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CASE STUDIES
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株式会社ONE 生活介護事業所each
株式会社ONEは「本人の想いを大切に、そして本人が主(一人の人間)となる社会の構築をめざす」という理念のもと、2022年に設立されています。
そして、生活介護事業所 eachは「each=それぞれ」いろんな人がいていろんな境遇やストーリーを持つ人がいる。そんな人(ONE)たちが“それぞれ”の個性を大切にしながら集まり過ごせる場所を目指されています。
代表取締役 佐藤様
アイキさん
1)日本で介護の仕事をしたいと思った理由を教えてください。
私はフィリピンの大学でレジリエンスやマネジメントを専攻していました。そこで困っている人への対応やレジリエンスの大切さを知り、ここで学んだことを介護の仕事で活かしたいと思いました。また、時間を守るなどの日本文化や習慣に興味があったので日本で働きたいと思いました。
2)OUR BLOOMING ACADEMYダバオでの学校生活はどうでしたか。
アカデミーでは、介護と日本語の学習を行いました。漢字を書くこと、覚えることが1番難しかったです。そして、バスケットボールやダンスを行う「スポーツデー」などのイベントもありました!
日本のラジオ体操もアカデミーでやっていたので、今の仕事でも役に立っています。
3)仕事で大変なことはなんですか。
日本語でのコミュニケーションが難しいです。一緒に働くスタッフのみなさんはとてもやさしいので、わからない日本語があると教えてくれます。
4)今後の目標を教えてください。
私の夢は介護福祉士になることです。介護福祉士の資格が取れたら、日本で長く働きたいです!
1)特定技能外国人材の採用の経緯を教えてください。
今回の採用はこちらから積極的に外国人材を採用しようと決めていたわけではなく、OURさんと話をしていく中で来年度、再来年度に向けたスタッフの採用ということで検討を始めました。福祉サービス業界の特徴でもありますが、女性スタッフが多く活躍している施設が多いです。弊社も同様の状況でしたが、業務の中には体力を使う場面も多くあるので、男性スタッフも採用をしていきたいという話が社内であがりました。そこで、これから先のことも考え、外国の方も受入れながら他国の文化や視点を取り入れることもよいのではないかと思い、採用に向けて進めていきました。
外国人材の採用前は、人材を募集しても年齢的にも若い世代の方がどうしても興味を持ちづらい業種ということもあり、応募まで叶わなかったり、応募をしてくださってもこちらの希望に合うような方がなかなか揃わなかったりする状況がありました。自分の考えとして、日本人・外国人というのは関係なく、しっかり気持ちを持っている方であれば私たちが行っているこの仕事はできると思っていましたし、この事業所の特徴として、利用者様は20代前半から30代の若い世代が多いので、世代が近いスタッフの方が利用者様との会話も弾むのではないかと思い今回の採用を決めました。
2)アイキさんは弊社の無償教育拠点OUR BLOOMING ACADEMYの卒業生です。授業では、高齢者を対象にした「介護」の内容が多いのですが、その点での懸念や心配なことはございましたでしょうか。
正直、その点への懸念はありました。事前に、介護分野の中でも基本的には高齢者向けの介護の勉強をしてきているとお話は伺っていましたし、おそらく現地のアカデミーでは「障がい」という概念に関する勉強をすることはなかったのではないかと面接の際もお話をしていて感じました。ただ、採用を決めた経緯の一つでもありますが、我々の施設の利用者様の半分以上が言葉を使うことが難しい方が多いです。話すことはできますが片言だったり、単語でしか話せなかったり、発語がないという方もいらっしゃるので、逆に言語の壁というものがないのではないかと思いました。むしろ、外国の方と日本語でのネイティブレベルのコミュニケーションをとることが難しいという中で、この仕事柄もあり言葉だけに頼らずに、どのようにして人と人とでコミュニケーションを取るのかということをこちらが意識しなければならないと思いました。変に言語に頼って利用者様と向き合うのではなく、外国の方でもしっかりその人の様子や状態、空間全体を見ることができる能力があれば、基本的には言語のスキルがものすごく高くないとできない仕事ではないと思います。不安なところももちろんありましたが、むしろジェスチャーやアイコンタクトを使ってコミュニケーションを取る技術のほうが実は大事だと思うので、その点を期待していました。
3)受入れ時や現在の課題はございますでしょうか。
