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事例紹介
CASE STUDIES
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社会福祉法人やまりき松寿会 やまりきの郷
社会福祉法人やまりき松寿会 やまりきの郷は、平成29年12月長野県飯田市に「地域のみなさまから愛される施設」をモットーに開設されました。以来、ご利用者様個々のご希望に応えるため、質の高い心あたたまるサービスを提供されています。
当社からは、2024年11月時点で特定技能介護人材2名(ミャンマー)をご採用いただいております。
施設長 菅沼様
ニモさん、キンさん(仮名)
1)日本で働きたいと思った理由を教えてください。
ニモさん:日本の勤勉で高いサービスを提供する文化にあこがれを抱き、日本で学んで成長したいと思ったからです。
キンさん:日本は高い技術があり、外国人へ雇用の機会を提供するだけでなく、安全な国だと思うので、日本で働きたいと思いました。
2)介護の仕事を選んだ理由は何ですか。
ニモさん:人の役に立つ仕事を通して、自分自身も成長したいと考えたからです。介護を通して、必要としている人に安心と喜びを届けられる点に魅力を感じました。
キンさん:介護の技術を身に着けたいと思ったからです。
3)入職してから嬉しかったことを教えてください。
ニモさん:利用者様が私に笑顔を見せてくださったときです。日々、ケアをしている中で信頼関係を築くことができたと感じて、とても嬉しかったです。
キンさん:利用者様と初めて話した時が一番楽しかったです。
4)現在の業務と利用者様との関わりで気づいたことは何ですか。
ニモさん:1日の流れとしては、朝におむつ交換と水分の準備をします。その後、お昼ご飯の準備と食事介助を行います。午後はおやつやお茶の準備をしています。業務を行うときは、安全面を最も重視しています。特に、ものが置いてある場所などのリスクがある場合は事前に危険を察知し、安全対策をする必要があると思います。
そして、利用者様へのちょっとした声かけやあいさつでも利用者様が笑顔になってくれることに気づきました。言葉が持っている力や大切さをあらためて感じています。
キンさん:利用者様の生活のケアを担当しています。仕事をするときは、利用者様の状態を確認し、安全に気をつけるようにしています。利用者様との信頼関係が大事な仕事なので、良好な関係を築くことが大切だと思いました。
5)現在の日本語と介護の学習について教えてください。
ニモさん:今は、JLPT(日本語能力試験)のN2レベルを勉強しています。そして、介護の仕事で使う言葉をネットを利用して学習しています。
キンさん:仕事で日本語をよく話すようにしています。少しずつ、日本語を話すのが上手になってきました。介護は、入浴介助の方法を勉強しています。
6)日本での生活はどうですか。
ニモさん:近くに買い物をするところがたくさんあるので、生活しやすいです。出かけたときも、わからないことがあればみなさんやさしい日本語で教えてくれます。
キンさん:仕事の仕方や食べ物などもミャンマーとは違うので、最初は少し大変でしたが今は少しずつ慣れてきました。職員のみなさんも、わからないことがあればやさしく教えてくれるので楽しく過ごせています。
7)これからの目標はありますか。
ニモさん、キンさん:介護福祉士になりたいです!
