特定技能の基本情報
超高齢社会における2025年問題等、深刻化する国内の人手不足解消のため、外国人人材を採用している企業が増えてきています。一口に「外国人人材採用」と言っても、在留資格や対象の外国人の居住地、試験の有無などによって受入れまでの流れや方法が異なります。
特定技能制度を活用し外国人採用するにはどのような方法があるか詳しく解説していきます。
目次
特定技能人材の採用方法は大きく分けて2パターン
特定技能外国人の採用方法としては、大きく分けて下記の2パターンに分類されます。
・人材紹介会社へ依頼をする
・求人媒体で募集を行う
それぞれの方法における、メリット・デメリットを見ていきましょう。
人材紹介会社へ依頼 | 求人媒体で募集 | |
メリット |
・自社にマッチした人材を採用できる確率が高い ・人材が入社するまで費用が発生しないことが多い ・広告管理や応募者対応等にかかる労務時間の削減 ・ビザ申請等のサポートを受けられる |
・短期間で応募があると、低コストでの採用が可能 |
デメリット | ・人材紹介料がかかる |
・広告出稿管理や応募者対応等に労務時間が割かれる ・応募までの時間が読めない(応募がない可能性もある) ・ビザ申請を自社で対応する必要がある |
■外国人人材紹介会社へ依頼
人材紹介会社を利用すると、採用した人材が入社するまでは、手数料が発生しないケースが多いため、仮に採用ができなかった場合のリスクを抑えることができます。人材紹介を利用するメリットとしては、紹介会社によって選定された条件に合った人材の中から選べるという点です。これは、求人媒体にはない強みと言えます。自社にマッチした候補者を紹介してもらうことで、採用までに要する時間の軽減にもつながります。
また、紹介会社を通すことで、ビザ申請等の入国や受け入れに関する申請業務のサポートを受けられることが殆どです。さらに、特定技能外国人を雇用する際に必要な支援を行うための“登録支援機関”への登録を済ませている人材紹介会社が多く、ケースによっては人材紹介だけでなく、入国後の支援まで一貫して依頼することが可能ですので、特定技能人材の受け入れにかかる労力を最小限に抑えることができます。
<外国人人材紹介会社を選定するポイント>
外国人人材紹介会社を選ぶ際、一番に気になるのが紹介料だと思います。しかし、そのほかにも注意すべきポイントがいくつかあります。
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1、しっかりとしたスクリーニング基準紹介する外国人について、事前にしっかりと理解したうえで紹介しているかどうかも重要なポイントとなります。紹介している外国人は自社教育を行ったものなのか、どのような基準を設けて募集を行っているか等を把握しておくことも大切です。 2、事前教育の実施海外と日本では、仕事や生活において、文化や習慣の違いがあります。例えば「介護」の場合、“日本の介護”とはどのような仕事なのか、何が求められるのか(日本語レベル、技能など)をきちんと理解できていないまま、独学で特定技能介護の試験に受かった外国人も少なくありません。入国後にきちんと事前教育を行ったうえで紹介する会社もあれば、ただ応募した外国人をそのまま紹介する人材紹介会社もあるのが実情です。紹介会社が抱えている外国人人材が、自社の求めるレベルに合っているかをしっかりと見極めることが必要と言えます。 3、紹介後のサポート特定技能の場合、日本人の採用とは異なり、ビザなどのさまざまな申請や、採用後にも多くの支援が義務となってきます。特に、支援内容については専門的な項目が多く、特定技能外国人の母国語で行わなければならないなどの決まりもあり、これらすべてを受入れ企業で行うことは難しい場合もあります。外国人人材紹介会社では、ビザ申請や入社後の支援に関してもサポートを行っている会社がほとんどです。外国人の雇用は、紹介料の金額だけで比較するのではなく、サービス内容もきちんと理解したうえで選ぶことが大切です。 4、外国人自身の費用負担日本での就職を希望する外国人を狙った悪質なブローカーに金銭を支払っている場合や、特定技能試験に向けた教育を受けるために外国人本人が費用を負担し、高額の借金を抱えているケースもあります。入国後の金銭トラブルを防ぐため、紹介している外国人が負担している費用についても、事前に確認しておくことがポイントです。
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■外国人材専用の求人媒体で募集
最近は、外国人に特化したさまざまな求人サイトがあります。それぞれの求人サイトには得意な国籍や言語があり、外国人が利用しやすく設計された登録型の求人サイトも多数存在します。すぐに応募が来て自社に合った人材を見つかれば、人材紹介よりも低コストで採用することができます。
しかし、実際に広告を出してみても、必ず応募が来るとは限りません。また応募が来るまでにどのくらいの期間がかかるかも、出してみないと分からないというのが実情です。応募が来たら一人ひとり、自社で面接を行っていかなければならないため、採用までにかなりの時間を要すると考えられます。
さらに、内定後も入国や受け入れに関わる申請までのすべてを自社で行わなければならないため、日本人採用に比べ、入社するまでに相当の時間と労力を必要とします。
国内で採用? 海外から採用?
