事例紹介

CASE STUDIES

社会福祉法人博友会 特別養護老人ホーム南風苑、医療法人本郷会 介護老人保健施設ほんごう苑

「OURさんで教育をしっかり行っているので、
私たちが思っていた以上に戦力になる方々です。」

2025.01.06

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施設情報

「特別養護老人ホーム 南風苑」および「介護老人保健施設 ほんごう苑」では、ご家族様はもちろんのこと、地域医療機関とも綿密に連携をした複合的な福祉介護体制により、ご利用者様やご家族様にご安心いただける介護サービスを提供されています。

2施設は同じ敷地内にあり、当社から合同でご採用を進めていただきました。
※配属は各施設ごと

2024年10月時点で、特定技能介護人材を4名ずつ(フィリピン)ご採用いただいております。

施設名
社会福祉法人博友会 特別養護老人ホーム南風苑、医療法人本郷会 介護老人保健施設ほんごう苑
所在地
熊本県上天草市
HP
https://nanpuen.com/
採用人数
各施設4名(計8名、フィリピン)
登録支援の利用
当社に委託
※注意※
当記事に関する施設への直接のお問い合わせはご遠慮ください。

受け入れ施設のインタビュー

左:特別養護老人ホーム 南風苑 副施設長 山下様、右:介護老人保健施設ほんごう苑 副施設長 梅田様

左:特別養護老人ホーム 南風苑 副施設長 山下様、右:介護老人保健施設ほんごう苑 副施設長 梅田様

「外国人採用を迷っている施設さんは思い切って決断してもいいと思います。
今回の採用はうまくいったと感じています。」

※本インタビューは2024年10月に実施いたしました。

 

1)外国人材の採用を検討される前の採用状況とOURから外国人材をご採用いただいた決め手を教えてください。

 

山下様:外国人採用を検討したきっかけは、やはり「人材不足」です。 ハローワークなどの求人も全く反応がなく、日本人の有料紹介もお願いしましたが、それも応募はゼロでした。派遣スタッフをかなり前に導入したことがありますが、当施設のスタッフと派遣のスタッフの間に業務をするうえで、少し距離があり、派遣スタッフが長く続かないということがありました。そこで、外国人材の採用を検討し、安定して人材を確保していくには一番良いのではないかと感じました。

OURさんから採用した決め手は「会社の規模」です。何社か他社さんと検討したうえで、OURさんはグループ自体が大きいので、その点で入国後のフォローも安心してお任せできると思いました。また、OURさんは、海外の学校で日本文化などの教育も行っていて、意欲のある人や能力の高い人たちを集めていらっしゃるので、私たちが受入れ後に教えることも少なく、受入れしやすいのではないかと思い、お願いしました。

 

梅田様:ほんごう苑も南風苑と同じ採用状況で、2施設で話し合いをしながら採用を行っていましたが、日本人の有料人材紹介はうまくいかず、地元の学校に福祉科がありますが、そこからの採用も毎年は出来ず、最近は途絶えがちでした。このような中、当施設で働く職員さんは次々に辞めていくという状況になっていました。OURさんから外国人材をご紹介いただいたときには、すでに職員数が激減していて、夜勤のシフトが回せないような状態でした。

その状態になる少し前に、南風苑の理事長が「外国人材の採用を考えないといけないね」とおっしゃいました。それから、私たちも特定技能や技能実習などの制度ごとの違いを調べて、OURさんや他社さんのような外国人材紹介の会社に話を聞き、外国人材の採用を決めました。

 

・特定技能での採用を行った理由はございますでしょうか。

技能実習は技能実習責任者や技能実習指導員、生活指導員という配置が必要ですが、特定技能は登録支援機関へ委託することができ、しっかりとしたフォローがある。受入れる当施設の職員さんの負担が実際に少ないのは「特定技能」と感じたので、特定技能で採用を行うことになりました。

 

2)外国人材への入職前の印象や現在の印象をお聞かせください。

 

山下様:とても礼儀正しい人たちという印象はありました。入職前は、言葉もなかなか通じにくいだろうなというイメージがありましたが、やはり教育をしっかり受けていらっしゃるので、私たちが思った以上に戦力になる方々でした。

 

梅田様:みなさん明るい性格で学ぶ姿勢があります。素直で柔軟性も高く、一緒に働く職員さんからの評価が良いです。

 