※本インタビューは2024年11月に実施いたしました。
1)外国人材の採用をはじめたきっかけと、特定技能で採用された理由をお伺いできますでしょうか。
外国人材の採用をはじめたきっかけは、新たにサテライト特養の建設計画が持ち上がったことです。すでに令和6年5月にオープンしましたが、40床規模の特養だったため、職員を30~40名ほど採用する必要がありました。しかし、昨今の人口減少や人手不足の問題があり、確実に人材を集めることができる方法の一つとして外国人材の採用を決めました。
以前、EPAに申し込みをしましたが、当施設の所在地が長野県飯田市で、いわゆる首都圏から非常に遠いところにあり、車以外の交通手段がなかなかないところであること、また、日本の円安の問題なども加わり、当施設への申し込みはありませんでした。その後、特定技能制度が開始され、実際に当施設でも外国人材の採用を行うことができたため、特定技能での採用を行いました。
2)OURからご採用いただいた決め手はございますでしょうか。
海外現地に特定技能の専門分野と日本語の教育を行う学校(OUR BLOOMING ACADEMY)を持ち、学費も無償で学生を募集されています。入校や紹介までにもいくつかスクリーニングがあり、それをクリアした方だけをご紹介いただけるという仕組みに安心しました。
外国人採用にはリスクが伴うと考えています。紹介された方が実は介護の仕事をしたいと思っていなかったという話を聞いたことがあり、そのような場合は受入れる側としても大きな負担になってしまいます。大事なことは、確実に介護の仕事をしたいという意思があること、向上心を持って仕取り組んでくださること、基本的な日本語と介護のスキルを身につけてることの3点だと思います。OURさんのシステムならば、これらのポイントがしっかりと担保されており、リスクが少なく確実だと感じたため、お願いすることにしました。
・実際に外国人材を受入れてみて、印象はいかがでしょうか。
とても礼儀正しくて真面目です。現在も、勤勉に働いてくださっていて、日本語の習得に関しても順調に取り組んでおり、日々成長を感じています。できることが着実に増えている印象です。
3)外国人材の受入れについて、不安に感じていたことや心配していたことはありますか。
実際に、受入れてみなければどのような問題が生じてくるのかがわからないところもありましたが、特定技能は日本人と同様に転職も自由なので、その部分で不安もありました。また、当施設がある長野県飯田市は首都圏に比べると田舎にあるので、こちらを選んで来てくださるのかという心配もありました。受入れ後から現在までに大きな問題はありませんが、体調を崩されたときに駆けつけたり病院を紹介したり、生活のサポートをしました。
また、新規の施設ということもあり、日本人職員の中には、外国の方と働くことについて、「その日本語能力では仕事にならない」といった声を上げる人もいました。そのため、職員への教育が必要でした。具体的には、母国にいる家族の生活を支えるために送金しなくてはならない立場にあること、また、日本のことが詳しくわからない状態で働くことへの大きな不安を抱えていることを伝え、優しく受入れて接していきましょうという指導をしました。
現在は、職員が食事会に連れて行くなど、プライベートの面でもサポートをしており、私も見守るようにしています。
・OURに登録支援を委託いただいておりますが、委託した理由や役立ったことはございますか。
先日、2人と一緒に食事をした際に「支援担当者さんと連絡は取っていますか?」と尋ねたところ、「取っています」という返答がありました。本人たちも日本で安心して過ごしている様子から、定期面談などで連絡を取り合ってしっかりと支援をしていただいていると感じています。また、定期報告などの書類作成についても、OURさんにご支援いただきながら、進めていこうと思っています。
4)受入れにあたり施設で準備されたことはございますか。
準備したことのひとつが職員宿舎の整備です。当施設のすぐ近くにたまたま所有していた一軒家を活用しました。しばらく使用しておらず、築10年以上経っていたため、エアコンの新調やお風呂設備の修繕、冷暖房がしっかり効くように二重サッシにするなど、リフォームを行いました。
また、入社に合わせて自転車や布団を用意し、冬場には冬物の上着を支給するなど、生活面のサポートも行っています。
基本的に私は相談があった際の最終窓口になっています。普段から気軽に相談ができるように、外国人材の生活面をサポートする担当者と、業務面をサポートする担当者をそれぞれ配置し、受入れ体制を整えています。
5)初めて外国人材を受入れる施設へのアドバイスをお願いします。
離職を防ぐ観点で、労働環境や生活環境の整備を法人として先回りして支援することが重要だと感じています。
また、すでに施設で働く日本人職員のみなさんの中には、外国人材の方と一緒に働くことが初めての人も多いため、外国人材への接し方などの基礎教育も必要だと思います。その部分に介入していかなければ、気づいたときには本人が傷つき、母国へ帰国したいと考えてしまうことになりかねません。そうなる前に対策を講じることが大切だと思います。
