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外国人労働者の日本語教育方法!必要な日本語レベルや現状・課題とともに解説

2024.10.15

外国人と円滑なコミュニケーションをとるためには、外国人本人の日本語レベルがどのくらいあるかがポイントとなります。外国人労働者の受け入れにおいて、日本語教育に課題を感じている採用担当の方もいるでしょう。

今回は、外国人労働者への日本語教育の重要性や求められる日本語レベル、現状・課題を解説したうえで、日本語教育のおもな方法・ポイントを紹介します。外国人材の定着率を高めたい方や、職場内でのトラブルを予防したい方は、ぜひ参考にしてください。

日本における外国人労働者数は増加中

厚生労働省の「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」によると、2023年10月末時点で、日本における外国人労働者数は200万人を突破しています。この数は、外国人雇用状況の届出が義務付けられることとなった2007年以降、過去最高となりました。

増え続ける外国人労働者に対して、日本では、日本語教育をはじめとする共生社会の実現に向けた取り組みが求められています

参考:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)」

 

外国人雇用の現状とは?増加している背景や今後の動向、注意点を解説

多文化共生とは?地域の取り組み事例や外国人労働者の受入れ企業ができること

外国人労働者への日本語教育の重要性

受入れ企業において、外国人労働者がうまくコミュニケーションをとれない場合、以下のようなことが起こり得ます。

 

  • ・認識の相違から業務上のトラブルが発生する
  • ・職場内の人間関係が悪化する
  • ・外国人材をサポートする日本人従業員の業務効率が低下する

 

コミュニケーションをとる際にはさまざまな要素が絡んでいますが、欠かせないのが外国人労働者の日本語能力です。日本語能力が不十分だと、職場に馴染めなかったり、思うようにスキルを発揮できなかったりして、徐々にストレスがたまってしまいます。最終的に、外国人労働者の離職に繋がることもあるでしょう。

 

外国人労働者の日本語能力を高めることは、本人のためになるのはもちろん、受入れ企業にも以下のようなメリットがあります。

 

  • ・外国人材の定着率がアップする
  • ・業務の正確性が向上する
  • ・コミュニケーションが活発になりアイデアが生まれやすくなる

 

外国人労働者の定着率について解説した以下の記事でも、受入れ企業による日本語学習のサポートについて触れているので、併せて参考にしてください。

外国人人材の定着率は?定着しづらい理由や改善に向けた7つの施策を解説

外国人労働者に求められる日本語レベル

外国人の日本語レベルを測る指標として、よく用いられるのが「日本語能力試験(JLPT)」です。日本で就労する外国人労働者や、日本の大学などに通う外国人留学生の多くが日本語能力試験を受けています。

日本語能力試験には、最も簡単な「N5」から最も難しい「N1」まで、5段階のレベル設定があります。それぞれのレベルの目安は、以下のとおりです。

難易度

レベル

目安















N1

・幅広い話題について書かれた複雑な文章や抽象的な文章などを読み、構成や内容を理解できる。

・幅広い場面で自然なスピードの会話を聞き、話の流れや内容、登場人物の関係性を詳細に理解できる。

N2

・幅広い話題について書かれた論旨が明快な文章などを読み、話の流れや内容を理解できる。

・幅広い場面で自然に近いスピードの会話を聞き、話の流れや内容、登場人物の関係性を理解できる。

N3

・日常的な話題について書かれた文章を読んで理解できる。難易度がやや高い文章でも、言い換え表現を与えられれば、要旨を把握できる。

・日常的な場面で自然にやや近いスピードでの会話を聞き、内容をおおむね理解できる。

N4

・基本的な語彙や漢字を用いた文章を読んで理解できる。

・ややゆっくりと話される会話なら、内容をおおむね理解できる。

N5

・ひらがなやカタカナ、初歩的な漢字を用いた文章を読んで理解できる。

・短く、ゆっくりとしたスピードの会話であれば、必要な情報を聞き取れる。

参考:日本語能力試験JLPT「N1~N5:認定の目安」

 

技能実習制度に代わり、新たに創設される「育成就労制度」では、就労開始前に日本語能力試験「N5」レベルに達していることが求められます。さらに、在留資格「特定技能」を取得する際には、日本語能力試験「N4」レベルに達していなければなりません。

 

日本語能力試験については、以下の記事でも解説しているため、こちらもご覧ください。

語学力の検定「日本語能力試験(JLPT)」を受験する目的とは?レベルや注意点も紹介


なお、日本語能力試験のほかに「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」も、日本語能力の測定によく用いられています

外国人労働者の日本語教育の現状・課題

文化庁「令和4年度国内の日本語教育の概要」によると、全国の1,896市区町村のうち44%は、外国人が通える日本語教室のない「日本語教室空白地域」とされています。

さらに、出入国在留管理庁「令和4年度在留外国人に対する基礎調査結果」を見ると、在留外国人は日本語学習に対して、以下のような悩みを抱えていることがわかります

  • ・日本語学校や日本語教室の受講料が高い
  • ・都合の良い時間帯に利用できる日本語学校や日本語教室が近くにない
  • ・自分のレベルに合う日本語教育を受けられない
  • ・日本語教育に関する情報が少ない
  •  

例えば、日中に就労している外国人労働者は、勤務時間外に日本語教育を受けられる環境がないと、学習を継続しにくいでしょう。また、そもそも日本語教育に関する情報提供が不十分なケースもあると想定されます。

外国人労働者の日本語能力の高さは、仕事だけではなく本人の日常生活にも大きく影響します。受入れ企業として、日本語教育に関する適切な情報提供や環境整備は不可欠といえるでしょう。

