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日本の企業では、さまざまな業界で人手不足の問題が深刻化しており、倒産する企業が増加傾向にあります。この記事では、人手不足倒産の定義や実態、種類や対策方法などについて、わかりやすく解説します。外国人労働者活用による人手不足倒産対策についても解説するので、人手不足への不安や悩みのある方は、ぜひ最後までお読みください。

目次
人手不足倒産とは
まずは、人手不足倒産の定義や、人材確保ができず事業運営が維持できなくなる仕組み、発生背景を、データを交えながら解説します。
人手不足倒産の定義
人手不足倒産とは、企業が事業を運用するうえで必要な人材を確保できず、サービスの提供や業務遂行が不可能になって倒産してしまうことです。人手不足倒産が起きる背景には、深刻な少子高齢化による労働人口減少の影響があります。
業績自体は悪くないにもかかわらず、人員が足りないために事業継続が困難になってしまう状況で、黒字でも倒産に陥ってしまうのが人手不足倒産の特徴です。
最近の発生状況・実態
帝国データバンクの調査によると、2025年の人手不足倒産は427件で、2013年に調査を開始して以来、3年連続で過去最多を更新しています。業種別では建設業が113件、物流業が52件と特に多く発生しています。
規模別では、従業員10人未満の小規模企業で特に多く人手不足倒産が発生しているという結果でした。小規模企業は従業員1人の退職でも事業に与える影響が大きく、人手不足倒産につながりやすい実態が表れているといえるでしょう。
出典:帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年)」
人手不足倒産の種類と対策の方向性

人手不足倒産には、倒産の原因によってさまざまな種類があります。ここでは、企業が直面しやすい人手不足倒産の代表的な「後継者難型」「求人難型」「従業員退職型」「人件費高騰型」の4つについて、それぞれの特徴や必要な対策を解説します。
後継者難型
後継者難型とは、経営者や幹部層が不在になり、後継者が見つからないことによって事業の継続が難しくなるケースです。経営者や幹部役員が高齢化した会社に多く、高齢になった経営者や幹部社員が病気になったり引退したりした際に、経営に携われる人材が育っておらず、そのまま事業をたたむことになってしまいます。
対策としては、早期からの事業承継計画や人材育成、外部人材の招聘、M&A、専門家への相談などが有効です。
求人難型
求人難型とは、人手不足の解消のために人材募集を行っても思うように人を集められず、倒産に至ってしまうケースです。人手不足倒産のなかでも特に多いケースで、日本企業全体における人手不足の影響が深く関係しています。
対策としては、待遇の改善や福利厚生の見直しなどによる魅力の強化や、採用プロセスの見直しや採用力の強化、アウトソーシングなど外部リソースの活用など、多角的なアプローチが求められます。
従業員退職型
従業員退職型は、従業員が退職することで人手が不足し、事業の継続が困難になることで倒産に至ってしまうケースです。定年退職だけでなく、労働環境に不満のある従業員の退職などによっても発生する人手不足倒産のタイプです。特に、中核となる従業員の転職や幹部社員の独立などが重なると、倒産のリスクが高まってしまいます。
あらかじめわかっている定年退職については、計画的に採用を行うことで対策が可能です。労働環境への不満などでの離職を防ぐためには、待遇の改善や業務効率化、リモートや時短など柔軟な働き方の整備、福利厚生の見直しなどが考えられます。従業員が「この会社で働き続けたい」と思える環境を整えることがなによりも大切です。
人件費高騰型
人件費高騰型は、人件費が高くなることによって収益のバランスが崩れ、倒産に至るケースです。売上が増加していたとしても、最低賃金の引き上げによって人件費が高騰している影響で収益が減少し、事業継続が困難になる場合もあります。
対策としては、DXの推進などで業務効率化を図るなど、コストを抑えて生産性を高める工夫が必要です。
人手不足倒産が起こる原因と対策の必要性
人手不足倒産が起こる原因には、「少子高齢化」「労働市場の変化」「働き方の多様化」など、社会構造の変化による労働力不足の深刻化が関係しています。人手不足倒産を防ぐためにも、それらの原因に対して各企業が早期に対策を講じる必要性があります。
少子高齢化
日本は少子高齢化が深刻化しているため、働く人口そのものが減少傾向にあります。労働人口全体が減少しているため、企業は必要な人材の確保が難しくなっています。少子高齢化は、長期的かつ構造的な問題であるため、企業は業務効率化や生産性向上のための仕組みづくりなどの対策を講じる必要があるといえるでしょう。