基本的なコミュニケーションは問題ないですが、障がいの特性や専門的な知識というところが「障がい福祉」ではどうしても必要になります。例えば自閉スペクトラム症、ADHDはどのような特性があるのかというところはパッとご本人を見ただけではわかりません。「彼はこういう障がいを持っていて、このような特性がある。この作業はとても好きだよ」などと特性を伝えることはとても難しいです。例えば、ずっとぴょんぴょん飛んでいる、くるくる回っている、同じことを何回も繰り返しているという様子を何の知識もない方が目にするとなぜこの人はこのような行動をしているのかと疑問に思うと思います。実際にアイキさんを見ていると疑問に思っている部分もあるのではないかと感じています。
アイキさんはフィリピン出身で英語が使えると聞いていたので、英語を交えたり、chatGPTやGeminiなどのAI翻訳を使ったりしながら頑張って伝えていますが、細かなニュアンスを伝えることが難しいです。特に障がい福祉の根本でもある「基本的人権の尊重とは」というところを説明するのは本当に難しいです。「人は人である」ということは当たり前ですが、これまでの歴史的背景もあります。あなたは障害があるからここに行きなさい、ここを使いなさいというような過去の時代から自分でサービスを選択できるという時代に変わってきている経緯があります。これは、この仕事の本質の部分です。今すぐこれ伝えるべきではないとも思っていますが、利用者様である彼らなりに、意味を持ってその行動をしているということをいまだにどうしたらしっかり伝えられるかというところは、今後の自分たちの課題でもあると感じています。
・受入れ時にご準備されたことはございますでしょうか。
予定よりも早い入国だったこともあり、正直あまり準備はできていなかったです。ただ、英語を少しできるスタッフがいたので、通訳してもらいながらやればなんとかなるかなと思っていました。実際に受入れてみてから、必要なものを準備していきました。
OURさんからいただいたフィリピンの文化や習慣をまとめた本はとても役に立ちました。フィリピンはこういう文化なのかと、受入れ前にスタッフみんなで本を見ていました。実際にアイキさんが入職してからすぐに「これ本当なの?」「これってどうなの?」とコミュニケーションをとるきっかけの一つになりました。
4)アイキさんの受入れが職場に与えた影響があれば教えてください。
コミュニケーションの部分でとても効果がありました。やはり私たちは日本語が母国語であるからこそ、変に言葉に落とし込んで人を見るという観点になってしまっています。アイキさんに自分たちの伝えたいことをどのように伝えるといいのかを考えたときに、言葉は実は非常に曖昧で抽象的、そして難しい概念だということがわかりました。これすらも彼に伝えられない自分たちはどうしたらいいのか、そうすると利用者さまに対して伝えるときもこのように曖昧な伝え方になっている可能性があるとスタッフが気づくことができました。受入れ当初にこのような効果があればいいなと思っていた通りの良い効果が生まれたと思っています。
そして、アイキさん自身も自分がどうしたらこの場で役に立てるのかという思いをもって、色々なところを見てくれています。確かに一対一で利用者様を見ることもとても大事な能力ですが、少し引いて、周りをよく見てくれる人もいなければ、何か起きたときや注意することに気づけない場合があります。アイキさんもみんなにわかるように危ないことがあると「あ!」と教えてくれるので、アイキさんがいてくれたおかげで、自分たちも危ない場面に気づけたことが多くありました。その点はとても役に立ってくれていますし、自分たちが持たなければいけない視点としても大事だと感じました。
また、スタッフも利用者様もみんなアイキさんに興味津々です。年代やアイキさん自身のキャラもあるのかもしれませんが、フィリピンではどうか、どのようなことが流行っているのか、などとコミュニケーションの一役になってくれています。
・現在の業務内容を教えてください。
基本的には利用者様の荷物を片付けたり、ご飯の準備をしてもらったりしています。もう少し後からお願いしようと思っていたのですが、自分からトイレ介助に行かせてくださいと言ってくれたので、それはやってみよう!とお願いし、特に問題なく対応してくれています。細かい業務が少し多めになっていますが、その業務をアイキさんがやってくれている分、ほかのスタッフが自分のやらなければならない仕事に時間を費やすことも少しずつできているので、力になってくれています。
5)今後期待していることを教えてください。
細かなニュアンスなどは難しいかもしれませんが、まずは日本語をしっかりと覚えてもらえたらと思います。そして、会社としてすぐに役に立ってもらいたいという思いよりは、最初は日本が好きだと思ってくれるとうれしいです。その後に、詳しい現場のスキルや技術を身に着けていってほしいと思っています。また、最終的には介護福祉士の資格をしっかり取ってもらって、長く働いていただけたら嬉しいです。