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事例紹介
CASE STUDIES
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社会福祉法人恒仁会 特別養護老人ホームあかいしの郷
特別養護老人ホーム あかいしの郷は、奥大井の豊かな自然の中、家庭的な雰囲気で、ご利用者様の心身の状況に応じた日常生活の介助、健康管理、レクリエーション等を通し、穏やかで楽しい生活と、安心できる環境を作り、『 私の居場所 』と思ってもらえるようなサービスを提供されています。
当社からは、2025年4月時点で特定技能介護人材4名(フィリピン、ミャンマー)をご採用いただいております。
施設長 澤本様、事務長 坂口様
左からランさん、ウーさん(ミャンマー)マリーさん、アナさん(フィリピン)※いずれも仮名
1)なぜ日本で働きたいと思いましたか。
ランさん:家族を支えたいと思ったからです。
ウーさん:日本は安全な国だからです。また、家族を支えたいと思ったからです。
マリーさん:日本は安全で良い国だと思ったからです。景色がきれいで人も優しいです。日本文化も面白いです。
アナさん:日本は先進国で安全だと感じました。自分の成長にもつながると感じたので日本で働きたいと思いました。
・日本以外の国で働くことは検討しましたか。
ランさん:日本以外で働くことは考えませんでした。中国や韓国へは遊びに行ってみたいと思います。
2)介護の仕事を選んだ理由を教えてください。
ランさん:ミャンマーでもおじいさん、おばあさんと一緒に住んでおり、介護の仕事は自分に合うと感じたので選びました。
ウーさん:おじいさん、おばあさんと話をするのが好きだったからです。
マリーさん:私が介護の仕事を選んだ理由は3つあります。
1つ目は、母に介護が必要になったときに、どのようにケアをするのか学びたかったからです。介護の仕事では将来の役に立つスキルを身に着けられると思いました。
2つ目は、人の役に立てる仕事だからです。今、とてもやりがいを感じています。
3つ目は、介護福祉士を取得すると、日本で長く働いて生活することができるからです。
アナさん:フィリピンにいるときに家族のお世話をしていたからです。
3)OUR BLOOMING ACADEMYへ入校を決めたのはなぜですか。
ランさん:OUR BLOOMING ACADEMYへ通っていた学生たちの日本語がとても上手だと聞いたからです。
ウーさん:OUR BLOOMING ACADEMYは1週間に5日間授業があり、勉強する時間も多い点が良いと感じたからです。
マリーさん:無料で日本語を学ぶことができるからです。そして、日本で働くサポートも行ってくれるからです。
アナさん:自宅から通いやすい位置にあったので、入校を決めました。
4)現在の業務内容を教えてください。
全員:食事介助、排せつ介助、移乗介助など、色々なことを行っています。遅番と夜勤も全員行っています。夜勤は2024年12月(入職約7カ月)から始めました。
5)日本に来て大変だったことは何ですか。
マリーさん:大変なことは日本語です。わからない言葉も多いですが、皆さんが分かりやすく説明してくださるので助かっています。そして、通勤は、バスやオンデマンドタクシーを利用していますが、スタッフの皆さんが送迎してくださることもあります。いつも、わからないことがあると助けてくれので、相談しやすいです。本当に感謝しています。
ウーさん:日本に来たばかりのころは、日本人とのコミュニケーションが大変でした。今は、少しずつ慣れたので大丈夫です。
・実際に日本で働いてみての感想を教えてください。
マリーさん:困ったときや大変なことがあると、スタッフの皆さんがいつもやさしく手伝ってく出さるので、私が思っていたよりは大変ではありません。この施設はとても社員を大切にしてくださっています。
ウーさん:仕事も楽しく、ミャンマーにいたころよりも嬉しいことが多いです。
アナさん:最初は文化の違いで困るかと思いましたが、周りの皆さんがたくさんサポートしてくださるので思ったよりも問題ありませんでした。順調にやっています!