3)受入れ前に抱いていた不安や準備されたことはございますでしょうか。

 

梅田様:日常生活へのサポートがどのくらいいるのか、毎日様子を見に行く必要があるのか、受入れ側の負担感などについて不安がありました。実際に受入れてみると、こちらが不安に思っていたことはほとんど不要だったと思っています。

 

山下様:不安に感じていたのは、ほんごう苑と同様に生活面のサポートについてです。実際には生活面のサポートがあまり必要なかったので、随分と受入れがスムーズにいきました。また、2施設合わせて8名と、一度の採用で受入れた人数が多かったので、その分大変ではないかと思いましたが、仲間が多い分、お互いが協力し合っているので、その面では私たちも助かったと感じています。

 

梅田様:準備したことは日用品や寮です。寮については、今回新たに建築し、受入れた外国人材8名で住んでいます。その他にも、自転車の乗り方講習なども行いました。

 

4)初めて外国人材の受入れをされる施設や企業様へのアドバイスはございますでしょうか。

 

山下様:外国人材の方々と年齢が近い職員さんがいらっしゃったら、できるだけ同じシフトにし、専属の指導者のように担当してもらうということを意識すると徐々に業務に慣れていってくれると思います。

実際に、当施設でも受入れ当初(2023年8月)はその点をかなり意識しました。現状は、他の日本人スタッフと同様にシフトを組んでいます。

 

梅田様:外国人材の採用に迷っている施設さんがもしあるのならば、思い切って採用してみた方がいいのではないかと思います。当施設も人材確保が急務になって、「とりあえず採用してみよう」ということで、踏み切りましたがOURさんのご協力もあってうまくいったと感じています。

 

5)現状の課題をお聞かせください。

 

梅田様:現在の課題はパソコンでの記録です。 やはり、記録の面は日本人と同じようにはいかないため、他の職員さんのシフト、業務分担などの見直しを行っています。日本人スタッフの負担感の増大というのもあるので、そこへの対策ももっと必要だと感じています。

また、特定技能1号は在留期間が5年ですので、日本人スタッフを増やすのか、5年後に新たに外国人材を採用するかなども、職場による負担のバランスをみて検討したいと思います。

 

山下様:南風苑でも記録が一番の課題です。 どうしても日誌や申し送りなど、記録を残さなければならないことが日常的に多くあるので、今は外国人の方々の代わりに日本人スタッフが行わなければいけないところがあります。 単語で「○○しました」ぐらいの記録は問題ありませんが、ケアプランの評価など、文章化する必要があるものはもう少し高度な能力がいると思います。

2施設の現場指導担当者の方々へもお話をお伺いしました。


左:特別養護老人ホーム 南風苑 介護主任 中村様
右:介護老人保健施設ほんごう苑 看護主任 中村様

 

6)現場のみなさまが外国人材の受入れ前に感じていた不安はございますでしょうか。

 

南風苑中村様:当施設は田舎にある施設ということもあり、利用者さんが外国人に慣れておらず、介護されることに対して抵抗はないか、逆に外国人材の方々へ差別的な発言や行動で不快な思いさせないかという不安はありました。

実際に受入れてみると、友好的で、利用者さんに名前などもすぐ覚えてもらっていました。特に南風苑で勤務している4名は明るくて、いつも笑顔で話しかけやすく、仕事も一生懸命なので、問題なく溶け込んでいただけたと思います。

 

ほんごう苑中村様:外国人材の受入れが初めてということもあり、どのような準備をどこまですべきなのか非常に悩みました。他にも、日本語能力や日本の生活に適応できるのか、介護についての理解度やレベル、そして私たち受入れ側が外国人材の方に対して指導ができるのかというような不安がありました。

入職後、最初に自己紹介をしてもらいましたが、しっかりと日本語で名前も言っていただき、礼儀正しかったです。日本語で会話ができることに驚きました。 そこで、まず安心したのを覚えています。

そして、指導に対して非常に素直で抵抗もなく、素直に聞き入れてくれるので、その部分も安心材料になりました。 また、利用者さん側の反応も南風苑と同じく、外国人に対する抵抗があったり、家族の方から何か聞かれたりすることもなく、スムーズに業務をスタートできたと思っています。

 

7)現場で準備いただいたことを教えてください。

 

