマイナンバーはどのように適用されるのかを正しく理解することが求められます。外国人労働者のマイナンバーの取り扱いには十分な注意が必要で、日本人の雇用者と同様に慎重に扱わなければなりません。
この記事では、外国人雇用において混乱が生じやすいマイナンバー制度について、制度の概要や企業側の注意点、外国人がマイナンバーを取得する流れやメリットなど、雇用前に知っておくべき内容をわかりやすく解説します。外国人雇用を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。

目次
マイナンバー制度とは
まずはマイナンバー制度の概要について、目的と役割、仕組みの観点から解説します。
マイナンバー制度の目的と役割
マイナンバー制度とは、日本に住民票をもつすべての人に12桁の固有番号を付与し、「社会保障」「税」「災害対策」の分野において情報を効率的に管理・連携するための仕組みです。行政手続きの簡素化や公平・公正な社会の実現、国民の利便性向上を目的に導入され、2016年より運用が開始されました。
複数の機関で分散管理されていた個人情報を同一人物の情報として確認しやすくなるため、照合や転記の負担の削減、手続きの重複・無駄を省くことにつながります。また、行政手続きなどの際にこれまで必要だった住民票の写しや所得証明書などの添付書類の提出が省略可能になり、利便性の向上にもつながっています。
さらに、所得状況や行政サービスの受給状況が把握しやすくなり、不正受給や税負担の不当な免れを防止することにもつながるため、本当に支援が必要な人に、迅速できめ細やかなサービスを提供することが可能です。
国籍ではなく住民登録で管理される仕組み
マイナンバーは、国籍に関係なく、日本国内に住民票があるすべての人に付番されます。市町村に住民票が作成された時点で自動的に12桁のマイナンバーが指定され、個人番号通知書が届く仕組みになっています。日本国内に住み続ける限り、一度指定された番号は原則として生涯変わりません。
マイナンバーは日本国内に住民票のある人全員に付番されるため、外国籍の人に対しても付番されます。具体的には、3か月を超えて滞在する技能実習生や技術・人文知識・国際業務などの中長期在留者や、特別永住者などが対象となります。ただし、観光目的などの短期滞在は対象外です。
外国人にマイナンバーが付番される条件
外国人にマイナンバーが付番される条件について、住民票・在留資格・在留期間の観点から解説します。また、付番されないケースについても解説します。
住民票を持つ外国人が対象となる理由
マイナンバー制度は、日本国内に住所をもつ全員に対して行政手続きにおける利便性や効率性を向上させることが目的のひとつであるため、国籍に関係なく住民票のある人全員に付番されます。外国人であっても住民票があれば住民基本台帳法上の「住民」であるため、日本人と同様の扱いとなります。
外国人労働者がマイナンバーを取得することで、雇用主は行政手続きを円滑に行えるようになり、行政側は税金や保険料の納付実態を正確に把握して不正給付や脱税を防げるようになるのが大きなメリットです。また、マイナンバーカードを取得することで、外国人も日本人と同じような行政サービスを受けられるようになるのもメリットのひとつです。
在留資格・在留期間との関係
日本に3か月を超えて滞在する中長期在留者や特別永住者は、日本人と同様にマイナンバーが付番されます。在留資格の変更や更新時には、市区町村で住民票の情報を変更・延長する手続きが必要です。
外国人のマイナンバーカードの有効期限は、原則として在留期間の満了日と同じです。在留期間を更新した場合、マイナンバーカードの有効期限は自動では更新されないため、新しい在留カードを持参して市区町村窓口で有効期間の変更手続きを行う必要があります。
マイナンバーが付番されない外国人のケース
日本国内に住民票がない場合は、マイナンバーは付番されません。具体的には、3か月以下の短期滞在者や観光目的の入国者、在留期間満了により住民票が削除された人については、マイナンバーの付番はありません。
マイナンバーと雇用可否が一致しない理由

マイナンバーと雇用の関係について、マイナンバー制度と就労制度の違いを交えて解説します。また、マイナンバーがあっても雇用できないケースや、雇用判断で優先すべき確認ポイントについても解説します。
マイナンバー制度と就労制度の違い
マイナンバー制度は、日本国内に住民票があるすべての人に対して12桁の個人番号が付与される制度です。マイナンバーは、国籍や就労の有無にかかわらず、住民票をもつすべての人に付番されます。
対して、就労制度とは、外国人が日本で働くための在留資格やルールを定めた仕組みです。マイナンバー制度とはまったく別の制度で、就労の可否はマイナンバーの有無とは別に、法務省からの許可が必要です。
マイナンバーがあっても雇用できないケース
マイナンバーが付番されている外国人でも、無条件に雇用できるわけではありません。たとえば、「家族滞在」や「留学」の在留資格は、原則的に日本での就労は認められていません。資格外活動許可があれば週28時間以内のアルバイトは可能ですが、正社員として雇用することはできません。
また、マイナンバーがあっても、在留期限が切れている場合や更新されていない場合は雇用できません。技能実習や特定技能などの在留資格の場合は、在留資格で許可された内容以外の仕事に従事させることも禁止されています。
雇用判断で優先すべき確認ポイント
マイナンバーの提出は「雇用後」の手続きとなります。
日本で働くための在留資格がある外国人は3か月以上の滞在許可を得ているため、必然的にマイナンバーを保有していることになります。
マイナンバーの提出を拒否しても罰則はありませんが、提出は法令上義務付けられています。万が一、提出を拒否された場合は、法令で義務付けられていることを周知の上、改めてマイナンバーの提供を督促し、記録を残しておく必要があります。
また、マイナンバーの提出を理由に、従業員の解雇を行うことは、不当な取り扱いとみなされることがあります。
外国人雇用時に企業が確認すべき情報

