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CASE STUDIES
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社会医療法人蘭友会 札幌里塚病院
札幌里塚病院では、整形外科を中心に、内科、外科の診療を行っていらっしゃいます。リハビリテーションにも重点的に取り組んでおり、整形外科、内科、外科を問わず、どの科の入院患者さまに対しても、退院に向けて丁寧に支援されています。また、退院後のフォローや保存療法の患者さまの治療など、外来でのリハビリテーションも積極的に実施されています。
看護部長 鈴木様、副看護部長 濵長様
ナヴラさん、エルリさん
1)なぜ日本で介護の仕事をしようと思いましたか。
エルリさん:私は、昔から人を手伝うことが好きでした。そして高校二年生のころにおじいさんのお世話をしたことがあり、その経験から介護の仕事をしたいと思いました。
また、日本のアニメや音楽が好きなので日本で働きたいと思いました。
ナヴラさん:私は一人っ子なので日本で介護について学び、インドネシアに帰ったら両親の介護をしたいと思っています。そして、日本の文化を直接学びたいと思い、日本で働くことに決めました。
2)仕事や生活で大変なことは何ですか。
エルリさん: 仕事で一番大変だったことは、患者さんとのコミュニケーションです。最初は日本語が上手く話せなかったのですが、少しずつ慣れてきました。
毎日ノートに一日の反省と仕事で使う言葉を日本語で書いています。その内容を家に帰って復習しています。介護の勉強はOURのEラーニングを使っています。
ナヴラさん:毎日新しい言葉がたくさんあるので、その言葉を覚えることが大変です。生活では雪と寒さが大変です!
3)インドネシアにいる家族は二人の日本での活躍についてどう思っていますか。
エルリさん・ナヴラさん: 最初は心配していましたが、応援してくれています。毎日数時間電話をしています。
・日本でやってみたいことや行きたいところはありますか。
エルリさん: 東京や京都に旅行に行きたいです。
ナヴラさん:スキーをやってみたいです!
4)これからの目標を教えてください。
エルリさん・ナヴラさん:N3とN2の試験に合格したいです。そして、介護福祉士になって日本で長く働きたいです。
1)特定技能外国人材を採用された経緯を教えてください。
現在の日本の医療現場、介護施設のどちらも同じ状況ではあると思いますが、看護補助者などの介護職の人材確保は、かなり難しい世の中になっていると思います。もちろん当院も同じ状況です。また、人材を採用できたとしても私たちが求めている当院への定着というものがなかなか希望通りにいかない現状があります。
そのような中、周囲の病院や施設においても外国人材の方を採用し、一緒に働いているという情報が次々と入ってくるようになりました。そこで、すでに受入れを行っている施設を見学させてもらったり、実際に働いている外国人材の方々と話しをしてみたりしました。その施設ではインドネシアの方を何十人も受入れていましたが、皆さんとても明るく、スタッフやご利用者さまともトラブルになっているような様子もありませんでした。その様子を見ていると当院でも1、2名からであれば受入れができるのではないかと確信を持つことができました。
ちょうどそのころに札幌市が行っている「外国人受入・定着支援事業」での補助金活用が可能という話がありました。その受託先がもともと情報収集を行っていたOURさんで、採用に向けて誠心誠意、対応していただけたので、お二人を受入れることになりました。
2)受入れの際に大変だったことや準備されたことはございますでしょうか。
濵長様:当院として初めての受入れだったため、前例も経験もなくどうしたらよいかと思っていました。まずは、二人用に業務手順をまとめたマニュアルや業務評価表を周辺の受入れ施設、病院の情報も取り入れながら作成しました。日本語のみの記載では難しいかと思い、内容は全てインドネシア語に翻訳をして追加しました。また、カタカナが読めるというお話を事前に伺っていたので、患者さまとスタッフの名前にカタカナのルビを振りました。
また、スタッフに対しては事前オリエンテーションとして、やさしい日本語やインドネシアに関する紹介、特徴、生活習慣などを一人ひとり対面で実施しました。リハビリや医師、事務系のスタッフも興味持って一緒に参加してくれた方もいたので、病院全体として受入れる準備をしていました。
実際に彼女たちが入職し、話をしてみるとひらがなの方が読みやすいということがわかったので、カタカナで表記していたものはひらがなに変更しました。そして私たちが立てていた業務計画よりもはるかに二人の業務の習得が早かったので、業務に関する計画やマニュアルは二日に一回程度の頻度で修正や変更を行いました。これはうれしい悲鳴です!