さらに、入国後のサポートも重要だと思います。例えば、語学資格の取得を目指して日本語能力試験(N3、N2)などを受験する際、当施設のある飯田市から松本市などの試験会場まで行く必要があります。最初は、「電車やバスはありますか」という相談があったのですが、試験時間との兼ね合いなどで送迎などの支援も行うことにしました。
また、プライベートでも2ヶ月に1回程度、みんなで食事に行くなど、楽しく交流できる時間も作るようにしています。
6)今後の外国人材の採用計画を教えてください。
会社見学会を毎月開くなどして、日本人の採用活動も積極的に進めていますが、今後、人口減少や人手不足がさらに進み、採用環境は一層厳しくなっていくと思います。そのため、状況をみながら外国人材の定期的な採用も継続していきたいと思います。
5年経っても当施設で働き続けてもらえたら嬉しいですが、特定技能は5年が一つの区切りとなっているため、採用に途切れが生じないよう、一定数を確保できる体制を検討していきたいと思います。
二モさん、キンさん(仮名)それぞれの現場指導担当者様もご回答いただきました。
7)外国人材を採用する際に現場で準備したことや実際に受入れ後に意識していることはございますか。
二モさん指導担当者様:外国人材への指導担当者は3人で担当することが決まっていたので、職員の中で受入れに向けた心の準備はできていました。
実際に受入れ後は、本人が伝えようとしていることを最後まで聞き、焦った指導をしないように単語で分かりやすく丁寧に話すようにしています。また、職員間で指導状況を共有し連携を取っています。
日本文化に親しんでもらうためにも、季節の行事に一緒に参加したり、文字だけでは伝わりにくい日本の食事メニューは、実際に食べて覚えてもらったりもしています。
キンさん指導担当者様:受入れに向けて、業務内容をできるだけわかりやすい言葉で記載したマニュアルを準備しました。
受入れ後は、日ごろから丁寧かつ親切に接することを意識しています。事前にミャンマーの文化を調べた際に、人前で指導されることに慣れていないという情報を得たので、指導する際はその点は気を付けています。
また、楽しみながら学んでほしいと思っているので、普段の会話の中でミャンマーの食事や入浴、お祭りなどの文化について聞き、私たち自身もミャンマー文化について学ぶようにしています。
8)ニモさん、キンさんへの評価や2人が職場へ与えた影響などを教えてください。
二モさん指導担当者様:最近は利用者様との距離が縮まり、現場の雰囲気にも馴染んでいる様子が見られます。自分から積極的に介護業務を行ってくれていて、日本語の勉強に対してもとても意欲的です。2人が入職してくれたことで、挨拶の大切さや仕事に対する姿勢、基礎的な声かけの見直しなどが進み、他の職員の業務に対する意識改善につながったと思います。
キンさん指導担当者様:入職当時から、笑顔が素敵で受け答えも一生懸命だったので好印象でした。現在では業務も覚え、真面目でやる気も見られるのでますます良い印象を持っています。
一方で、もともと人員不足の中で日本人同士でも業務を教えることが難しいこともあるので、外国人材を指導するには苦慮している面もあるという意見が職員の中から挙がることもあります。しかし、慣れない海外で、親元を離れて頑張っている若い2人を見ると、こちらも頑張ろうという気持ちになります。他の職員も、間違ったことを教えないように一層気を付けて業務することができるので、職員全体のスキルアップにもつながっていると思います。
9)現在と今後の業務内容をお聞かせください。
二モさん指導担当者様:現在は、メインで担当しているユニットを決めて、利用者様との関わりを増やしています。基本的な介護技術は身についてきているので、今後は個別ケアに着目して、さらに利用者様との関わりを増やしていきたいと考えています。
また、ショートステイでの業務は行っていませんが、コミュニケーションスキルの向上のために本人にとっては良い刺激になるのではないかと思っています。ニモさんとも相談しながら、できることを増やしていきたいです。
キンさん指導担当者様:現在の業務内容は、離床、臥床介助、食事介助、パットや物品の補充、ごみ捨て、一部与薬介助など、介護の基本業務を行ってもらっています。今後は、入浴の送迎、着脱介助、ドライヤー等の整容を行ってもらう予定です。
10)指導するうえで今後の課題や期待していることを教えてください。
二モさん指導担当者様:言語の壁は今後も課題になっていくと思います。日本語でのコミュニケーションにはまだ難しい点もあるようですが、積極的に筆談を行ったり、日本語能力検定試験にチャレンジしたりと、日本語を覚えようとする意識が高いです。
期待していることは、利用者様とのコミュニケーションに英語を取り入れたり、外国人材に適した指導方法や通訳をしたりするなど、日本人職員との間に入ってもらえるような存在になってくれることを期待しています。
キンさん指導担当者様:漢字などを徐々に覚えてきていますが、まだカタコトの部分もあり、利用者様が言葉を聞き取れていない場面も時々見受けられます。ケース記録や日々の記録などを読んで理解することがまだ難しいので、伝達をどのようにしていくかは今後の課題であると感じています。
一方で、仕事へ一生懸命に取り組む姿勢は職員に良い影響を与えてくれているので、今後は語学力を高めてもらえることを期待しています。