参考:文化庁「令和4年度国内の日本語教育の概要」

参考:出入国在留管理庁「令和4年度 在留外国人に対する基礎調査-調査の概要-」

外国人労働者への4つの日本語教育方法

ここでは、外国人労働者が日本語を学ぶ4つの方法を紹介します。

1.受入れ企業が日本語研修を実施する

外国人労働者の受入れ企業が、日本語に関する研修を実施する方法です。大きく分けて、以下の2つのパターンが考えられます。

  • ・専用の教材などを使用し、自社独自に学習指導を行う
  • ・外部から日本語教師を招いて授業を行う(オンライン授業も含む)
  •  

いずれの場合でも、勤務時間内に学習時間を確保してあげられるため、外国人労働者は着実に日本語能力の向上を目指せます。また、企業側が学習の進捗状況を把握しやすい点もメリットです。

2.外国人材が日本語学校に通う

外国人労働者が、入社前または入社後に日本語学校に通う方法です。ここでの「日本語学校」とは、日本語教育機関のうち、法務省から指定を受けているものを指します

日本語学校では専門家が行う授業を受けられるため、早い成長が期待できるでしょう。

ただし、特に入社後に日本語学校へ通うケースでは、先述したデータにもあったように、以下の点が外国人労働者の負担になるおそれがあります。

  • ・一定の受講料を捻出しなければならないこと
  • ・勤務時間外に通える日本語学校を探して日々通学時間を確保しなければならないこと


場合によっては、受入れ企業が費用を一部補助したり、勤務時間の調整などを検討したりする必要があるでしょう。

3.外国人材が日本語教室に入会する

地方公共団体やNPO団体などが運営する、地域の日本語教室に通う方法です。このような教室の日本語教師は報酬を受けないボランティアが中心であるため、日本語学校に比べて低価格で受講しやすく、なかには無料で受講できるケースもあります

しかし、日本語教室空白地域に該当する場合は、遠方まで足を伸ばさなければ日本語教室に通えない可能性があります。

4.外国人材が独学で日本語を学ぶ

日本語学習を外国人本人に任せる方法もあります。独学であれば、自分のレベルに合わせて無理のないペースで自由に学習を進められるでしょう。

近年では、日本語教育をオンラインで展開しているサービスが豊富にあるため、うまく活用すれば、時間や場所を問わずに学べる環境が整います。

ただし、受入れ企業や専門家のフォローなしでは、日本語学習のモチベーションを維持することが難しいかもしれません。途中で学習をやめてしまったり、なかなか成長しなかったりする可能性があることも難点として挙げられます。

外国人労働者への日本語教育のポイント

ここでは、外国人労働者に日本語教育をするうえで、受入れ企業が押さえておくべきポイントを紹介します。

採用後も継続的に日本語教育の支援をする

日本で生活・就労している外国人は、必ずしも自然に日本語能力が向上するわけではありません。そのため、外国人労働者を採用したあとも、受入れ企業は日本語教育の支援を続けていくことが大切です。

受入れ企業が主体となって学習指導を実施するほか、日本語学習にかかる費用を負担することも一つの支援方法といえます。

異なる文化的背景を理解する

外国人労働者の日本語能力が高くても、日本人と外国人がお互いの文化的背景を尊重していなければ、円滑なコミュニケーションは難しくなります

受入れ企業としては、研修などを通して、双方の母国の文化や価値観を理解する機会を設けるのが望ましいでしょう。その際には、以下の各記事もぜひ参考にしてください。

外国人材との異文化コミュニケーションで大切なことは?重要な理由や交流のコツも解説

組織文化の形成・理解は人材定着のカギ!外国人材も働きやすい組織づくり

必要に応じて補助金を活用する

自治体によっては、外国人への日本語教育に関して、助成金・補助金制度を設けています。まずは、自社が属する自治体に助成金・補助金制度がないかを調べてみましょう。

具体例は、以下のとおりです。

  • ・東京都:中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金
  • ・福島県:外国人介護人材受入れ施設等環境整備事業補助金
  • ・富山県:外国人材日本語習得サポート事業費補助金
  • ・山梨県:やまなし外国人活躍企業支援事業費補助金 など

 

なお、上記の例は、本記事執筆時点(2024年9月)の情報に基づくものです。各制度は変更・終了する可能性があるため、ご注意ください。

日本語レベルの高い外国人材の受け入れは「オノデラユーザーラン」へ

外国人材紹介会社のONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、自社アカデミーで育成した特定技能外国人を、企業様に紹介しています。

日本語教育に関しては、人材紹介前に、日本語能力試験「N4」レベルに達する教育を実施しています。内定から入社までの期間には、日本語能力試験「N3」取得を目指す自社開発アプリで、学習を継続できる環境を整備している点が特徴です。

さらに、外国人材が長く日本で働けるよう、独自の学習システムで就労開始以降も学習をサポートします。

これらの取り組みにより、日本語教育に不安のある企業様でも、優秀な外国人材を安心して受け入れられるでしょう。

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まとめ

外国人労働者への日本語教育方法には、受入れ企業が研修を実施する、外国人労働者が日本語学校や日本語教室に通うなどの選択肢があります

しかし、受入れ企業が主体となって継続的に日本語教育を行うのは、負担が大きいかもしれません。また、日本語学校などに通ったり、独学で日本語学習を進めたりする場合でも、さまざまな課題が生じ得ます。

ONODERA USER RUN(オノデラユーザーラン)では、独自のカリキュラムと学習方法により、負担を抑えて日本語教育・日本語学習を進められる環境を整備できます。さらに、ビザ申請手続きや受け入れ準備のサポート、定着支援なども一気通貫で対応可能です。詳しくは、当社までお気軽にお問い合わせください。

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