事例紹介

CASE STUDIES

社会福祉法人大淀福祉会 地域密着型特別養護老人ホームわかば

「彼女のように前向きに頑張ろうと一生懸命
寄り添うことができていると、ご利用者やご家族にとって
安心に繋がるのではないかと思います。」

2023.10.16

facebook X

施設情報

地域密着型特別養護老人ホームわかばは、平成28年12月に開設された高齢者向け入居施設です。
社会福祉法人大淀福祉会では、当施設の他、ケアハウス、特別養護老人ホーム、デイサービスセンターなどを運営し、ご高齢者様の「安心・安全・快適」生活の実現に取り組まれています。法人内での外国人材採用を積極的に進められており、留学生11名、技能実習4名、特定技能11名の計26名を採用されています(7月31日時点)。

当社の人材についても、地域密着型特別養護老人ホームわかばをはじめ、他法人内施設にて多数のご採用をいただいています。

施設名
社会福祉法人大淀福祉会 地域密着型特別養護老人ホームわかば
所在地
宮崎県都城市
HP
http://www.oyd-welfare.jp/
採用人数
4名(ミャンマー)
登録支援の利用
当社に委託
※注意※
当記事に関する施設への直接のお問い合わせはご遠慮ください。

受け入れ施設のインタビュー

施設長 大峯様(写真左)、介護長 花岡様(写真右)

施設長 大峯様(写真左)、介護長 花岡様(写真右)

「仕事人として、ひとりの人間として成長していく姿を見せてくれるのはすごく楽しみです。」

※インタビューは2023年8月に実施いたしました。

<ご回答者>施設長 大峯様

1)外国人採用を検討したきかけを教えていただけますか。

当施設をオープンした際、職員を募ったのですが非常に集まりが悪かったです。これまでもそういう印象はありましたが、こういった大きな施設を開設しようとした時に、こちらの募集に対してすぐにフルオープンできるほどの応募がなかったのが現実でした。色々な媒体を通して募集した結果でしたので、これではこの先が不安だなと。また、(人員が)揃えばいいというだけではなく「質」も考えていきたいと思った結果が“外国人”でした。ベースが日本人と違って経験がない人たちではあるものの、素質というか、いろんなことを学んで吸収してくれるその将来性までを考えたら、外国人という人材に目を向ける必要があると思い行動しました。

 

2)留学生をはじめ様々な制度の外国人材を受入れていらっしゃいますが、特定技能の採用に至るまでの経緯について教えてください。

なぜ留学生に活路を見出したかというと、日本語や介護の知識などの学びをしてくるという安心感があったからです。そこで最初に留学生を採用し、外国人の方との接点ができて少し自信がついたので技能実習を受け入れましたが、技能実習の仕組みはいろんな縛りがあり難しい点もありました。あくまで技術等を習得しに来ているという制度になりますので、特定技能の方が働く仕組みとしては理解しやすいのかなと。特定技能はすごくシンプルで私たちとしても捉えやすいし、利用する側も働く側も対等な関係で、こちらが求めること、そしてそれにちゃんと応えることが明確にしやすい仕組みだと思います。

 

3)OURから採用をした決め手を教えてください。

もともと(介護以外の)他の職種での技能実習から特定技能へ切り替えた方々を受け入れていましたが、基礎的な日本語、介護の知識をお伝えし直すことに難しさを感じました。介護はどうしても日本語力が問われ、コミュニケーション能力が高くないといけないためN4から始まっているんですが、他分野でそうした縛りがなく働いていた元技能実習の方は、日本に数年いるといっても習得がおぼつかなかった点があります。日本にいた経験からそれなりの価値観を持っておられるため、介護の価値観をまた一からというのもなかなか難しかったです。
そうしたなかで、現地での人材選定や教育の仕組みがちゃんと整ったうえで育成された人材の、ご紹介を受けるという点に魅力を感じました。また御社の場合は、人材からは費用を貰わずに現地学校に受け入れをしているため、一定のレベルに達しない人たちはご遠慮いただくことができます。日本語がほとんどできない方でも、とにかく日本へ送り出さないといけないという関係性だと、質が担保できないことを経験したので、そうじゃない仕組みを作っておられる御社のシステムはすごいなと思いました。 


・登録支援も委託いただいていますが、OURの支援に期待していることはありますか?

費用対効果や安心感、いろんなことを考え、お願いするという結論がでました。言葉が難しいなどで、私たちからの指導だけではどうしても届かないことがあるんですね。そんなときに母国語で話ができない我々のことをフォローしていただけるのは、育成や生活面でも必要かなと思いました。微妙なニュアンスは母国語で伝えた方がいいだろうなと思うことも多々あって、誤解を招きたくないし、私たちも誤解のままで終わらせたくないので、そういった意味での支援はあった方がいいだろうと判断しました。

 

4)外国人材を受入れるに当たり、不安はありましたか。

一回の面接や面談で判断することに難しさを感じました。その人たちの本当の姿が面談という限定された状況のなかでも、より正確に伝わるよう、本人の価値観や個性が分かるようなやり取り・工夫をしていただけると安心できると思いました。実際、私たちが知りえない情報が生活をし始めて影響することもあるので、事前に精査していただいて、より正確にお伝えいただけるとありがたいです。

 