外国人雇用において、在留カードで確認すべき項目とマイナンバー確認の位置づけ、在留カードとマイナンバーの整合性確認について解説します。
在留カードで確認すべき項目
不法就労のリスクを回避するためにも、外国人を雇用する際には在留カードの記載内容をひとつひとつ丁寧に確認する必要があります。まずは表面について、氏名・顔写真は本人であるか、写真は最新のものかを確認します。
さらに、就労制限の有無や、従事する業務は在留資格で許可された範囲内か、在留期間は有効期限内かについても確認しましょう。許可された範囲を超えた業務は不法就労、在留期限切れは不法滞在(オーバーステイ)となる恐れがあるため、丁寧に確認する必要があります。また、在留カード自体の有効期限である有効期間の満了日も確認しましょう。
裏面については、住居地変更届出がなされているか、「留学」や「家族滞在」の人がアルバイトをする場合は「許可(原則週28時間以内)」の記載があるかを確認します。
マイナンバー確認の位置づけ
外国人雇用では、マイナンバー確認は日本人の場合と同様に、税・社会保障手続きに必須となります。企業側が外国人労働者のマイナンバーを適切に管理しない場合、行政指導の対象になる可能性があり、社会保険・税のトラブルにつながる恐れもあります。
在留カードとマイナンバーの整合性確認
在留カードとマイナンバーの整合性確認は、不法就労を防ぎ、適切な行政手続きを行うために必要です。氏名・生年月日・性別・国籍・地域が一致しているかを確認し、さらに住所が変わった場合は、在留カードの裏面に記載されている新住所とマイナンバーカードの住所が一致しているか確認します。
外国人がマイナンバー・マイナンバーカードを取得する流れ
外国人がマイナンバーとマイナンバーカードを取得する流れを解説します。
マイナンバーが付番・通知されるタイミング
外国人が日本に入国し、中長期在留者として市区町村役場で住民登録を完了した時点で自動的にマイナンバーが付番されます。住民登録後、約2〜3週間で住民票の住所に個人番号通知書が郵送され、番号が確定します。
マイナンバーカード申請方法の種類
マイナンバーカード申請は、外国人も日本人と同様に「オンライン」「郵送」「街中の証明写真機」のいずれかの方法で可能です。マイナンバーカードの申請後、審査を経て1か月程度でカードが発行されます。
マイナンバーカード未取得時の考え方
マイナンバーカードの作成は外国人の場合でも任意なので、義務はありません。しかし、マイナンバーカードがない場合は、さまざまな手続きの際に住民票の写しなど複数の書類を提示する必要があり、本人確認の手間がかかります。
また、企業が外国人を雇用する際にはマイナンバーの提示を求めることが義務化されているため、マイナンバーカードがない場合は「マイナンバーが記載された住民票の写し」または「住民票記載事項証明書」を提出してもらうことになります。
マイナンバー取り扱いに関する注意点
マイナンバーの取り扱いに関する基本的なルールや、外国人雇用において注意すべきポイントについて解説します。
マイナンバー取り扱いに関する法的ルール
外国人を雇用する際、雇用主はマイナンバーの提示を受け、番号を確認する義務があります。さらに、取得したマイナンバーは、特定個人情報として漏えいや目的外利用がないよう厳重に管理・保管する義務もあります。
外国人特有の注意点
外国人のマイナンバーカードは原則として在留期限まで有効で、在留期間の更新に合わせてマイナンバーカードの有効期限延長手続きが必要になります。日本から出国して転出する際は、マイナンバーカードを市区町村へ返納しなければなりません。
企業側が注意すべき管理リスク
在留期間が「3か月」の興行ビザや、短期滞在から特定活動へ切り替え中の方などは住民票がないためマイナンバーが存在しませんが、在留カードで就労が許可されていれば、雇用は可能です。
それ以外の場合では、基本的にマイナンバーのない外国人は雇用できないため、必ず住民票の写しやマイナンバーカードなどでマイナンバーを確認する必要があります。外国人を雇用する際は、マイナンバーと在留資格のダブルチェックが欠かせません。
在留カードの確認を怠ったり、マイナンバーの偽造を故意に見逃したりして雇用した場合、不法就労助長罪に問われるリスクがあります。
マイナンバー制度が外国人雇用に与えるメリット
外国人雇用において、マイナンバー制度が「行政」「企業」「外国人本人」それぞれに与えるメリットを解説します。
行政側から見たメリット
外国人労働者のマイナンバーを活用する行政側のメリットは、税・社会保険・入管業務のデータを連携できることで、外国人の就労状況や納税状況を正確かつ効率的に把握・管理できる点です。マイナンバーを活用することで、さまざまな手続きの迅速化や不正就労の防止、社会保障制度の公平な運用などにつながります。
企業側から見たメリット
外国人労働者のマイナンバーを管理することで、不法就労の防止や適切な雇用状況の管理が可能になります。また、社会保険や税金に関する提出書類にマイナンバーを記載することで、正確でスムーズな手続きができるようになります。また、税や社会保険料の納付状況が正確に管理されるため、在留期間の更新などの際のトラブル回避にもつながるでしょう。
外国人本人にとってのメリット
マイナンバーカードは、銀行口座の開設や携帯電話の契約、公的サービスの利用時などの身分証明書として利用できます。また、オンラインでの在留資格の更新・変更申請が可能になったり、健康保険証として利用できたりするのも大きなメリットです。
まとめ
マイナンバーは、日本人と同様に外国人労働者にも付番され、雇用時に必ず確認する必要があります。また、外国人労働者のマイナンバーは、企業が特定個人情報として、厳重に管理・保管しなければなりません。不正就労などのリスクを回避し、外国人労働者を適切に雇用するためには、マイナンバーおよび在留カードの確認の徹底が重要です。
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