労働市場の変化
女性や高齢者の増加など労働力人口の構成の変化や、リモートワークや副業など多様な働き方の一般化、ミドル層の転職増加など、労働市場の変化に対応しきれずに、人手不足倒産に陥ってしまうケースもあります。企業側も新たな雇用制度や人事制度のあり方などを検討していくことが求められます。
働き方の多様化
従来の「定時出社・フルタイム・正社員」といった画一的な働き方にとらわれず働き方が多様化しているなか、雇用されずに働くフリーランスなどが増加することによって、求人に応募する人の絶対数が減り、人手不足が加速してしまうケースもあります。企業側は正社員だけでなく、パートやフリーランスなどさまざまな人材を活用することで、人手不足の解消に繋がることもあるでしょう。
人手不足倒産が多い業界と対策のポイント

特に倒産リスクが高い業界は、「小売・外食」「介護・福祉」「運輸・物流」「建設業」「製造業」などです。ここでは、それぞれの業界の特徴や特性に応じた対策を解説します。
小売・外食
小売・外食業界では、労働環境の厳しさや長時間労働、低賃金などが原因で離職率が高い傾向にあり、深刻な人手不足に直面しています。人手不足倒産の対策としては、待遇の改善や労働環境の整備、業務効率化など、多角的なアプローチが必要です。
介護・福祉
介護・福祉業界は、深刻な人手不足によって利用者を受け入れられず収益が悪化するケースが多く、他産業の賃上げに追いつかず人材流出してしまう悪循環に陥っているケースも多いです。対策としては、運営の効率化や経営基盤の強化、生産性向上への取り組みなどが求められます。
運輸・物流
運送、物流業界は、EC市場の拡大に伴い、宅配便の需要が増加しているにもかかわらず、慢性的な人手不足によってドライバー不足が深刻化しています。長時間労働や厳しい労働環境が敬遠されて若年層の入職が少ないことに加え、高齢ドライバーの引退も相まって、人材不足に拍車をかけています。対策として、再委託構造の改善や多重下請け構造の是正などの構造改革が求められます。
建設業
建設業は、2025年の人手不足倒産の件数も最も多く、特に改善が急務となっている業界です。実際に、高齢化による熟練労働者の減少や若年層の入職が少ないことなど、業界全体で人手不足の問題が深刻化しています。賃金水準の向上や長時間労働の是正、魅力的な職場環境整備や入職促進による若年層・女性の確保、DX推進による業務効率化などが必要といえるでしょう。
製造業
製造業は、若年層の減少や高齢化など、構造的な労働力不足に直面しており、工場作業員などの不足によって事業運営が立ち行かなくなり人手不足倒産に至るケースもあります。対策としては、DX推進による省人化や人材育成強化などが急務となっています。
人手不足倒産を防ぐ対策
人手不足倒産を防ぐ主な対策には、「業務のアウトソーシング」「ITツール導入」「職場環境改善」「福利厚生の充実」「外国人労働者の活用」などがあります。それぞれの対策について解説します。
業務のアウトソーシング
戦略的に業務をアウトソーシングすることは、人手不足倒産の対策として非常に有効な手段です。たとえば、経理や人事などのノンコア業務や、繁忙期の業務委託などを適切に依頼することで、従業員が本来の業務に集中できたり、業務量を平準化したりすることに繋がります。
業務の棚卸しを行い、どの業務をアウトソーシングすべきかを明確にしたうえで、派遣・業務委託・クラウドソーシングなど、自社に合った方法を選ぶことが大切です。
ITツール導入
人手不足倒産の対策として、ITツール導入による業務効率化や省人化は必要不可欠です。深刻化する人手不足に対応するため、多くの企業は自動化やデータ化、業務プロセスの見直しを進めています。
具体的には、業務自動化ツールの導入やバックオフィス業務のDX化、AIの活用など、企業の実態に応じて戦略的にITツールの導入を推進することが大切です。
職場環境改善
職場環境の改善によって従業員の離職を防ぐことも、人手不足倒産の重要な対策のひとつです。たとえば、待遇や評価制度の見直しによって従業員のモチベーションを維持したり、長時間労働の削減やノー残業デーの設定、有給休暇取得の促進などで労働時間を是正したりすることなどが考えられます。
また、フレックスタイムやリモートワーク、時短勤務などを導入し、ワークライフバランスの向上に向けた取り組みを行うことも効果的です。
福利厚生の充実
福利厚生を充実させることで、従業員の満足度が向上し、定着率を高める効果が期待できます。たとえば、家賃補助・住宅手当などは従業員の生活基盤を安定させ、育児・介護支援制度は長期的な就業の支援やライフイベントとの両立を助けるなど、従業員の働きやすさにも直結します。
