事例紹介

CASE STUDIES

市立舞鶴市民病院

「今回の採用は院内の教育体制を
もう一度見直す機会になり、今いるスタッフを含め、
全員で一緒に成長することができました。」

2025.03.24

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施設情報

舞鶴市民病院は医療療養型病院として、地域に不足する慢性期医療を担っています。療養病床(100床)に特化し、急性期医療を担う市内公的病院や介護福祉施設との連携により地域医療に貢献するとともに、加佐診療所については、地域唯一の医療機関として地域における医療の維持、確保に努めています。

当社からは、2025年3月時点で特定技能3名(ミャンマー)をご採用いただいております。

施設名
市立舞鶴市民病院
所在地
京都府舞鶴市
HP
https://www.city.maizuru.kyoto.jp/kurashi/0000004346.html
採用人数
3名(ミャンマー)
登録支援の利用
当社に委託
※注意※
当記事に関する病院への直接のお問い合わせはご遠慮ください。

受け入れ施設のインタビュー

右:経営企画室 係長 大堂様、左:看護部長 根本様、中央:看護副師長 徳重様

右:経営企画室 係長 大堂様、左:看護部長 根本様、中央:看護副師長 徳重様

「外国人材の受入れは、当院にとってプラスな効果しかもたらしていないと思っています。」

1)外国人材3名をご採用いただく前の状況と、今回外国人材の採用を検討されたきっかけをお聞かせください。

当院では、これまでに日本に永住されているフィリピンや中国国籍の方が入職されたことはありますが、特定技能や技能実習などの制度を通じた採用の経験はありませんでした。

そのような中で、看護補助者が非常に少なく、看護補助者が本来行う業務を看護師が一部補う形になっていました。看護師も本来の業務が多忙なうえ、自分たちが望む看護ができなくなっていたため、モチベーションの低下にも繋がっていました。看護補助者の求人も出していましたが、なかなか応募がなく、日本の生産年齢人口減少の状況なども考えるとより採用の厳しさが増していくと感じました。そこで、早めに採用に向けて取り組まなければならないと思い、特定技能での採用の検討を始めました。

 

・採用を行う上での課題や大変だったことはございますでしょうか。

採用を進めていく中で、あまりにも情報がなかったので何をどうすれば良いのかがわからず、不安でした。

令和4年に入ったころからOURさんをはじめ、複数の人材紹介会社さんが来られた中で、特定技能制度を知りました。時代の流れ的にも外国人材採用を検討しなければならないフェーズが来ていると感じました。そこからインターネットなどで情報収集を行い、採用に向けて準備を始めました。

 

2)OURからご採用いただいた決め手を教えてください。

一番の決め手は、サポートが充実しているという点でした。教育面においても生活面においても想像よりもサポートが秀でていると感じたのでOURさんから採用を行いました。

 

・OURへ支援も委託いただいておりますが、OURの支援で役立ったことはございますでしょうか。

書類関係のサポートが非常に役立ちました。OURさんのサポートがなかったら、うまくいかなかっただろうと思っています。今回で、あわよくば手続きに関する技術を学び、今後は自分でできればと思っていたのですが、想像以上に難しかったです。 その点は、知識があるところへお願いするべきだと思いました。

OURさんは何をいつまでに用意して欲しいというのをしっかりわかりやすく提示してくださったので、書類の準備がしやすかったです。

 

3)受入れにあたり準備されたことはございますでしょうか。

業務面で準備したことは、彼女たちが使用するテキストの用意や教育スケジュールの計画などです。また、やさしい日本語について院内で学習し、マニュアルの整備も実施しました。マニュアルは、初めて看護補助者として勤務する方が見ると少しわかりにくい内容のものがあったので、日本人の未経験の方が見てもわかるようなやさしいものに作成し直しました。ルビなどはあえて打たずに、彼女たちへの説明の際に自分たちでルビを打つことで日本語の勉強になるようにしました。

そして、ミャンマーの文化や宗教などについてもファイルにまとめ、いつでもスタッフが閲覧できるようにしました。生活面では、病院からの呼びかけもあり、彼女たちが使用する家具や家電の準備を行いました。

受入れ後は、1カ月半程度、座学や食事介助、移乗介助などのロールプレイを行う研修を行いました。3名ともとてもやる気で早く現場に出たいという声もあり、とても積極的で前向きな気持ちを持っていると感じました。

 

・3名の入国前には、「内定者交流会」とOURの「やさしい日本語&コミュニケーション講座」にご参加いただきました。感想をお聞かせください。

内定者交流会は2回実施させていただきました。1回目はお互いに初めてで緊張していましたが、2回目になると、どのように日本語で会話や質問をしたらよいかという点も考えて参加することができました。彼女たちの様子や話し方、一人ひとりのキャラクターも知ることができたので非常に良い時間になりました。