ほんごう苑中村様:利用者さんの部屋に貼っているネームプレートや、職員の制服につけている名前、椅子や歩行器等に付ける使用者の名札を全てひらがなとローマ字に変更しました。

 

南風苑中村様:ほんごう苑と同様に、ネームプレートをひらがな表記にしたり、業務マニュアルを英語に訳したりしました。また、 新人教育プログラムを行っているので、これも英語に直して配布しました。

 

8)実際に外国人材から受けた相談内容をお聞かせいただけますか。

 

ほんごう苑中村様:仕事のことが多いですが、やはり休日には遊びにも行きたいと思うので、「ここはどうやって行けばいいですか? 」という交通手段のことや「髪の毛を切りたいのですが、どのあたりがいいですか?」「これはどのお店に売っていますか?」というような生活面の質問もありました。

寒くなってきたときには、「冬服や買い物は大丈夫? 」というようにこちらから声を掛けました。

 

南風苑中村様:各場面で色々質問をしていますし、「プライベートで○○を食べに行きたい」「今度フィリピンに帰りたいから休みはどうしたらいいですか。長期休暇になる場合、誰に言ったらいいですか。」というような会話はありました。

実際に一人、二週間程度長期休暇を取得してフィリピンに帰った方がいます。航空券も早く取った方が値段が安くなることもあり、早めに予定の相談をしてくれました。

 

9)指導する際や異文化理解の点で注意されていること、外国人材への評価を教えてください。

 

ほんごう苑中村様:利用者さんが高齢ということもあり、話す言葉には方言があります。ですが、せっかく日本に来ているので、標準語も覚えてもらえたらという思いがあり、標準語の指導もきっちりしたいと思っています。指導や相談するにあたり、プリセプターシップを導入しているので、日本での生活や健康面について、まず誰に報告や連絡をするのかを明確にしています。また、ひとりひとりの能力をしっかり把握するようにしています。

日本人だったら、「あそこにゴミがあるからお願いします。」と言うと、最後まで言わなくても片づけてほしいということが伝わりますが、外国人材のみなさんに対しては「ここにゴミがあるから片付けてください。終わったら報告してくださいね。」というふうに、最後まできちんと伝えることが大事だと感じています。

真面目で礼儀正しく、指導することには必ずありがとうございますとお礼を言ってくれます。忙しい中でも、優しく利用者さんに対応してくれているところは、本当に私たちも見習うべきだと思っています。

 

南風苑中村様:気を付けていることは、マニュアル通りに教えるということです。日本人の悪い癖なのか、当施設の特有なのか、よかれと思ってマニュアル以外のこともしすぎてしまう。そうなったときに、外国人材のみなさんが混乱してしまうので、できるだけマニュアル通りに教えましょうと日本人スタッフに伝えています。

また、フィリピンの文化も少し勉強しました。注意するときは、みんなの前で注意しないようにするとか。繊細なのかもしれないと思っていましたが、そんなことはなく、色々なことに対応してくれていて、とても真面目で勉強熱心です。

どの利用者さんにも分け隔てなく接していただけるので、利用者さんも4名のことを名指しで呼んだりと、とても助かっています。

日本語は上手だし、教えたことの飲み込みが早い。今は、翻訳アプリもあるので、コミュニケーションには困らなかったです。 思ったよりもすごく言語能力が高い印象でした。

 

10)指導をしていて課題と感じる点はございますでしょうか。

 

ほんごう苑中村様:指導の際にこうしてくださいと話をしたあとには、「はい、わかりました。」と返事をしてくれるので、理解してくれたと認識してしまいますが、 あらためて「私が話したことわかりましたか?」と聞くと、あまり分かっていなかったということが多少あるので、しっかり把握しているかという確認は必要だと思います。あとは特定の業務に対して苦手意識を持ったり、避けたりしないような指導の仕方をしていくべきだと感じています。

 

南風苑中村様:入職から半年以上経って、仕事も慣れてきているので、少しですが緊張感が薄れてしまっているかなという場面を見かけることもあります。その辺を伝えてもいいのか、頑張っているのに伝えてしまって逆にやる気がなくなってしまわないか等、指導が難しいところです。

すでにここまで業務を行ってくれているから十分だと思いますが、やはり私たちも欲というか、この業務もしてくれたらいいなという思いが出てくるのでバランスが難しいです。

 

11)今後の業務予定と期待していることを教えてください。

 

