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事例紹介
CASE STUDIES
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医療法人社団時正会 佐々総合病院(TMGグループ)
医療法人社団時正会 佐々総合病院は、「急性期医療を通じて西東京地域に貢献する」を目的に、地域に根差した医療の提供を目指している東京都西東京市の総合病院です。
外国人材採用も進められており、看護師7名(中国)、特定技能4名(フィリピン、ミャンマー)の計11名を採用されています。(2023年11月時点)
当社からは、4名の特定技能人材をご採用いただいています。(2022年5月入社:2名、2023年10月入社:2名)
総務課 主任 中澤様、各現場指導担当者様
<ご回答者>現場担当:平井様(ロンさんの病棟担当)、奥住様(マリーさんの病棟担当)
8)マリーさん、ロンさんへの印象はいかがでしょうか。
奥住様:初めてケアサポーターで外国の方を受入れるということで、最初は不安でいっぱいでした。しかし実際来てみると、マリーさんもロンさんも明るく、フレンドリーだったので、不安も吹き飛んでしまいました。積極的に「あれしたい、これしたい。」と言ってくれ、日本語もほとんど問題ありません。まずは仕事が嫌にならないように、日本語と拙い英語を交えながら、病棟の職員全員で積極的に関わってきました。
仕事もすぐに覚え、早くに夜勤もできるようになり、本当に助かっています。日本に来てこれだけ順応して、偉いなといつも感動しています。また、しっかり現地で教育を受けてきたので、いろいろな手技が上手です。私たちが逆に教わるような感じでてきぱきと業務をしてくれ、不安なく任せられます。私たちがうっかり忘れていたり、間違えたりすると指摘してくれることもあり、業務を理解したうえで仕事をしてくれているのがわかります。
9)現在(入社1年半)の業務内容を教えてください。
奥住様:朝の食事介助や体を清潔にする清潔ケアなどの業務をお願いしています。また、2人とも夜勤を始めています。夜勤はケアサポーターが1人なので、初めは不安だったと思いますが、そつなくこなしてくれています。今ではもう一人前で、私が担当している病棟については、「夜勤はマリーさん」という感じです。
日本人以上に気が利き、患者様にもやさしく声をかけています。私たちが伝えると感情的になってしまう部分も、彼女たちが伝えることで患者様が受入れてくれることもあり、本当に助かっています。
10)受入れの際に現場で準備したこと、指導する際に気を付けていることはありますか。
奥住様:現在も継続していますが、患者さんの名前や漢字で記載されているものにはすべてひらがなを振りました。あとは彼女たちが、英語表記が必要なところがあれば、自分たちがわかるように書いてもらっています。
平井様:言葉がきちんと通じていないときがあるので、指導する際には、本当に理解できているのか、お互いに思い込みがないかは気を付けて確認するように職員にも伝えています。
最近「お茶を買ってきて。」とお願いしたときに、お茶がわからないということがありました。ちょっとした言葉でも時々わからないことがあるので、その場合は、かみ砕いて伝えるようにしています。また、「有給」という言葉を伝えられず、私とロンさんでお互いにどう言えばいいんだろうというやり取りをしたことがありました。当院には英語が堪能なスタッフが何名か在籍しているので、日本語で伝わらないときは英語で伝えてもらっています。
11)今後マリーさん、ロンさんに期待していることはございますか。
平井様:せっかく仲間になれたので、少しでも長く一緒に働きたいと思っています。ですが、家族のために日本で働いているところもあると思うので、もしかすると彼女たちの中で働く期間が決まっているかもしれないとも思っています。少しでも長く当院で働いてくれるならありがたいです。
奥住様:すでに、新しく入職したミャンマーの後輩や日本人の新しい職員にも業務を教えてくれるほどになっています。患者様も、私たちには見せない顔を彼女たちには見せているので、本当によかったと思います。マリーさんとロンさんが頑張ってくれている姿が、患者様にとってリハビリなどを頑張る励みになっているようです。
左:マリーさん、右:ロンさん(仮名)
1)入社して1年半ですが、お仕事についてはどうですか。
ロンさん:最初の頃はわからないことが多く、少し難しかったですが、今は慣れました。私は病院で働いているので、福祉施設で働いている友達に仕事の話を聞くと、少し仕事内容が違うと思いました。
マリーさん:仕事は疲れますが、楽しいです。今は慣れてきたので、大体のことは大丈夫です。
・すでに夜勤の業務も開始していますが、いかがですか?
