CASE STUDIES

事例紹介

医療法人札幌麻生脳神経外科病院

言葉の壁を乗り越える!
患者さまと心を通わせる、毎日の小さな“対話”とは?

※令和7年度札幌市外国人受入・定着支援事業を活用

2026.03.30

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施設情報

札幌麻生脳神経外科病院は、1985年に札幌市東区北40条東1丁目に脳神経外科単科の専門病院として開院されました。以来、1.高度先進医療の推進と実践、2.地域医療への貢献、3.患者さまの権利擁護と尊重、4.医療従事者、学生の教育と実習をあげ、脳と脊髄に関するすべての疾患の診断・治療を目標に掲げられています。

施設名
医療法人札幌麻生脳神経外科病院
所在地
北海道札幌市
HP
https://www.azabunougeka.or.jp/index.html
採用人数
2名(インドネシア)
登録支援の利用
当社に委託
※注意※
当記事に関する病院への直接のお問い合わせはご遠慮ください。

受け入れ施設のインタビュー

看護部長 浅元様、科長 佐藤様

看護部長 浅元様、科長 佐藤様

「自分の中でどのように患者さまと接したらよいかを考えてきちんと行動に移してくれています。」

1)特定技能外国人材の採用の経緯を教えてください。

当院では、看護助手の採用が年々厳しくなっていました。募集をかけても公募ではあまり求職者の応募が来なくなっており、ハローワークや公共の職業紹介所を使っての採用募集でも、人員の補充が少しずつ限界になってきたと感じていました。そこで、残る選択肢として日本人の人材紹介会社や外国人材の採用と思っていたのですが、周辺の病院さんでも外国人材の採用を開始したということを伺っていました。当院もそのタイミングでたまたま給食を委託している業者さんから、OURさんをご紹介いただいたため、長期的なことを考え、外国人の方を採用し、人員を補充していくことに決めました。

 

2)受入れの際に大変だったことや準備されたことはございますでしょうか。

浅元様:受入れ前は本当に何から準備したらいいのかイメージがつきませんでした。OURさんにどのような準備をしたらよいのか、実際に外国人材を受入れている施設や病院さんの見学、お話を伺いに行くことはできますかというお願いをして、実際に見学をさせてもらいました。私たちなりに手探りで準備を始めましたが、本当にこれで受入れができるのか、入職直前まで不安でいっぱいでした。

佐藤様:いつかは彼女たちが来るということはわかっていましたが、まだ入職までは時間があると思っていたので、いざ入国が決まったと言われたときには準備ができていませんでした。そこで、マニュアルや部署ごとの業務手順書のルビ打ちから始めました。二人の母国であるインドネシアの文化や生活習慣もある程度わかっていた方が双方にとって良い環境になるのではないかと思い、インドネシアについての情報をまとめて、各部署に配布しました。そして、入国してからの生活をなるべく困らないようにするために、生活用品で必要な備品をリストアップして、寄付できるものがないか病院のスタッフに声がけを行いました。実際に集まったものは、現在二人が使っています。入国が決まってから入職までは、本当に慌ただしく過ぎていった感じがします。

特に悩んだ部分は「言葉」です。日本語の基礎は学んできていますと聞いていましたが、「日本語の基礎」がそもそもどのようなことを指しているのか、あまりイメージができませんでした。そのため、手探りではありますが日本語とインドネシア語の用語集を準備していました。ただ、現在その用語集を使っているかといわれるとただファイリングされているような状態になっています。今、振り返ってみると、もしかすると準備している感が私たちの満足に繋がっていたのではないかと思っています。

浅元様:たまたま以前外国人の方が入院されたことがあったので、患者さまとのやり取りを行うためにポケトークを1台持っていました。そして、彼女たちの入職後にこれを使ったらいいのではないかという話になり、難しいことややさしい日本語に言い換えにくいことを伝えたりするときにとても重宝しました。そこで、追加でもう1台購入し、今は2人にそれぞれ1台ずつ持ってもらっています。

実際に受入れたあとに、何が必要なのか私たちも分かってきて、アップデートしてきました!