南風苑中村様:今後は、受け持ちの利用者さんを持ってもいいのではないかという話が出ていますが、一人で受け持つのではなく、指導者が担当している利用者さんを一緒に受け持つというような感じを想定しています。また、委員会への参加についても考えています。

期待していることとしては、介護福祉士などの資格を取っていただいて、長く働いてもらいたいと思っています。 せっかくここまで施設にも親しんで、楽しく働いてもらっているので、5年といわず、長く働いてもらえたら嬉しいです。

 

ほんごう苑中村様:現在は、日本人スタッフとペアで業務を行っています。夜勤業務は引き続き日本人とペアを組みますが、日々の業務の中で、きちんと責任を持ってできているか、不足や不備はないかという確認の意味も含めて、外国人材同士でペアを組んで行う業務があってもいいと思っているところです。 

入職から一年以上が経ち、日本の生活に慣れてきたと思うので、今後も楽しみながら、日本で長く仕事を続けてもらえたらと思っています。 せっかく介護の仕事をしているので、仕事に対する自信をつけてもらって、フィリピンや日本で役立ててもらいたいです。

紹介人材コメント

左:シャンさん、右:ダイヤさん(仮名)

左:シャンさん、右:ダイヤさん(仮名)

「わからないことがあったら、職員のみなさんが優しく説明してくれるので助かっています。」

1)日本で働きたいと思った理由を教えてください。

 

シャンさん: 子どものころから他の国で働きたいと思っていました。日本はいいところがたくさんあり、食べ物や文化も好きでした。ほかの国のライフスタイルも経験したいという思いと家族を助けたいという思いがあったので日本で働きたいと思いました。

 

ダイヤさん:日本で働く友人が勧めてくれたからです。その友人もOURで日本語と介護の勉強をしていました。

 

2)OURアカデミーではどのような勉強をしましたか。

 

ダイヤさん:日本語や介護の言葉、利用者さんの状態について勉強しました。車いすを押したり、実際に介護の技術の練習をしたりしました。

 

3)OURアカデミーに入校してから一番楽しかったことは何ですか。

 

シャンさん:新しい友達ができたことです。日本人の友達ができました。

 

ダイヤさん:日本語が少しずつ話せるようになっていることです。日本のアニメの言葉もわかるし、日本人と会話ができることが楽しいです。

 

4)OURの支援はどのようなことがありましたか。

 

シャンさん:最近は、8月に行った在留カードの更新の方法を教えてもらいました。日本に来たばかりのときは、注意することやバス、電車の乗り方、初めて行く場所への行き方、そしてSIMカードやスマホの使い方などたくさんのことを教えてもらいました。

 

5)現在の業務内容を教えてください。

 

ダイヤさん:食事や入浴介助、トイレ介助、口腔ケア、おむつ交換を行っています。夜勤も入職して3か月後からはじめています。

 

シャンさん:早出、日勤、遅出、夜勤をしています。仕事は、食事介助、入浴介助、服の着脱やトイレの補助をしています。

 

・大変なことは何ですか。

ダイヤさん:夜勤が大変です。新しいことをするときは、時々うまく理解できないことがあります。コミュニケーションがうまく取れないと難しいです。困ったときは、職員のみなさんに分からないことを聞くようにしています。

 

シャンさん:コミュニケーションが大変です。利用者さんやほかの職員さんと話すときは方言もあるので難しいです。ですが、諦めずにわからないことがあったら、相手にしっかり聞きます。職員のみなさんは優しく説明してくれるので助かっています。 毎日新しい方言を教えてもらったので、今は職員さんと利用者さんのおかげでだんだんわかるようになりました。

 

6)日本の生活で大変なことは何ですか。

 

シャンさん:公共交通機関での移動です。普段はバスをよく使っています。例えば、熊本市に行きたい場合、どうやって行くのか、どのバスに乗るのか、どこのバス停から乗るのかなどが難しいです。

スマホで一生懸命調べたり、日本人へ遠慮しないで聞くようにしています。優しく教えてもらえます。

 

ダイヤさん:シャンさんと同じで、バスの乗り方です。今はスマホを使って調べることができるので大丈夫です。

 

7)今後の目標を教えてください。

 

シャンさん:今後もしっかり利用者さんのお世話をすることが目標です。

 

ダイヤさん:5年後にフィリピンに戻り、ビジネスを始めたいです。

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