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事例紹介
CASE STUDIES
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医療法人清幸会 三原城町病院
三原城町病院は、広島県三原市にある病院です。
「私たちは医療を通して身近なまちの安心を提供します」の基本理念のもと、患者様へ医療を提供されております。
当院においては、当社の特定技能人材が初めての外国人材採用となります。
(ミャンマー人材2名:2023年7月入職)
理事・事務部長 梅野様、看護部長 西本様、看護師長 高橋様
左:ショーさん、右:カンさん(仮名)
1)なぜ介護の仕事をしようと思いましたか。
ショーさん:私のおじいさんをお世話していたように、患者様にも優しくお世話をしたいと思ったからです。
カンさん:介護は面白い仕事で、人をお世話することが好きだからです。
2)現在(入社3か月)の業務内容を教えてください。
ショーさん:入浴介助や食事介助、おむつ介助などいろいろな仕事をしています。入浴介助は最初は少し暑かったですが、今はもう慣れました。その他に大変なことはありません。
3)仕事をしていて楽しいことはありますか。
カンさん:患者様と一緒にお話することです。段々日本語を上手に話せるようになってきたので、うれしいです。
4)これからの目標を教えてください。
ショーさん:まず、日本で5年間働いて、その間に介護福祉士の試験を受けるつもりです。合格したら、10年以上日本で働きたいです。次回の日本語能力試験はN2を受けるつもりです。
カンさん:この病院で5年間働いて、帰国したら日本での経験を生かしたいです。介護福祉士は取れたら取りたいです。今は、N2試験の合格に向けて本を使って勉強しています。
※インタビューは2023年9月に実施いたしました。
<ご回答者>理事・事務部長 梅野様
1)外国人採用を検討したきっかけを教えていただけますか。
どの施設や病院も同じ状況かと思いますが、“人手不足”と“看護助手という職種での採用の難しさ”がきっかけです。また、今のうちに海外人材採用を経験しておかなければ、今後中国やインドなどの他国に人材採用で遅れを取るような状況になるのではないかと考えました。そのため、今のうちから採用に向けて動こうと思いましたが、ちょうど新型コロナウイルスの流行が始まったばかりの頃でした。加えて、ミャンマーの政情不安が少しあり、本当に入国できるだろうかという不安や心配がありましたが、入国制限期間の約1年の間に、しっかり受け入れ準備ができたという点は良かったと思います。その間もOURさんがしっかり連携を取ってくれたので、不安なく受け入れることができました。日本語の試験が何度も延期になった中でも、2人はしっかり日本語の勉強をしてきてくれました。
2)OURから採用をした決め手を教えてください。
しっかりフォローしてくれるところと費用的にも他社と比べて、比較的リーズナブルに採用ができると感じました。他社からも話を聞きましたが、「最初に入国した段階で何十万円か先払いしてください」というような紹介会社さんもいらっしゃいました。そのような会社と比較すると全然良心的だと思いました。最終的には、しっかりとしたフォローをしてくれるという点で決めたのでその面は期待しています。
・登録支援も委託いただいていますが、OURの支援に期待していることはありますか?
当院としても初めての外国人採用です。彼女たちが上手く成長していくことで、今後の外国人採用に繋がるため、今回の採用はものすごく大事。必ず、目標をもって入国しているわけですから、当院に入職して終わりではなくて、それぞれの目標を達成してほしいと思っています。そのためOURさんには、彼女たちが3年後や5年後に介護福祉士などの希望する資格を取得できるようにサポートして欲しいです。当院でも介護福祉士は在籍していますが、院内の教育や指導だけで2人に資格を取得してもらうところまでもっていくのは難しいのではないかと思っていますので、上手く支援していただき、彼女たちには5年後、幸せに帰国してもらいたいと思います。5年後もさらにうちで働きたいと言ってくれたら、もちろん我々は幸せです。
3)初めて外国人材を受け入れる施設で、気を付けていただきたいポイントはございますか。
しっかりとした紹介会社・登録支援機関と組むということが大事だと思います。私も後に勉強しましたが、受け入れるための制度の違いであったり、年金の問題であったり入国の手続きは多岐にわたるので本当に大変で複雑。しっかり専門的なノウハウがあるところでないと手続きを進めることはなかなか難しいと感じました。
<ご回答者>看護部長 西本様
4)ショーさん・カンさんへの印象はいかがですか。
入社してすぐは控えめな返事をしていたので、私たちの言葉が理解できているのか不安でした。しかし、はじめから真面目にメモを取っており、2人のやる気は見えていました。また、マスクをしていても伝わる笑顔が素敵でした。
2人が担当している病棟の患者様は意思疎通が取れない方も多いですが、現場職員からは本当に優しく接していると聞いています。ベットネームで確認したり、職員に聞いたりしながら、必ず患者様の名前を覚えて、名前で呼びかけてから挨拶をすることをはじめから心がけていました。日本人の職員が見習わなければいけないと思いました。相手のことを思いやる気持ちや、心がけは今後も初心を忘れずに続けて欲しいです。
5)指導する立場として、受け入れ前に抱いていた不安や準備したことはありますか。