ランさん:日々、新しいことばかりなので日本に来てから学ぶことが多いです。
・施設には様々な国籍のスタッフが勤務をしています。様々な国籍の方と一緒に勤務することについてどう感じていますか。
全員:みなさん親切なので全く問題ないです!特に日本人の仕事は丁寧でしっかりしているので勉強になります。一緒に働きやすいです。
6)お休みの日は何をして過ごすことが多いですか。
ランさん:お休みの日は寝ることが多いですが、たまにバスなどに乗って、お出かけもしています。
ウーさん:私も寝ていることが多いですが、勉強もしています。そして、静岡県に来てからお城を見に行ったこともあります。
マリーさん:1週間分の料理作りや映画鑑賞をしています。
アナさん:連休があれば日本にいる友人と出かけています。連休でなければ、料理や洗濯をしています。
7)介護や日本語は1日にどのくらい勉強していますか。
ランさん:1日にどのくらい勉強するかは決めていません。まったくやらない日もあれば15分、30分ほど勉強することもあります。時間があれば長時間勉強することもあります。
OURのテキストや担当支援員の方からおすすめしてもらったテキストで学習をしています。
ウーさん:仕事の日は勉強ができない日もあるので、休みの日はOUR college※を使って、長く勉強するようにしています。
マリーさん:介護は仕事をしながら学んでいます。日本語は2人と一緒で、OUR collegeを使っています。
アナさん:休みの日は2時間ぐらい勉強しています。ランさんと同じく、担当支援員の方に教えてもらった日本語のテキストを使っています。とても分かりやすいです。
※OUR college:OURが提供している、スマホやパソコンで好きなときに自主学習ができるEラーニング
・みなさんがこれから日本で働き続けるために必要だと感じるサポートはありますか。
全員:勉強のサポートが欲しいです。特に、日本語の学習サポートがあると嬉しいです。
8)今後の目標を教えてください。
アナさん:今年の12月に日本語能力試験N2に合格し、そのあとは介護福祉士試験に合格したいです。
マリーさん:私の目標はN3に合格することです。7月に受ける予定です。将来は介護福祉士になりたいです。
ウーさん:私もN3の試験を受けるつもりです。将来は介護福祉士になって、日本に長く住みたいです。
ランさん:介護福祉士になりたいです。
※本インタビューは2025年4月に実施いたしました。
1)外国人材を採用する前の施設職員の採用状況および外国人材採用を検討されたきっかけを教えてください。
外国人材を採用する前は、職員の知り合いなど、直接声をかけて採用を行うケースが多かったです。また、コロナ以前は移住されてきた方の採用もいくつかありましたが、コロナ以降はそのような採用も少なくなっていました。ハローワークでの求人募集も同様に、なかなか応募がない状況でした。
そして、当施設がある地域は、特に静岡県の中でも高齢化・過疎化がともに進んでおり、他施設以上に採用が困難になってきています。その中で、OURさんと何回かお話しさせてもらい、採用を決めました。
・OURから採用いただいた決め手はございますでしょうか。
多くの紹介会社さんがいらっしゃいますが、現地での無償教育など、事業の説明を聞いていく中で安心感があったのでOURさんにお願いしたいと思いました。また、採用に向けた面接や現在、当施設で勤務してもらっている方々の第一印象を含め、好印象だった点が決め手になりました。
2)採用の際にオンラインでの面接を実施させていただきました。選考過程で重視されていた点はございますか。
実際に面接の中でどのくらいコミュニケーションが取れているか、笑顔が見られるかというところを重視していました。
面接を実施させていただいた外国人材の方の日本語がどのくらい聞き取りやすいかということも確認していました。
3)ミャンマーとフィリピンの2カ国から外国人材を採用いただいております。その理由やメリットをお聞かせください。
ミャンマーは情勢が不安定であるというところと、外国人材の採用が初めてだったのでミャンマーとフィリピン人材のどちらが当施設に合っているのか、もしくはインドネシア人材など他国が良いのかなど、正直わからないところがありました。勤務する職員にも相談をし、今回はミャンマーとフィリピン人材2名ずつの採用を決めました。
実際に2カ国から採用をしたことで、彼女たちの共通語が母国語ではなく日本語になっています。必然的に日本語でのコミュニケーションが増え、自然に勉強になっているという点がメリットだと感じています。フィリピンとミャンマーも異なる文化がありますが、とても仲良くやっているようです。
また、現在当施設では日本、フィリピン、ミャンマー、そして日本人の配偶者ではありますが中国、ベトナム出身の職員が勤務しています。様々な視点からの意見や多文化が共生しています。