やさしい日本語講座は、実際に現場で関わる看護補助者さんにしっかりと受講してもらいました。受講した方が、彼女たちへの言葉遣いや伝え方を他の職員にも周知してくれたので、現場ではみなさん上手にやさしい日本語を使用してコミュニケーションをとっていただいていると思います。実際に「この日本語はやさしくないな。もう少し、言い方を変えよう。」という会話も聞こえてきました。

 

4)入職前と現在の3名に対する印象をお伺いできますでしょうか。

徳重様:内定者交流会でもオンラインで話はしていましたが、本当に言葉が通じるのかかなり不安を感じていました。しかし、彼女たちが入職して話してみるとそんなことはなく、とても素直でかわいらしい性格をされていました。 現在は、日本語も上手になってきていますし、患者さまとも上手にコミュニケーションをとっているので、他のスタッフも喜んでいると思います。

根本様:入国されたばかりのころは緊張していて、表情も少し硬い感じでしたが、日に日に表情も和らいできて、現場に入るとさらに表情が明るくなってきたと思います。食事休憩の時間も最初は3人で食べていることが多かったですが、現場で業務を行うようになり、それぞれのタイミングで休憩をとるようになってからは日本人スタッフとの交流も広がってきていて、よかったと思っています。

 

5)業務への評価をお聞かせください。

入職当初は、ミャンマーの「タナカ」という白いお化粧をしていることがありました。マスクの下であれば見えないですが、患者さまから見える箇所にしていると「あれは何を塗っているのか」という質問がよくあったので、仕事中はつけないでおきましょうと3名に伝えたことがありました。そこは日本とミャンマーの文化の違いをお互いに感じたところだと思います。

そして、患者さまの中には外国人材に対して抵抗感を示している方もいらっしゃいましたが、彼女たちと接していく中で、やさしさに気が付き、今では「食事介助をあの子にしてほしい!」という声があるくらいです。

一緒に勤務するスタッフからは、今後一人で夜勤をするようになっていくと、しっかりできるのかという親心のような不安もありますが、現在一緒に業務を行っている中で、そのうち独り立ちできるようになるというビジョンが見えているので期待しています。

 

6)今回の採用が職場に与えた一番の影響を教えてください。

今回3名を受け入れるにあたりマニュアルは、誰が使ってもわかりやすいようにみんなで変えようという意見が出るなど、新しい日本人看護補助者の方が入ってきても、丁寧に業務を教えることができる環境に向けた第一歩になった気がしています。

また、彼女たちは何事にも一生懸命です。誠実で真摯な姿を見て、私たちも初心に帰って仕事ができているので、周囲に与える影響は大きいと思います。

 

7)指導されるうえで、意識していることや工夫されていることはございますでしょうか。

本当に伝えた内容が理解できているか確認するようにしています。日本人であれば、「わかりましたか。」と聞いて「わかりました。」という返事があったら伝わったと解釈しますが、彼女たちは「わかりました。」と返事があっても理解できていないときがあります。

とても素直に返事をしてくれますが、こちらが少し説明しきれていなかったところもそのまま受入れてしまうところがあるので、伝えた内容は繰り返し言ってもらうようにしています。 また、日本人同様に一度説明したことを、忘れていることもあるので、そこの部分も繰り返し説明や確認をするようにしています。

 

8)生活面ではどのようなことを3名へサポートいただいていますでしょうか。

大堂様:私は金閣寺へ行ったり舞鶴を案内しましたが、看護副師長の徳重は特に3名に対してわが子のように接してくれており、3人にとってお母さんのような存在です。ユニバーサルスタジオジャパン、ディズニー、鎌倉なども一緒に行っています。

徳重様:多くの人と触れ合った方がいいと思っているので、私は外国の方に教えながら自身も指導が上達するように努力しています。

 

・これまでにどのような相談事がございましたでしょうか。

スマホの電波が繋がらない、どのようなものを使って勉強したらよいのかわからないというような相談がこれまでにありました。彼女たちの友人のおすすめの日本語検定N2やN3のテキストを一緒に探したこともありました。

 

9)外国人材の採用をご検討されている方へのアドバイスをお願いいたします。

大堂様:外国人材の受入れは、現在までは当院にとってプラスなことしかもたらしていないというふうに思っています。人材が増えるという直接的なメリットだけではなく、業務の見直しや今回の外国人材の採用をきっかけに介護福祉士などの資格取得支援制度も病院として作ることができました。また、外部の方と関わる機会も増えるなど、間接的なメリットが非常に大きいと思っています。

徳重様:院内の教育体制をもう一度見直す機会になりましたし、今いるスタッフたちもさらに技術や指導力の向上のために頑張ってくれており、全員で一緒に成長することができました。

根本様:彼女たちの入職は、特に職場風土が変わるきっかけになったと思っています。 やはり、伝え方というところをこちらが考えるようになり、これまでは当たり前に伝わると思っていたことでも、しっかり噛み砕かなければ違う意味で伝わってしまうということを、関わる全員がひしひしと感じた1年間だったと思います。

3名を受入れている病棟と受入れていない病棟とでも、少し雰囲気の差が出てきているところもあるので、まだ受入れていない病棟でも外国人材の採用を検討しなければならないと思っています。