介護をしたいという想いをどれくらい持っているのか、現地で勉強をしてきているとはいえ、どの程度介護の知識があるのかという点が不安でした。しかし、当院では介護経験者以外にも未経験の方も採用しているので、まずは未経験の方と同様の指導をしようと職員と話をしていました。
あとは理解力。コミュニケーションの取り方は、職員たちは不安だったと思います。「うん、うん」と頷いてくれたり、「はい」と返事をしてくれたとしても、どこまで伝わっているのか分からないという不安はありました。そのため、受け入れ前にはタイムスケジュールや簡単な業務マニュアルを全部ひらがなに直したり、ルビを打ったりしました。
また、ミャンマーから持ってくるにも限度があるだろうと思い、生活面の準備もしました。職員に声をかけて使用していないものを集めたり、電化製品やお米などを用意したりしました。直近では、2人に合う靴を履いていただきたいと思い、職場で使用する靴をプレゼントしました。
・実際に、受け入れてみて不安に感じていた点はいかがでしょうか。
こちらがゆっくり話すことで、私が想像していた以上に日本語でコミュニケーションをとることができます。最近は2人の性格が少しずつ見えてきたので「もう1回ぐらい念押ししよう」、「2回伝えて分かったと言っているから大丈夫」というように、コミュニケーションの取り方が分かるようになりました。
私は普段の生活や困ったことをフォローすることが多いので、時々声をかけるようにしています。彼女たちも困ったことが起きたときはしっかり伝えてくれます。
6)指導する際に気を付けていることはありますか。
やはり日本語で話すときは、ゆっくり説明することを心がけています。また、広島は方言があるので早口にならないことと、日曜出勤や夜勤などの独り立ちまでの時期は、介護の経験がない日本の方を指導するよりも長いスパンで見ることを心がけています。
<ご回答者>看護師長 高橋様
7)ショーさん・カンさんに対する現場職員の皆様からの反応はいかがでしょうか。
最初は広島の方言もあるので、自分たちの日本語が伝わるか心配していましたが、実際に入国されると日本語が上手で驚きました。また、入国前の期間に、ミャンマーから病院に年賀状が届きました。それを見て、本当に日本ならではの文化も良く周知していると、みんなで見て感動しました。
※OURアカデミーにて、日本文化を学ぶ取り組みの一環としてオリジナル年賀状を作成いたしました。
8)受け入れにあたっての、現場での取り組みについて教えてください。
2人の受け入れは業務に一貫性を持たせるとてもいい機会でした。看護補助の業務は皆さん同じ内容ですが、やはり慣れてくると業務の流れが自己流になっていました。このことは、外国から来る2人にとっては毎日一緒に業務を行う先輩が違うので、難しいだろうと思いました。そのため、彼女たちの入社までに、私たちができることは何かを議論し、マニュアルを作り直しました。
また、入社後には初めての試みとして、1日の業務の中で振り返りの時間を作り、業務の振り返りシートを記入してもらっています。振り返りシートには、1日の各業務についての工程やチェック内容があります。ショーさん、カンさんができたと感じた点、指導者から見た改善点などを共有し、指導する側とされる側が少しでも同じ方向を向いて歩んでいけるようにしています。
▲振り返りシートへの記入の様子
現在は、お風呂のフォローや、食事の介助をしてもらっていて、即戦力のような状態です。全然想定していなかった2人の反応もありました。ミャンマーではお風呂(シャワー)にお水を使用するようで、初めて日本で患者様のシャワーなどにお湯を使用した時は、とても驚かれていました。「日本は違うね」という会話し、日々の業務の中で感じる文化や生活習慣の違いというのも受け入れてくれました。
9)指導するうえで、今後の課題と感じる点はありますか。
病院では「清潔・不潔」がどうしても目に見えない対応になります。私たちの病棟は補助の方がいないと成り立たない業務が多く、コロナに関する対応など、そういったことを踏み込んでできるかはいま確認中です。大切なことなので、現場からも「本人たちに理解してもらってできるようにしていきたい」という声を聞きます。病棟には難病指定の患者様も多く、自分で発言できる方というのは少ないため、自分から気づいて動くことが多いです。会話ができる患者様にはとても楽しそうに日本語で対応してくださり、慕われているので、その点がいろんな患者様にも伝わってほしいと思います。
10)ショーさん・カンさんに期待していることを教えてください。
今後期待していることは、スキルアップです。現在は、病棟内で平日の日勤をしていただいています。10月ぐらいから日曜・祝日の業務に入ってもらおうと考えています。平日とは若干業務内容やスタッフの人数が違いますし、先輩指導者がつくのではなく、業務については全部自分でやることになります。日本人でもなかなか大変なことなのに、それとほぼ同等にお願いできる状況になってきているのはこの短期間ですごいと思います。時期を見て2人のペースで、とは思っていますが、院内では夜勤の話も出ています。その目標に十分到達してくれる職員さんじゃないかなと思います。
2人の性格もあり、こちらからしても話しやすく、分からないことがあったら「これはなぜですか?」など、自分から尋ねてくれるのでありがたいと思います。今は少し業務が先行してしまっていますが、常に“なんでだろう・どうしてだろう”という気持ちは伝わるので、自分たちが行う業務の意味を理解してから動かれているというのが分かり、先の成長がとても楽しみです。