4)受入れに向けて準備されたことはございますでしょうか。
仕事面では、現場職員を中心に、従来使用していた業務マニュアルを現在の業務に即した内容に改定させていただきました。
生活の面では、現在も継続していますが、送迎の対応を行っています。現在では、彼女たち全員が夜勤業務もできるようになっているので、様々な時間帯に出勤をお願いしています。その際に必ずしもバスや電車があるという環境ではありません。そういったところで、職員にも協力をしてもらい、サポートしています。
・準備されるうえで課題になった点はありますか。
OURさんにもご相談させていただきましたが、住居の手配が課題になりました。土地柄的にアパートが少なく、公共交通機関の手段もあまりない、施設と離れすぎても通勤が大変ということで、空き家や町営住宅の活用など様々な方法を検討し、住居を決定していきました。
5)OURに支援を委託いただいた理由や一番期待している点はございますか。
外国人材を受入れることで、施設内でどのくらいの業務負担になるのか、書類作成等、自分たちでどこまで対応が可能なのかという点が不明でした。そこでOURさんに支援を委託することで、我々としても安心感につながると感じたのでお願いをしました。
一番期待しているのは「日本語の学習サポート」です。担当支援員の方から、面談の際などに彼女たちへおすすめの日本語テキストやオンラインレッスンの案内をしていただいており、我々が見えないところでもサポートいただいています。今後も介護福祉士の取得など、彼女たちが在留期間の5年間でどのような選択をするとしても活躍できるような環境になるように、サポートしていただきたいと思います。
6)4名が実際に入職した当初や現在の印象を教えてください。
入職した当初は、本当に良い方々だという印象を受けました。また、自分たちが想像していた以上に日本語でのコミュニケーションが取れ、ひらがなや漢字も書いていたので驚きました。自分たちが彼女たちとの日本語でのコミュニケーションに対して構えすぎていたと感じるくらいでした。
現在も変わらず、笑顔が素敵で、仕事に取り組む姿勢も真面目です。ご利用者様へも優しい気持ちで接してくれている様子も見られます。
・4名の入職後に苦労した点や葛藤はございましたか。
入職当時は、彼女たちにとって生活環境が大きく変化したこともあり、健康面や食事面、そして交通の面で不便をかけていないかなどを心配していました。しかし、彼女たちの表情を見ていても大きく不安な様子も見られませんし、普段の送迎をする中で、我々も何気ないコミュニケーションをとる時間があるということもあり、入職から現在まで大きな課題や不安を感じることはありませんでした。
7)静岡県及び榛原郡で外国人材が定着するために必要だと感じることはございますか。
県や行政でも、外国人材に限らず移住者向けの住居の取り組みを行ってくれているのでこれは引き続きお願いできればと思います。
そして、限られた地域ではありますが、デマンドタクシー「おでかけ号」※というものがあります。可能であればエリアを拡大するなど制度を手厚くしていただくことで定着につながるのではないかと感じます。
※参考:静岡県川根本町HP デマンドタクシー「おでかけ号」のご案内
8)4名の介護福祉士取得に向け、施設としてサポートを検討していることはありますか。
介護福祉士試験を受験するためには、一定の日本語力も必要になります。この点は、彼女たち本人に頑張っていただかなければならないですが、我々がサポートできることは協力していきたいと思います。そして、実務者研修の参加費用については、彼女たちに限らず施設として補助を行う制度もあるので活用していただき、介護の勉強でわからない箇所は職員に聞いてもらうような体制を作っていきたいと思っています。
9)今後の外国人材の採用予定や計画はございますか。
現在勤務している4名がこの先どのような選択をするのか分かりませんが、彼女たちがいるタイミングでもう一度、特定技能人材を雇用し、先輩として新たに採用する人材を指導していくような環境になれば嬉しいと思っています。
・現場指導ご担当者様へもお話をお伺いしました。
介護課長 新様(マリーさん、アナさんご担当)、主任 山口様(ランさん、ウーさんご担当)
10)外国人材の受入れを最初にお伺いされた際の心情をお聞かせください。
海外からの外国人材の受入れは初めてのことだったので、うまくコミュニケーションが取れるのか、介護に関してどこまで理解しているかというところが不安な気持ちがありました。また、日本との生活習慣や文化の違いについても心配でした。
・受入れに向け、現場のみなさまが仕事面で準備されたことはございますか。
業務マニュアルをわかりやすく作成し直しました。漢字にルビを振るなど、日本人ならわかるところも外国人材が見てパッと分かるように細かく記載しました。