そして、彼女たちが入職したころ(※2026年1月)に札幌では大雪が降っていました。二人とも控えめな性格なので、靴下がすごく濡れていて足が冷たいはずなのに特に何も言わずにそのまま仕事をしていたことがありました。また、職場に飲み物を持ってこなかった日があり、水分補給ができていませんでした。やはり、環境に慣れるまではこちらも彼女たちの様子を観察してできるだけフォローをしてあげなければ、二人のモチベーションが下がってしまう可能性があるので、意識しています。
鈴木様:私は書類手続きに関する部分を担当していたので、そこが一番苦労しました。初めての受入れだったので、当初から大変だろうと予想はしていましたが、まだ手続きがあるのかと思うくらい書類の準備が大変でした。その部分は、日本人のスタッフを採用する際とは異なる点だと思います。
3)二人の受入れが職場にもたらした影響や効果があれば教えてください。
濵長様:二人の受入れが与えた影響は、大きく二つあります。
一つ目は、周りのスタッフが二人に対してとてもやさしくフォローしてくれていることです。最初にオリエンテーションでスタッフに伝えていたとおりにやさしい日本語で声かけをしてくれており、国の特性や対応してほしいことをかなり守って接してくれています。
彼女たちにも振り返りの時間に挨拶の仕方などを伝えるととても忠実に守って実施してくれています。病棟のスタッフに限らず、病院へ来る人にも教えた通りに挨拶をしてくれるので、スタッフみんなが挨拶をするようになりました。お互いに慣れもあったので、彼女たちを受入れることであらためて病棟の看護職、介護職のスタッフが自ら気をつけるようになりました。これは本当に良い効果があったと思います。
二つ目は、看護補助者の業務がはるかに軽減されました。皆さんが二人に対して助かると褒めてくれます。例えば私が休みの日や現場に行けない時間帯にも皆さんがしっかり助けてくれている状況です。私にとっては、この点も受入れを行ってよかった点だと感じています。
鈴木様:本当に挨拶や協力体制のところも全員でしっかりできているので、病棟が和んでいるような感覚があります。現在、二人は同じ病棟で勤務しているのですが、少しずつ業務も効率的に動けるようになってきているので、もう一方の病棟にサポート対応してくれています。このように、勤務している病棟だけではなく、他の病棟にもいい影響を与えてくれています。今のところ、彼女たちに対してマイナス的な言葉は現場から一つも出てきていません。
4)彼女たちとの日本語でのコミュニケーションについて教えてください。
濵長様:入職してから1ヶ月ぐらいしか経っていませんが、私から見ると素晴らしいと思います。
彼女たちが来る前に日本語試験N4を合格していると聞いていたので、そのレベルがどのくらいなのかということも調べてみました。しかし、いくら母国で勉強してきたとはいえ、いざネイティブな日本語の中に入ってくるとやはり理解が難しいところもあったと思います。
私は約1ヶ月間、担当として二人と一緒に仕事をしてきました。その中で補助的に簡単な英語やインドネシア語を使いながらコミュニケーションを取っていました。3週目ぐらいになると、だんだんと会話ができている感じがしてきたので、それから業務中は完全に日本語で話をするとお互いに決めました。二人が伝えたい日本語が出てこないときはじっと待って、次の日本語が出てくるまでフォローや誘導を行いながら話をしています。そして、毎日仕事が終わる15分ほど前に三人で今日勉強したことや困っていること、覚えてほしい日本語を見直して、次の日に生かせるように調べたり、暗記してもらったりしていました。教えた日本語がどのような意味なのか、そして明日からはこの言葉を使ってくださいねと伝えると忠実に守って対応してくれています。
現場のスタッフからも褒められています。本人たちの努力だとは思いますが「どうやって日本語を教えたの?こんなに早く日本語覚えたのですか!」という声もありました。
5)現在の業務内容はどのようなものがあるのでしょうか。
最初は本人と患者さまがお互いに困ることがないように、患者さまに直接関わることがない周辺業務を中心に組み立てていました。しかし、私たちが想像していた以上に日本語の習得と業務を覚えるスピードが早かったので、スタッフが付きながらではありますが、患者さまの部屋の中に入って行う清拭や食事介助などの業務もお願いしています。日勤業務のうち、物品請求などの完全に日本語を使うようなもの以外の業務はほとんど行ってもらっている状況です。
こちらの感覚ではありますが、3月後半から4月あたりで早番遅番もできるようになりそうです。早番遅番ができるようになると、夏ぐらいには夜勤にも入れるのではないかと思っています。このスピード感で業務ができるようになれば、入職から半年ぐらいで独り立ちできると思います。
6)今後期待していることを教えてください。
鈴木様: まずは業務をしっかり覚えてもらい、独り立ちできるまでになってほしいと思っています。一方で、仕事と自分たちの日本での生活のバランスをうまく取っていってほしいです。今は本当に仕事を覚えることで一生懸命な状態だと思います。この前もOURの担当支援員さんにその点のフォローをお願いしたので、大丈夫だと思いますがしっかりご飯が食べられているか、買い物に行けているかという生活面は私たちもなかなか見えづらく、心配な点でもあります。そして二人とも最終的には介護福祉士を目指すという目標があると思うので、その目標に向けた勉強も少しずつ進めていただけたらと思っています。
濵長様:私個人としては、彼女たちがきちんと仕事を覚え、介護福祉士も取得できたら次世代のための指導者になってほしいと日々、二人に伝えています。この先も人手不足が解消されるのはなかなか難しいと思うので、二人の活躍によって私たちも現場で動きやすくなるのではないかと思っています。