 

・外国人材の定着のために必要だと感じることを教えてください。

大堂様:彼女たちだけの時間をなるべく少なくして、関わることが大切だと思います。ひとりぼっちにさせない、彼女たちだけにしないようにした方がいいという助言もあったので、私も早めに我が家に3人を呼んで一緒に食事をしたり、たこ焼きを作ったりしました。徳重さんも根本さんも本当に普段からもよく関わってくれています。

紹介人材コメント

左:アンさん、中央:フォンさん、右:チョーさん

左:アンさん、中央:フォンさん、右:チョーさん

「舞鶴市民病院で長く働きたいので、私は介護福祉士になりたいです。」

1)なぜ日本で働こうと思いましたか。

フォンさん、アンさん:日本は介護の技術が高く、安全な国です。そして、日本人はルールや期日もしっかり守る人が多いです。だから、私は日本の文化や日本人の仕事の仕方を学びたいと思い、日本で働きたいと思いました。

チョーさん:日本人は規則などを守る人が多いと聞きました。それを聞いて日本人と一緒に仕事をしたいと思いました。また、日本人から学びたいこともたくさんあったので日本で働くことを決めました。

 

2)介護の仕事を選んだ理由を教えてください。

フォンさん:祖母が病気になったときに私が祖母のお世話をしました。 私がサポートすることで祖母の体調が良くなっていきました。 そして、笑顔でありがとうと言われたときとても嬉しかったです。それから介護の仕事に興味を持ち、働くことを決めました。

アンさん:私もミャンマーで祖父母と一緒に住んでいました。そのとき、2人のお世話をしていて、私には介護の仕事が合うと思ったので選びました。

チョーさん:私も子どものときに家族のお世話をしたことがあります。食事介助や一緒に散歩をするなかで、人の尊厳の大切さを学びました。そして、お年寄りの方とお話をすることも好きなのでこの仕事を選びました。

 

3)OUR BLOOMING ACADEMYミャンマーに入校を決めたのはなぜですか。

フォンさん:OUR BLOOMING ACADEMYの先生は介護や日本語の教え方が分かりやすいと評判だったのと、アカデミー内のルールもしっかりしていたので選びました。

アンさん:私はFacebookのコメントや投稿でOUR BLOOMING ACADEMYの情報を見て、良い学校だと思ったからです。実際に授業もわかりやすかったです。

チョーさん:日本語も介護の授業もわかりやすく、学生思いの先生が多くいることが分かったので入校を決めました。

 

4)現在の仕事について教えてください。

・担当している業務はどのようなものがありますか。

フォンさん:入浴介助、排せつ介助などを行っています。去年の12月からは3人とも夜勤をはじめました。

 

・業務を行う上で気を付けていることや患者さまとの関わりで意識していることを教えてください。

全員:患者さまを車いすへ移乗するときやベッドの柵の開け閉めなどは怪我がないように気を付けています。また、おむつ交換はカーテンを閉めて個人情報やプライバシーを守ることを意識しています。

アンさん:食事介助のときは患者さまが咳をしているときは特に誤嚥しないように気を付けています。入浴の時も、患者さまが動いてストレッチャーから落ちることがないようにしています。

 

4)患者さまや職員の皆さんとのコミュニケーションで気を付けていることはありますか。

チョーさん:患者さまへは丁寧な言葉遣いをするようにしています。耳が遠い方も多いので、大きな声で伝えています。

日本に来たばかりのときは、3人とも何もわからなかったので先輩たちがしっかり教えてくれました。何回も質問しても優しく接してくれて、仕事の話だけではなくプライベートの話もします。

フォンさん:私たちはまだ日本語が上手ではないので、知らない言葉や分からないことは先輩たちに聞くようにしています。

アンさん:日本語や言葉遣いを間違えても、みなさん私たちにやさしく丁寧に教えてくれます。

 

5)日本に来てから一番嬉しかったことは何ですか。

フォンさん:職員の方が連れて行ってくれて、ユニバーサルスタジオジャパンに行ったことです。仕事では皆さんが優しく教えてくださったことが嬉しかったです。

アンさん:仕事で私にやさしく接してくださっていることです。いつもサポートしてくださっています。

チョーさん:私が一番嬉しいのは、この病院で働くことができていることです。周りの人がサポートしてくれて、いつも応援してくれています。

 

6)現在どのような勉強をしていますか。

全員:日本語検定試験の受験に向けて日本語の学習をしています。介護の勉強は仕事の中で覚えて、よく使う言葉は家で勉強しています。

 

7)今後の目標を教えてください。

フォンさん:私は日本に長く住みたいので、ここで働いて経験を積みたいです。そして日本語検定N2を取りたいです。そのあとは、介護福祉士を取りたいです。

アンさん:この病院でもっと働きたいので、介護福祉士になりたいです。

チョーさん:日本でずっと働きたいです。そのためにN3、N2の勉強をしてもっと日本人と話せるように頑張りたいです。

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