また、入職直後はご利用者様のお名前を覚えるということが大切だと思ったので、食事や排せつを記録するチェック表、居室、座席の札のご利用者様の氏名にふりがなを振りました。そして、当施設の職員は名札をつけていないのですが、彼女たちが入職してすぐのころはユニフォームに名前を貼り、覚えてもらいやすいようにしました。漢字までは難しいですが、ユニットに配属された2名はご利用者様と職員の名前の呼び方は1週間以内には覚えてくれていました。
・4名の入職前に準備しておけばよかったと感じることはございますか。
事前準備の際にも少し実施したのですが、「やさしい日本語」です。実際に彼女たちが入職し、なかなか伝えづらいところがあったので、もう少しこちらが準備をしておけばよかったと感じています。
11)受入れ後に心情や印象の変化はありましたか。
新様:実際に一緒に勤務をしてみると、特に不安に感じることはなく、むしろこちらが受入れ前に心配しすぎていたと感じるほどでした。
山口様:想像していた以上に日本語が話せて驚きましたし、安心しました。最初から大まかな会話には困ることはありませんでした。
・指導される際に葛藤した点や課題と感じた点はございますか。
新様:日本人の感覚的なものを言葉にして伝えるということが難しいと感じています。現在も、彼女たちへ「わかる?」と尋ねながら説明していますが、もっとストレートに伝わる言葉があればお互いに苦労しないのではないかと思います。
山口様:入職当初は、仕事の内容や職場の人間関係などについて「大丈夫?」と確認しますが、たいてい「大丈夫です!」と返事があります。どこまで理解しているのか探りながらコミュニケーションをとる必要があるので、特に彼女たちの精神面などで気づかないうちに無理をしていることがないように「大丈夫」という言葉の理解を慎重にすべきだと感じていました。この点は、入職から時間が経ち、プライベートの会話もできてくるようになる中で、少しずつほぐれていった印象があります。
12)ご利用者様や一緒に勤務する職員のみなさまからのご評価をお聞かせください。
山口様:ユニットではベトナムと中国出身の方が勤務しているため、ご利用者様は抵抗感などもなく彼女たちにも接してくださっています。また、若い彼女たちが真面目に仕事に取り組む姿を見て、褒めたり励ましてくれたりするご利用者様もおり、応援してくださっています。また、ユニットで勤務する職員も性格の違いがあり、外国人材4名の業務の習得スピードも異なるのでその時々で職員も感じることはあると思いますが、何度か業務の説明をするとすぐにできるようになるのでありがたいですし、私含めて職員も尊敬しています。
新様:ご利用者様はとても喜んでくださっている方が多い印象です。彼女たちがお休みの日は「あの子は今日お休み?」と聞いてくださる方もいて、気にしてくれています。そして、職員含め、外国人材に対してマイナスな印象を抱いている方もおらず、職員も子どもや孫のようにかわいがっています。業務の飲み込みも早く、理解もできています。
13)今後の課題と感じる点はございますか。
現在は、夜勤業務までほとんどの業務ができるようになっているので、次のステップとして、自分からなにか意見を言えるようになるための時期にいると感じています。もちろん今は、夜勤業務までをしっかりこなすということが大切ですが、ご利用者様のことをさらに深くみることができる、マニュアルには記載していないような感覚的なところを対応できるようになるなど、今後できるようになると良いと感じています。
14)外国人材の定着や共生に向けて現場のみなさまで取り組まれていることはございますでしょうか。
具体的に決めて取り組んでいることはありませんが、自然体で全員を平等に仲間として接することが良いと感じています。外国出身だからということはあえて考えないようにしています。
・外国人材が業務と学習を両立させるためにサポートいただいていることはありますか。
山口様:記録をする際に、なかなか書けないことがあるので、彼女たちに質問をしながら言葉を引き出すようにしています。そして、その文章を一度文字として書いてもらい、漢字に直せるところを修正し、彼女たちに説明をしています。その時間が日本語の漢字の学習につながるといいなという思いで行っています。
新様:マリーさんとアナさんはおそらく学校や教科書で学んだ日本語をしっかり使用して記録しているので、とても文章が丁寧です。むしろ文章として固いぐらいのときがあるので、少し砕けた表現なども教えるようにしています。
15)今後、彼女たちに期待していることをお聞かせください。
新様:今も一生懸命仕事に取り組んでくださっていますし、ぜひ定着していただけたらと思いますし、そうなっていただかなければ困るという点もあります。
山口様:彼女たちの大きな目標である「介護福祉士の取得」に向けて、内部研修や現場の仕事を通して彼女たちのスキルアップにつながるように協力していきたいと思っています。