佐藤様:ただ、受入れ施設に見学へ行かせていただいたときに目標を決めるということが大切だと感じました。本人たちへもどこが目標で、できていること・できていないことがなにかということを明確に伝えるように意識しています。とにかく、最初のほうは環境に慣れるというところが主軸なので生活環境を整えること、仕事に遅刻なく出勤することから目標に、現在は各部署で業務に準じながら目標設定をしてもらっています。

 

・宗教の面でご配慮いただいていることはございますでしょうか。

それぞれイスラム教やキリスト教など、信仰している宗教はあると思いますが、当院で採用する際にはイスラム教の方はヒジャブをつけるかつけないかというところも事前に選択をして、院内では仕事中はヒジャブをつけない方をお願いしますということをOURさんへお伝えしていました。また、イスラム教の場合はお祈りの時間があるということはこちらでも把握していたので、院内のどこでお祈りをしてもらうかなどの準備をしていました。ただ、入職後に本人から「仕事中は、お祈りは大丈夫です。朝来る前と帰った後に手厚くお祈りをします。」というように伝えてきてくれたので、現在の日勤の業務時間内ではお祈りの時間は設けていません。

 

3)彼女たちの入職が現場に与えた影響を教えてください。

二人とも笑顔が絶えません!明るく患者さまに声掛けをしている姿を見て、スタッフが「なんだか負けちゃうね。自分たちも彼女たちのように初心に返らなければいけない。」という話をたびたび看護補助者の皆さんから聞くようになりました。

また、スタッフ全員が周りの人に対して親切になったと思います。彼女たちに伝えたことがわかったのか、わからなかったのかというところをとても大事にしているので、本人がわかるまで丁寧に言葉を変えながら説明してくれていることが影響していると思います。

 

・患者さまとのかかわりの中で印象的なエピソードはございますか。

入職された直後の3週間程度は、現場の病棟に行く前に看護部の中でオリエンテーション期間を設けました。当院の就業規則上で守らなければならないルールや病棟に行くにあたって必要な介護技術をeラーニングも含めて受講してもらいました。その中で、今日は病棟のお茶配りに行こうというように、少しずつ実際の業務をオリエンテーション期間にも入れていました。お茶配りの業務を通して、彼女たちもようやく患者さまと接することになり、どのようなことを注意したらいいのか、患者さまに何か頼まれたときはどのように返答したらいいのかという質問が出るようになりました。その際に「ここは病院だから患者さまは治療のために入院されています。日常的な話でもいいし、少し様子がおかしいな、元気がなさそうだなと思ったときは、元気なさそうですね、大丈夫ですかという声掛けしてあげてください」とお伝えしました。すると、きちんと丁寧に患者さまのことを観察して声をかけてくれています。患者さまから言われたこともすぐに看護師にフィードバックしてくれているので、自分たちの中できちんとどのように接したらいいかということを考えて行動に移してくれているところがすごいと思います。

 

4)日本語でのコミュニケーションについて教えてください。

「おはようございます、こんにちは、さようなら、失礼します」というような挨拶や指導、説明を受けた相手への感謝や労いの言葉、生活用語は問題ないですが、次のステップとして、対話になったときに、やはり次にどの言葉を組み合わせて話したらいいのかというところが、少し困惑しているような印象を受けることがあります。自分たちが感じて、今伝えなければいけないことは、きちんと伝えてくれていますが、会話をしていてキョトンとした顔で首をかしげていることがあります。そのようなときには双方にとってきちんと正しい理解をして対話することを大事にしたいので、その業務を行うための目的の説明などが入るときには、変な解釈や誤解を招くことがないようにポケトークを活用しています。しかし、日常生活的において、ほとんど困らないレベルだと思います。

 

5)彼女たちへの評価をお伺いできますでしょうか。

現場からもらっている評価としては非常に高いです。業務もとても真面目に取り組んでくれていますし、スタッフとのコミュニケーションや関係性の作り方も、円滑に進んでいますと聞いています。もちろん長い目で見守りたいと思っているので、様々な業務を次から次へと指導していくということは行っていません。基本的には指導者の見守りのもと業務を行ってもらい、きちんとメモをとって、自分の中でそれを持ち帰って家で復習をしているようです。次の日にはしっかりそれを活かして業務に取り組んでくれています。