5)初めて外国人材を受入れる施設で、気をつけていただきたいポイントはありますか。

複数の事業をやっておられていろんな方を配属しようと思っている施設はもとより、一つの施設であったとしても、配属を決める前にどこか一カ所でちゃんとした指導者がいて、本人の性格や理解度を評価できる時間を作られるとその後がよりスムーズにいくんじゃないかと思います。
どうしても早く仕事をさせたいと思い配属を急いでしまうと、その人の進捗状況が見えにくくなったり、他の人との比較が難しくなったりします。最初にそこをしっかり把握しておくと客観視することができ、本人たちも学んでいくんじゃないかと思います。

 

6)センさんが職場やご利用者様に与えた良い影響や新しい発見はありましたか。

センさんの声かけが「すごく優しい」と印象に残ったご利用者がいて、その方が「今度来た子は優しくていい子なんだよ」とご家族にも話されたみたいなんですね。そしてご家族からそうした情報が入った際、本人にフィードバックすると、すごくうれしそうな顔をしていました。彼女のように前向きに頑張ろうと一生懸命寄り添うことができていると、例えば、介助を早く覚えて業務的なことを身に着けるよりも、よっぽど、ご利用者やご家族にとって安心に繋がるのではないかと。彼女はそれをしっかりと示してくれたのではないかなと感じました。


 

7)今後センさんに期待していることはありますか。

学ぶこと、努力することを惜しまない子なので、いま彼女には「介護福祉士を取って、できればずっと日本にいよう。もう少し勉強したら介護支援専門員という資格もあるんだよ」と話しています。スキルアップをするプロセスをお示ししておくと、逆に励みになるんじゃないかと思いながら、ぜひそうなってくれたらうれしいという期待を持っています。仕事人として、ひとりの人間として成長していく姿を見せてくれる、そういう変化を見せてくれるというのはすごく楽しみですね。

 

8)今後の採用計画を教えていただけますか。

現在、全体の35%近くが外国人というのが法人の実態です。外国人の方々にもいろんな将来像が出てきて自分の生活を広げていく人たちも出てくるので、今いる人たちが定住するということではないですし、無理にそこにこだわる必要もないのかなと思っています。外国人の方の割合を何%ぐらい占めていくことが適正なのかを法人としても考えていきながら、当面は年間で数名を採用しながらバランスを取っていく必要があると思います。

<ご回答者>介護長 花岡様

9)現在(入社8か月)どのような業務を任せているか教えてください。

早番から夜勤まで日本人と同じシフトをこなしています。センさんに関しては、夜勤が早くできるようにと自分でも目標を掲げていたので、リーダーのスタッフと約2か月間夜勤のトレーニングを行いながら、先日めでたく独り立ちできて自信につながっていると思います。
センさんは本当に頑張って自分でいろんなことを勉強しているのが分かったし、「この方にはこういう対応が必要」というのを自分なりにまとめてよく質問をしてきました。想定よりも上達具合は早いです。努力家で勘もいいですし、自分に求められていることをいち早く理解できていると思います。

 

10)外国人材を指導する際に気をつけていることはありますか。

丁寧に教えていくのはもちろんですが、日本人と区別をつけないことです。外国人だからこの会議に出ても意味がない、分からないということではなく、日本人も外国人も同じ会議に出てもらって、議事録も書いてもらいます。できるかなと思っていたんですが、何かしらみんな頑張ろうとしていて、日本人よりもきれいな言葉だったり、会議のなかで出てきた話をきちんと解釈できていたりするので、あえて区別をつけずにやっています。サポートも大変なんですが、そういう機会が多くなるほど日本語も勉強して、能力も上がってくるのではないかと思います。

 

11)今後期待していることはありますか。

人材不足だからといって質は落としたくないんですが、本質を理解していないとできないことは沢山あります。思いやりや利用者さん中心で物事を考えていくなど、介護の大事な部分をいろいろ教えながら、センさんたち外国人の方が次の世代に教えていけるように、自分たちもサポートしていければと思います。社会勉強や指導の在り方も学んでもらいたいです。

紹介人材コメント

センさん(仮名)

センさん(仮名)

「来日から3年以上経ったら介護福祉士の資格試験を受けるつもりです。将来は日本で暮らしていきたいです。」

1)なぜ介護の仕事をしようと思いましたか。

私のおばあさんをお世話していた経験から、日本で介護の仕事をしても大丈夫だと思いました。

 

2)現在の業務で大変なこと、気を付けていることはありますか。

おじいさん、おばあさんがご飯を食べない、元気がない日は私も悩みます。そういう時はユニットのリーダーや一緒に働いている外国人に相談しています。

 

3)日本での生活で大変なことはありますか。

最初の頃は日本語が分からないから、返事もできないし困りました。今も分からないことがいっぱいありますが少し慣れました。働いていても職場の方に相談しやすいので困っていることはありません。

 

・入国後の日本語学習について教えてください。

今はOURが実施しているFacebook LIVEのオンラインクラスで勉強していて、最近N3試験に合格しました。

 

4)これからの目標を教えてください。

来年の7月にN2試験を受けて、来日から3年以上経ったら介護福祉士の資格試験を受けるつもりです。将来は日本で暮らしていきたいです。

お問い合わせ

ご不明点やご質問などお気軽にご連絡ください。