また、食事補助や健康診断の補助、資格取得支援制度など、従業員のニーズに合う制度を充実させることも効果的です。
外国人労働者の活用
外国人労働者の活用は、人手不足倒産の対策として非常に有効です。特に「特定技能」制度を活用することで、介護・外食・飲食料品製造など、人手不足が深刻な業界で即戦力を確保することが可能になります。
ただし、スムーズな活用のためには、言語や文化の壁への対策や、在留資格手続きなどの専門家によるサポートが重要です。
外国人労働者活用による人手不足倒産対策

深刻な人手不足を解消するためには、外国人労働者を適切に活用することが有効な手段のひとつです。ここでは、外国人労働者の制度の概要や外国人労働者を受け入れるメリット、外国人労働者を受け入れる際の注意点について、詳しく解説します。
外国人労働者とは
外国人労働者とは、日本国籍をもたない、日本国内で働く外国人のことです。在留資格(ビザ)の種類によって「特定技能」「技能実習」「技術・人文知識・国際業務」などさまざまな働き方があり、労働力不足を補う存在として幅広い分野で活躍しています。
合法的に働くためには、永住者や日本人の配偶者など、就労制限がなく自由に働ける在留資格を取得したり、労働力不足が深刻な分野で即戦力として働く制度の「特定技能」を活用したりするなど、目的に応じた方法を選択することが求められます。
外国人労働者を受け入れるメリット
外国人労働者を受け入れる最大のメリットは、少子高齢化による国内労働人口の減少を補える点です。また、意欲が高く、専門知識やスキルをもった若手人材の獲得も期待できるでしょう。場合によっては、雇用管理の改善や職業訓練に対する国の助成金を利用できるケースもあります。
さらに、異なる文化や価値観が入ってくることで、新しいアイデアやサービス創出のきっかけになることもあるでしょう。日本人従業員にとっても刺激となり、従業員全体の成長促進にも繋がります。また、対応可能な言語が拡大すれば、訪日外国人への対応力も高まることが期待できます。
外国人労働者を受け入れる上での注意点
外国人労働者を受け入れる際には、まず不法就労防止のために在留資格を確認し、労働基準法を遵守することが大切です。そして、慣れない土地での生活や労働によるストレスを軽減するため、生活を含めた包括的な支援体制を整えることも重要です。
日本語能力に応じた教育制度や、食事や礼拝など宗教上の習慣や価値観の尊重、文化への配慮など、職場全体で外国人労働者が働きやすい環境を整えるようにしましょう。
OURの取り組みと人手不足倒産対策への貢献
株式会社ONODERA USER RUNは、アジア各国における人材教育と、特定技能に特化した日本国内への人材紹介事業を展開しており、企業の人手不足の解消をサポートする取り組みを行っています。
研修・教育体制
現在、アジア5か国に日本語及び特定技能に係る無償教育拠点(OUR BLOOMING ACADEMY)を有し、独自のカリキュラムで各分野の日本語・専門教育を実施しています。介護分野をはじめ、外食や宿泊、飲食料品製造、航空、宿泊など、幅広い分野の人材を紹介しているのもOURの特徴です。
内定後から入社までのビザ申請期間には、仕事や日本の生活に早く慣れるための教育も行っています。具体的には、「日本事情教育」や「異文化×レジリエンス研修」など日本で働くために必要な研修や、「ホスピタリティ研修」「金銭管理研修」「防犯研修」「多様性理解研修」などの実践的な研修まで、きめ細かに実施しています。
即戦力として活躍できるように研修・教育を行うことで、人手不足の解消にも大きく寄与しているといえるでしょう。
受け入れ支援
初めての受け入れでも安心な登録支援サービスを提供しており、支援に不安がある場合でも安心して外国人材を採用いただくことが可能です。入国後も、登録支援機関として、定着するための学習・生活支援までを一貫して実施しております。これは、外国人材にとっても安心できるサービスといえるでしょう。
まとめ
人手不足倒産は、たとえ黒字であっても起こり得るもので、人手不足を解消するための対策を早期に実施することが求められます。
株式会社ONODERA USER RUNは、日本語・特定技能の専門教育から人材紹介、就業後の生活や資格取得に向けた学習支援までをワンストップで行い、安定して長く働ける人材をご紹介しております。人手不足でお困りでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら
2019年4月に創設された、人材の確保が困難な16の産業分野等における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れる在留資格のこと。
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