特定技能外国人の採用には、すでに日本国内にいる外国人材を採用する方法と、海外にいる人材を受け入れる方法があります。国内での採用は、留学卒業予定者や定住者、ほかの就労ビザ取得者、また技能実習等の在留資格を特定技能に切り替えて採用する方法です。また、海外からの採用の場合には、新たに特定技能ビザを獲得してもらう必要があります。
■国内在住者の場合
基本的には、12分野で就労するための特定技能1号の在留資格を取得(試験の合格)する必要があります。ただし、技能実習2号を良好に修了した技能実習生は、技能実習2号移行対象職種と特定技能1号における分野との関係について関連性が認められる場合、試験が免除され、在留資格変更許可申請を行い、承認されると特定技能としての就労が可能となります。
■海外在住者の場合
新規で入国する外国人の場合にも、国内在住の留学生などと同じように日本語能力と特定技能の各分野の技能試験に合格する必要があります。無事試験に合格した場合には、雇用契約などの過程を経て、在留資格を取得し、来日、入職という流れになりますが、国内とは異なり、在留資格申請の際に国内・海外双方での承諾が必要になります。
なお、国によっては送り出し機関を通じての受け入れとなるため、在留資格申請以外にも必要な手続きや海外雇用許可証の発行などの手続きが生じるため、国内人材を採用するよりも入職までに時間がかかります。
採用に必要な時間の目安
勤務開始までにかかる期間や日数は、国内在住か海外在住かによっても異なります。実際に紹介会社を使って採用を行う場合、一般的に国内在住者の場合は約3~4カ月間、海外在住者の場合は約5~7カ月間の期間が必要となります。
実際の採用スケジュールのイメージは、以下のとおりです。
人材の募集方法は各紹介会社によって、オーダーを受けてから人材を探す場合や、教育から始める会社など、さまざまです。募集方法によっても、採用までにかかる時間は大きく異なってきますので、早急に人材を確保したいと考える場合には、人材紹介会社を選ぶ際にも注意しなければなりません。
なお、内定後のスケジュールは、どの会社でも大きな違いはなく、在留資格の変更に係る審査や新規の在留資格申請には、2~4ヶ月ほどの期間が必要となりますので、外国人の採用を検討している場合には早めに準備をしておくことが大切です。
まとめ
特定技能外国人の採用と一口に言っても、募集の方法や、国内在住者・海外在住者どちらを採用するか、さらに登録支援機関を利用するかどうかによって、採用にかかるコストや時間が異なります。人員不足が深刻化していく中、今後外国人の採用を検討したい場合は早めの準備をおすすめします。
今後、採用を考えている場合にも、それぞれの方法のメリット・デメリットを理解した上で、自社でどのような採用方法をとるのが最善なのか整理を行い、検討していくことが大切です。
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