 

・最も成長を感じる部分はどこですか。

入職初日は、本当に緊張していて表情も硬かったですが、現在はスタッフたちからも名前を呼ばれて声をかけてもらうなど、とてもみんなに受入れてもらっています。患者さまも通りかかると手を振ってくれるなど、本当にこの環境に溶け込んでくれているというところが一番です。

どのような言葉を患者さまに掛けたらいいのか、患者さま一人ひとりとたくさん対話したいという思いがあっても、どうしたらよいかわからなかったところから「おはようございます、今日は体調どうですか。」などの声掛けをしている様子を見ると「こんなこと聞けるようになったんだ!」と思います。私たちも笑いを入れながら楽しく仕事してほしいと思っているので、楽しい雰囲気作りで冗談を言うと、その冗談を言ったときと同じような場面で、私たちが使っていた冗談をそのまま返してくるなど、彼女たちが笑いをとってくれることもあります。

 

6)今後、期待していることを教えてください。

自分たちの目標を達成してほしいですし、そのためにこちらがサポートできることはしてあげたいと思っています。本人たちも日本語のレベルアップをして、日本でずっと働きたいといってくれています。もしも、自分の母国に帰ることになったとしても、そのときはインドネシアで介護のスペシャリストとして活躍できるぐらいに、どんどん力をつけていってほしいと思っています。

入国のころから介護福祉士になりたいという目標は聞いているので、本当に介護福祉士になるために、本人たちが学習できるような環境を作りや技術面や知識面を少しでも補ってあげられるようなサポートは手厚くしてあげたいと思っています。

紹介人材コメント

ラシさん、インダーさん

ラシさん、インダーさん

「日本の介護技術や丁寧なサービスを実際に学びたい思い、日本で働くことを決めました!」

1)日本で介護の仕事をしたいと思った理由を教えてください。

インダーさん:私が高校生のころ、祖母がお風呂で転んでしまいました。その際に毎日食事やトイレ、着替えなどの手伝いを行いました。毎日一緒に過ごし、話を聞いていくうちに介護に興味を持つようになりました。そして、日本の介護は世界で高く評価されているので、私は日本で働きたいと思いました。

ラシさん:私は介護の仕事を通して人の役に立ちたいと思ったので、日本で働きたいと思いました。日本の介護技術や丁寧なサービスを実際に日本で学びたいと思っていたからです。

日本の介護はケアの種類が多く、インドネシアの介護とは少し違っています。

 

2)OUR BLOOMING ACADEMYインドネシアでの学習や学校生活について教えてください。

インダーさん:アカデミーには約半年通い、日本語と介護基礎の勉強をしました。そして、日本の文化やルールについても学習しました。

ラシさん:学校でイベントもあったので参加していました。日本に来てからは、スタッフの皆さんに日本の文化や行事を教えてもらって、たくさん体験しています。

 

3)日本での仕事や生活で大変なことはありますか?

ラシさん:今は仕事で大変なことはありません。業務としては、配茶やタオル交換などを行っています。ここの先輩はみなさんとても優しいです。わからないところがあるとていねいに教えてくれます。

ラシさん・インダーさん:最初は、患者さまの話すスピードが速く、聞き取ることが難しかったですが、毎日たくさん話すことで、少しずつわかるようになりました。最近では、「スラマッパギ(インドネシア語でおはようございます)」「テリマカシ(ありがとう)」などのインドネシア語を覚えて挨拶してくれる患者さまもいます。

インダーさん:生活は、雪が大変です。雪道に慣れていないので、毎日転んでしまいます。

 

4)インドネシアにいるお二人の家族は日本での活躍についてなんといってくれていますか。

インダーさん:家族はとても応援してくれています。家族の支えが私の大きな力になっています!

ラシさん:家族は私の仕事を応援してくれています。日本は安全な国なので、家族も心配はしていません。仕事の後に毎日連絡も取っています。

 

5)これからの目標を教えてください。

インダーさん・ラシさん:JLPT N2に合格して、介護福祉士の資格を取りたいです。介護福祉士をとったら日本でずっと働きたいです!

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