ロンさん:去年の8月(入社3か月)から夜勤を始めました。日勤の忙しい日はやることがたくさんありますが、夜勤は自分のペースでいろいろな業務をすることができます。
マリーさん:私は、去年の10月(入社5か月)から夜勤を始めました。今はもう慣れましたが、最初は眠たくて大変でした。
2)業務の中で大変なことはありますか。
ロンさん:大変なことはコミュニケーションです。患者さんの使う言葉が少し難しくてわからないことがあるので、そういう時は別の方にお願いしています。あとは患者さんから、病気のことを聞かれたときに、私では返事ができないので、「それは、看護師の仕事ですからごめんなさい。」と伝えて、困ったことがあったら看護師さんにすぐに相談するようにしています。
マリーさん:私も同じです。方言や薬の名前はわからないので、看護師さんに対応をお願いしています。
3)日本語の読み書きについては慣れましたか。
ロンさん:漢字は難しいです。患者さんのお名前はいろいろな読み方があります。例えば、「かわ」でも「川」と「河」、読み方が同じでも書き方が違う。私たちは、服薬介助と配膳をしているので、間違えないよう患者さんのお名前は必ずチェックしています。
4)今後の目標を教えてください。
マリーさん:日本語能力試験N2の合格と介護福祉士の資格を取りたいので、もっともっと勉強をしたいです。ここで仕事を続けたいので、介護福祉士の試験に合格できるかが一番不安です。
ロンさん:N2の合格と介護福祉士の資格を取りたいです。残りの期間に介護福祉士の試験に合格できるか心配ですが、合格したらここで働き続けたいです。合格したらここで働き続けたいです。この仕事は大変ですが、いろいろな患者さんの状態と病気について知ることができるので面白いです。
※本インタビューは2023年11月に実施いたしました。
<ご回答者>総務課 主任 中澤様
1)外国人採用を始めたきっかけ、OURから採用をした決め手を教えてください。
グループの方針で、外国人材の採用を開始しました。特定技能人材は、2022年の5月に初めてフィリピンの人材2名を受入れました。
OURさんは、サポート面がしっかりしており、安心できた点が採用の決め手になりました。
2)受入れ前に抱いていた不安はございますか。
不安になっていたものは、言葉や文化の違いです。しかし、実際に受入れてみると、想像以上に日本語でコミュニケーションが取れるので、とても驚きました。文化に関しては、あまり違いを感じず、いいスタートを切ることができました。マリーさんもロンさんも早々に職場に馴染み、職員から可愛がってもらっている印象です。
3)受入れに当たり、準備したことはありますか。
生活面では、寮への入居当日からすぐに生活ができるよう、食品以外はかなり細かなところまで準備をしました。最初はどこで買っていいかもわからないだろうと思い、トイレットペーパーやアルコール消毒、マスクなど、入居当日に部屋にないと困るようなものを用意しました。
仕事面では、名札をカタカナで大きく表記したり、2人の入社を、職員用のサイトや、院内の掲示物(「フィリピンから2名、特定技能人材が来ました」という大きなポスター)で周知したりしました。
4)入国前に実施した、オンライン交流会についてはいかがでしょうか。
※コロナ禍の入国制限が続いていた中、海外現地と佐々総合病院様でオンラインでの交流機会を設けました。
当院では、看護師として中国の方が在籍していますが、ケアサポーターとしての外国人材の受入れは初めてでした。また、中国以外の国籍の方が当院に入社されるのも初めてで、どんな言葉を話すのか、どれくらい日本語が通じるのか、宗教的な問題など、わからないことばかりでした。
しかし、入国前にオンラインで交流し、彼女たちの自己紹介を聞いたときに、こんなに日本語が話せるのかと思いました。どれくらい日本語が通じるかを知るうえで参考になりましたし、病棟の職員が不安に思っていた“言葉”については、「大丈夫、かなり日本語は通じます。ただ、ゆっくりお話ししてあげましょう。」というふうに周知することができました。とても安心するきっかけになったため、オンライン交流会は参加してよかったです。マリーさんとロンさんと関わるなかで、日本に来る前の段階からいろいろな情報をもらえたという点が、OURさんのサポートがとてもしっかりしているということにも結びつくと思います。
5)初めて外国人材を受け入れる施設へのアドバイスはありますか。
困ったことがあった際の相談窓口は明確にしてあげた方がいいと思います。当院では、LINEでグループを組み、分からないことはそこで聞けるよう仕組みを作りました。例えば、ポストに届いた郵便物のうち、内容が難しいものは写真を撮って共有してもらったり、勧誘が来た場合の対処法であったり。特に女性ということもあり、細かく連絡を取っていました。
最初の頃は、頻繁に連絡が来ており、「歯が痛いから歯医者を教えてください。」、「不安だから一緒に行ってほしいです。」という相談もありました。まずは自分で行って、それでも分からなかったり怖かったりしたら、すぐに行ってあげると伝え、病院近くの歯科医院を紹介しました。
また、西東京市はごみの捨て方が非常に細かいため、「不燃ごみの日は、その日にこの色のごみ袋に入れて捨てなさい。」、「個人情報が書いてあるものは見えないように捨てなさい。」など、結構細かい話をしたかもしれないです。細かい相談も嫌がらずに、困ったことは何でも言ってねという対応はとても大事だと思います。
6)外国人材の入社が与えたいい影響はございますか。
2人はいつも笑顔で、とても親切に患者様と接しているので、周りのスタッフにもいい影響を与えていると思います。育成担当の職員に関しては、もちろん大変な面もあると思いますが、伝える力や人材を育てるスキルは上がっていると思います。
また、2人は患者様からの評判も良く、それを聞いた先輩職員のモチベーションも上がります。実際に患者様が「すごく優しいの。」、「とても頼りにしているの。」と彼女たちに声をかけると、「温かい言葉をありがとうございます。」と慣れない言葉を使って返していました。直接、患者様から感謝の言葉を聞けるというのはとても大事だと思います。
7)今後マリーさん、ロンさんに期待していることはありますか。
引き続き積極的にコミュニケーションをとり、部署や病院全体の活性化につなげてほしいと思います。当院の事務長も「ケアサポーターのリーダーぐらいになってくれたらうれしい。」と言っており、そのためには、良いことも失敗したことも含めて、多くの経験をしてほしいと思います。